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陽遁、隠遁 ③

前回の続き、(なんで気学にちょっとハマった勢いで寒い中を日盤ベースの吉方位に向かって自転車で毎日巡ろうと思ったのか、理由その2の長い記述の続き)である。

2020年01月~03月まで、「双極性 II型」( 前回 を参照 )の治療のため、TMS治療( https://utu-yobo.com/tms/ )を継続していた。その間、何もしていなかったわけではなかった。

1月:全く楽しめない新年会、娘のピアノの発表会、世話になったシニア社員の送別会、異動する部下の送別会、定年でシニア再雇用になる社員のお疲れ様会、うつエピソード状態の睡眠不足で辛い中をレンタカーを運転しての母方の親戚の四十九日、出張は疾患のため上司から中止命令・・・治療は開始していたが効果はまだなく、この時期はものすごく辛かった。

2月:2019年に解散した投資コミュニティが再編されて2020年02月にさほど面白くもないリスタート、参加したものの全く楽しめなかったパスタ会、娘の誕生日の何をやっているのかよくわからなかった買い物、あまりアガらない状態での前職の元同僚とのいつもの飲み会・・・と前半はやはり低調が続いた。ただし、全く動く気力のなかった1月と比して、ぎこちないながら徐々に動けるようになり、そして2月中旬から転機が訪れた。
2月中旬におまけの無償ソフトではあったが、部署の開発テーマがプロダクトアウトを成し遂げた。5年間のR&D在籍以来の念願、事業セクターに復帰した以降の目的に向けて、部署のメンバーと一緒に頑張って来つつも数年来の苦難を味わい続けて来た活動がようやく報われた事に達成感を感じた。そしてそれに続き、自身の一生忘れ得ない体験が自身の中に起こったのである。
それは、「エンジニアリングの現場での業務」をキッカケに頭の中&行動の「うつ症状」的なところが一気に晴れる、という体験であった。前述の開発テーマのプロダクトアウトと前後し、立て続けに2件の製品の市場障害が続き、部下の手が回らない&経験が足りずに出来ない不具合解析業務を、自身の専門であるネットワークやワイヤレスの技能で実施する事になった。
2014年に課長職になり、すっかりマネージャ稼業が長くなってエンジニアリングの現場から遠ざかっていたが、2案件とも解決へ導けた。アナライザでデータを収集したり解析したりという作業を無我夢中で行い、久方ぶりの深夜残業で脳みそを回転させ続けているうちに、プレッシャーとなっていた仕事の憂いなど雲散霧消してしまったと言うか、とにかく全く症状がなくなった。
「あー、やっぱりマネージャじゃなくてエンジニアリングの現場が好きなんだなぁ」等と実感もしつつ、”それ以外の力を感じて”段々調子が良くなって3月に突入した。

3月:続けていたTMS治療も予定回数を終え、相乗効果があったのか無かったのかは不明だが、どんどん頭の中の霧が晴れていく感触があった。そして、この月の中旬にも同様のおまけユーティリティがプロダクトアウトを果たした。これまで苦しんできたのを吹き飛ばす2ヶ月連続のプロダクトアウトとなった。
さらにそれまでやってきたテーマ群/体制を再編して「コロナ向け」のプロダクト開発に仕立て直した。クラウド開発が主体のテーマとなった故、すっかりリモートワークが主体になった開発業務においても、部下たちはバリバリと開発を推進出来る状態となっていた。それを頼もしく感じながら、私も四の五の言わずにマネージメントや製品企画的なワークに邁進し始め、いつのまにやら鬱エピソードはどこへ行ったのだろう?的な状態になって4月に突入していくのだった。

実は、この期間に「陽遁」「隠遁」の切り替わりのタイミングはなかった。(このパターンでは、当時の自分の中の何かが転じたのは、その切り替わりではなかった。)この期間2月始~3月が、こよみ的にどうだったかと言うと、つまるところ、(春の)「節分」(2/3)~「彼岸入」(3/17) であった、と言うことになる。

1500文字も超えたので、続きは次回に。

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