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[THINK]SDGsを考える。美容室が出来るサステナブルとは?


0.まずはおさらい、、SDGsとは?

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。  ー外務省サイトより

”サステナブル”と言うワードが世の中に広がりをみせる中、そのきっかけとなった国連で決めた国を越えて環境汚染や格差社会などの問題解決と世界中の人の生活の質を向上する為の行動目標。ジャンル毎に17にまとめられている。


美容室として取り組める事を考えてみた

シャンプーなどでたくさんの水を使ったり、カラーの材料を消費したり、、ドライヤーやお店の照明で使う電力も美容室の日々の営業活動には欠かせない。これから先5年後10年後も働く側もお客様も美容を楽しめる「持続可能な美容室」の為に、取り組めることはないかを考えてみた。

1.カラー剤チューブをリサイクルする

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NBBA(全国理美容製造者協会)のリサーチによると、約60%の女性が美容室・自宅染めを問わずヘアカラーを現在進行系でしていると言われてる。この比率は2008年〜2018年の10年間殆ど変わっていない。10代から60代、またはそれ以上の幅広い世代の女性がオシャレや白髪カバーの用途でへカラーを楽しんでいる。

普段美容室に通ってへカラーをされている方もプロが使うカラー剤の正体を見たことがあるだろうか?マニキュアやヘナ、ブリーチなどカラー剤にはいくつか種類があるが、おそらく一番使用されているのはおしゃれ染めや白髪染めに使われる永久染毛剤と呼ばれる医薬部外品のアルカリカラーだ。

このヘアカラーは色味や明るさの元になる1剤と1剤と混ざることで化学反応を起こす2剤を混ぜて使うのだが、この1剤はたいてい酸化防止の為アルミのチューブに約80〜120gずつ入っている。アルミならリサイクル出来るのでは?と思うところだが、絞り器を使って出来る限り最後まで使っても少量のヘアカラー剤がチューブに残ってしまう。そうなると資源ごみでは出せず、不燃ごみとして捨てることになってしまう事がほとんどだ。

そこで調べてみたところ1週間もするとキロ単位にもなるアルミを不燃ごみではなく資源として買取・引取してくれる業者がある事が判明!是非検討してみよう。


2.洗濯洗剤を変える

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美容室に欠かせないツールのタオル。大型の店舗だと業者にレンタル・リースしている場合もあるが、各自で洗濯して使用している店舗も少なくないのではないだろうか。1人のお客様に使うタオルはカットの方で約3〜4枚、カラーやパーマをすると更に2〜3枚は使う事になる。それに加えてカットする際に使う白いクロスやお客様にかけるひざ掛けなど、店内やお客様に触れるものをクリーンに保つために洗濯機は営業中はフル稼働、1日3〜5回は洗剤を使うことも。

その洗濯洗剤を環境に優しいものに変えてみるのはどうだろう。お客様の肌に触れるものだからこそ、コストを考えつつ、自然由来の洗浄成分が使われているものや泡切れが良くすすぎが一回で済むものにシフトチェンジする機会にするのはどうだろうか。


おすすめは洗剤残りが少なく、排水後は微生物によって分解されるサラヤのヤシノミシリーズ。


ベルギー発祥のエコベールにも注目中。洗浄成分だけでなく再生プラスチックを使用するなどエコかつスタイリッシュなパッケージも素敵。


3.排水溝の行く先を考える

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美容室が排水口に流すカラー剤の量は年間約18000トン。カラー後のすすぎやシャンプーや作りすぎたカラー剤をそのまま排水溝に流してしまうケースもあると言う。余ってしまったカラー剤はそのまますくい取って可燃ごみとして破棄するのがベター。今後は余剰が発生しないようにカルテに使用量を記録して置くのも良い。

また少ない剤を最大限活かす方法もある。手動で混ぜるマドラーではなく自動で混ぜるカラーブレンダーを使ってみる。混ざりが良くなりムラを防ぎつつ、空気を多く取り込むのでカラー剤が膨らみ、カラー剤の使用量を減らす事ができる。ただしカラー剤によってはリフトアップのパワーが若干弱まるとの声もあり、テストするのをお勧めする。



どうしても発生してしまうカラー剤の作りすぎなどを極力減らす事は、環境保全だけでなく材料費の削減につながる。環境にもお店にも優しいWINWINの取り組みと言えるのではないだろうか。


4.電力会社を変えてみる

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店舗の照明やドライヤーなど電気は水道同様美容室にとってなくてはならないもの。美容室と電力との関係は意外にも深く、「美容室は火曜日が定休日」の由来となったのも実は電気。第二次世界大戦時代、日本でのパーマは「電髪」と呼ばれ電気で加熱しカールを形付けていた。当時は電力の供給がストップする「休電日」があり、その日は電力を多く使うパーマをかける事が出来ないため、その日を定休日とする美容室が多かったそう。その名残が今も残り、特に関東地方では火曜日を定休日と定めるお店が多いと言うのが諸説ある中でも有力な一説だ。

館や建物の条件的に難しい事もあるが、可能なお店であれば電力会社を変えることを検討してみる良い機会かもしれない。2016年から開始された電力自由化に伴い、エコで自然に優しい発電方法で電気を作る電力会社を選べる様になった。

使う電気について今一度考えてみたり、インフラとして享受するだけでなく消費者として電力会社を選択すること(変えないと言う結論に至ったとしてもそれはそれで◎)で節電などの意識も自然と高くなり、サステナブルなマインドが身につくのではないだろうか。

下記は風力発電など再生可能エネルギーでの電極供給に積極的に取り組んでいる2社。現状の電気代との比較なども簡単に出来るので一度トライしてみては。



5.まとめ

ひとつの美容室、ひとりの美容師として取り組める事・影響力は限られているかもしれない。まずは「知ること」、地球や我々の未来を「考えること」を始めてみる。そして仲間同士でアイデアを出し合ってみる。そんな小さなアクションの積み重ねが地球を慈しみながら美容を楽しむ、サステナブルな未来を作っていくのではないだろうか。

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