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そろそろ棚卸しの1件目を。
なにせ年間約350件ほどの仕事を完遂しつつ、お客様満足度とスタッフの幸福度をあげるようっていうのですから、どれほどのテクニックとコミュニケーションの試行錯誤が現場でなされているか。それらを点検するんですから、構えちゃうっていうか勇気が要りますよ。

それに仕事を振り返るとついついできていないことに気が行ってしまい、「オレには絵が描けないんだ〜!」と叫びながら描いた絵をぐしゃぐしゃにしちゃう画家のように(ドラマか?!)自分の無能さを呪うモードに入ったり。。。まあ、それは一旦おいておきましょう。


20文字以内に収める効果

「20文字以内メソッド」(私が勝手に命名)は、プレスリリースのタイトルや、文中の見出し、イベントやポスターのキャッチフレーズ、スライドのページタイトル、企画書などなど、あらゆるコンテンツづくりでやっています。
なぜ20文字以内かというと、一呼吸で読めてわかりやすくなるからです。たとえば、ポスターの前を通り過ぎるときも、20文字以内のタイトルだとぱっと目で読み終わり、印象を残してもらいやすくなります。

一番の効果は、20文字以内にする工程によって“こどば”が研ぎ澄まされること。サイエンスのタイトルは正しく詳しく伝えようと、ことばがモリモリになって長く難しくなりがちです。それをまず専門用語をできるだけ身近なことば(共通イメージのあることば)に置き換え、わかりやすく興味をもってもらえそうなタイトルにします。

キャッチフレーズの場合は20文字以内で「伝えたいことを説明しちゃおう」と思わないこと。興味を持ってもらえる“きっかけ”になることを目標にします。フレーズを見かけた人が「あれ? なにかな? どうゆうことかな?」とひっかかるぐらいがちょうどいい。

なにより大事なのは対象者とその対象者に望むアクションを念頭において考えることです。

そうやって編集しても21文字超えたら「決して許すまじ」とその一文字を削る作業をします。すると不思議なくらいいい感じのフレーズに変化していきます。初めとまったく違うフレーズになったり、こだわっていたことばがあれ?いらないじゃんとなったり、、20文字以内縛りはとても良い効果を生み出してくれています。

困っちゃうのは「サイエンスコミュニケーション(14文字)」であと6文字しかないというとき。残り6文字を漢字で整えたり工夫しても駄目なときは、長いカタカナ単語をいっそ捨ててしまうこともします。まあ無念にも2文字ぐらいはみ出したりもしますけどw 
「サイエンス」を「科学」にすれば3文字減るのにと思われるかもしれませんが、それはそれで「サイエンス」にこだわっている理由があります。

20文字以内メソッドで参考になった書籍
『20字に削ぎ落とせ ワンビッグメッセージで相手を動かす』
リップシャッツ信元 夏代 著

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プレスリリースのタイトルは16文字以内

特にプレスリリースは16文字に収めるようにします。それはネットニュースのタイトルが16文字以内だからです。Yahooニュースのトップに並んでいるニュースのタイトルの文字数を数えてみてください。これはこれでネットニュース用のテクニックです。

さらに、プレスリリースに至ってはネットメディアの編集者がそのまま掲載しても大丈夫なタイトルと文章と図を制作します。猛スピードで大量に流れるニュースの中で、編集者の目に留まってもらいすぐに掲載されるために、さらにへたに編集されて誤解を招く記事になることを回避するためです。

ルールを意識して書き続けること

20文字以内メソッドとセットでやっているのが、40文字以内で三段構成(序論、本論、結論)で書くことです。このくせが身につくと、グラフィカルアブストラクト、プレゼンスライド、企画書、報告書など広く応用できます。
さらに、グラフィカルアブストラクトの制作や就職面談にも活かせます。(ちなみに大学や研究所でこのテクニックを身につけてもらうためのセミナー&ワークショップしています)

大切なのは、くせになるほど意識的にやり続けること。ライティング力に悩んでいる人でも、文体や細かいテクニックのことはまずはおいといて、文字数を守るだけなら楽に続けられそうですよね。

私は、文字数の枠に収めるようにしたことで、伝えたいことを濃縮する力がつき、文でも図でも「簡潔に伝える」ことがずいぶんと楽になりました。

※英語の場合はどうするんですかと質問いただきますが、日本語は3音で読む漢字でも1文字でカウントしているので、英語では同じようにはいきません、あしからず。「英語の場合は文字数より単語数を抑えることを念頭にコンパクトに」と答えています。

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