「最強の報復」について考える
2022.2.8㈫ 曇り@ギンレイホール
掲載は観賞順。
MINAMATA
現代の問題として受け止めたい度 ★★★★★
「水俣病」という名前は教科書で知ってはいたけれど、そのレベル。
つまり、私にとっては「歴史」に分類されてしまっていたけれど、全然そうじゃない、現在進行形の「現実」だと思い知る。
それは、原告のチッソと被害者の間での訴訟が全面的に解決してはいない、といった現実だけじゃない。
企業や国、大きな組織の「利権」は、声なき民の「存在」をたやすく奪ってしまうという、現実。
今のような時代、大きな組織の側の利益に、知らないうちに与っていることも、たくさんあるだろうな。
そういうとき、私はどうするのか。
なんてことも、考えました。
作品内でジョニー・デップ演じるアメリカ人写真家ユージン・スミス氏が撮った、水俣を象徴する一枚『入浴する智子と母』は、1998年以降、ご家族との話し合いで封印されたようです。
ユージン・スミス氏の当時の妻であり、著作権者でもあるアイリーンさんの手記はこちら(↓)。
映画では、封印されたその写真にも出会えます。
沈黙のレジスタンス
「憎しみの輪」から抜け出したい人へのオススメ度 ★★★★★
マルセル・マルソーといえば、
「たしか、パントマイムの人だよね」
という、これまた浅い認識でしたが、第二次大戦中、ユダヤ人孤児をドイツ統治国外へ逃したレジスタンス活動をしていたこともここで知りました。
ナチへの憎しみを吐き出す同胞に向けていった作品内でのセリフに、あらゆる「憎しみの連鎖」から抜け出すためのヒントがありました。
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