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【上高地カレンダー 5月5日】上高地とゴールデンウイーク

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 ゴールデンウイークの思い出で、かろうじて思い出せるのが大学時代のサークルの新入生歓迎合宿だ。思い出はトレーシングペーパーくらいの薄さで頭のファイルに存在していたが、少し意識がずれるとどうでもよくなってしまう。それ以前、子供のころの思い出は、頭の引き出しを開ける気すら起きない。

人生終わる前にゴールデンウイークのことを思い出せと言ったら、「忙しかったな」の一言になるだろう。私は上高地で働くようになってからは、GW=忙しく仕事をするというのが自分の中に当たり前になってしまい、今年のゴールデンウイーク、安曇野の自宅にいるのは夢みたいな感じだ。

 シーズン通して働いていたころ、上高地のゴールデンウイークは忙しすぎて、逆に何があったか忘れてしまうくらいだ。ゴールデンウイークが終わって、少しゆとりがあればほっと一息で済むのだけれど、体がまだ慣れてなかったりするから緊張のゆるみで疲れもどっと出る。今思えばあそこまで頑張る必要はなかったけど、そのときはそれが最善だと思っていたし、そうでなければ自分を認められなかった若かりし日々。

ここ数年はヘルプ的に上高地に行くから、長いゴールデンウイークの途中でも安曇野に帰ってこられるし、心のリセットができる。ほかのスタッフたちの心身をわずかでも気遣える余裕が出てきたように思う。観光客の数は変わらないし忙しいとヘンに使命感に燃える性格はそのままだが、それでも少しは器用になったのか。(つまり歳を考えろと・・・(^^)/)

ただ、施設によっては下手すると10日くらい連続勤務だってありうるから、そのあたりは覚悟しないといけない、と言っておく。忙しいからといって飛ばしすぎもご法度。休憩時間は気合を入れてしっかり休む。4月末から5月6日ごろまで、慣れない場所での長丁場は、自分の体調管理がなにより大切だ。しか上高地は朝晩はまだまだ寒い。あの期間は気力体力勝負とつくづく思う。

けれどゴールデンウイーク終盤になって、入山して上高地生活すべてに不慣れだったスタッフたちに、仕事に対するわずかな自信とスタッフ同士の連帯感のようなものが育っているのを見るのは嬉しい。ゴールデンウイークを乗り越えれば、たいていの子は期間満了まで働いていってくれる。

今年は何もないゴールデンウイーク、上高地まさかの休業。椅子に座っているのが退屈で、人のいない上高地はさぞきれいだろうなと想像するばかりで終わりそうだ。パソコン作業は嫌いではないが、動画は作り込まないといけないから気晴らしには遠い。それでも外に出れば広がるのは安曇野の田んぼの水鏡。

ゴールデンウイークは忙しかったな、でもあんな年もあったな、と、この水鏡を思い出すことはあるだろうか。

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