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【伝えたい相手に伝わるデザインにするために】飲食クラウドファンディングに挑戦したくなるLPをデザインする時に工夫した6つのこと

クラウドファンディングサービスCAMPFIREでデザイナーをしている、お塩さん(@oshiokeiko)です。
CAMPFIREには、ガジェット系や地域系など様々なカテゴリがあります。今回、飲食カテゴリの挑戦を考えている人向けに特化したLPを作成しました。その際に向き合った6つのことについて共有します。

制作期間:約1ヶ月

プロダクトマネージャー:1名
マーケター:1人
デザイナー:1人(私)
飲食キュレーター:5人
実装者:1人

LP制作の背景

CAMPFIREでは、飲食カテゴリ利用者を専門でサポートする飲食チームが存在します。今回、そのチームから飲食カテゴリに特化したLPを作りたいという相談がありました。抱えていた課題感はこちら。

飲食チームキュレーターが抱えていた課題
・飲食クラウドファンディングの認知度は上がっているが、インフルエンサーや大手が使う認識が強い。小さなお店でも自由に挑戦できることを伝えたい。
・「クラウドファンディング挑戦=資金繰りが厳しい」とネガティブに捉えている方が多い。資金調達以外にもメリットがあることを伝えたい。
・コロナ禍で飲食店は厳しい状態。クラウドファンディングに踏み出せていない方が、相談しやすくなる導線を設けてサポートしたい。

課題を整理し、クラウドファンディング自体は知っていて興味もあるが、具体的に動き出せていない層に向けてLPを作ることにしました。

【ターゲット】
・小規模な飲食関係の方々
・クラウドファンディングは知っているが挑戦したことがない層

【目的】
1.認知拡大
規模を問わず、誰でも挑戦していいんだと知ってもらう
飲食クラウドファンディングならCAMPFIREだと思ってもらう
2.不安解消
不安や疑念を解消し、自分もできそうだと思ってもらう
3.動機付け
CAMPFIREでクラウドファンディングしようと行動してもらう

1.ターゲットにあったLPの構成を考える

CAMPFIRE全体の利用者向けLPと、飲食カテゴリに特化した利用者向けLPで構成を大きく変えました。

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❶『スタッフに相談』ボタンを目立たせる
全体のLPでは、プロジェクトページを作ってみよう。わからない方は相談してね。というスタンスなのに対し、カテゴリ特化のLPではスタッフに相談してみよう。自分でできる人は作ってみてね。というスタンスです。ターゲットの"動き出せていない層"に対し、ページを作ろう!といきなり遡求することはハードルが高いため、『スタッフに相談』ボタンを目立たせる形に変えています。

❷まずはクラウドファンディングをやるメリットを伝える
ターゲットにしている層は、クラウドファンディングをやるメリットをまだ正確に認知していません。クラウドファンディングをするメリットをまだ理解しきれていないユーザーに、いくらプラットフォームの説明をしてもピンと来ません。まずはクラウドファンディングをやるメリットを示し、CAMPFIREのメリットを示す構成にしています。

❸情報は厳選する
ターゲットにしている層は、クラウドファンディングは知っているが挑戦していない層です。クラウドファンディングの基本的な情報は省き、その分スタッフに相談ボタンを複数設けました。わからないことがあれば気軽に相談してね。というページ作りをしています。

2.飲食業界の方に寄り添い、ワクワクできる世界観を表現する

これまでCAMPFIREの世界感を表現することがほとんどでした。しかし、CAMPFIREの世界観を飲食業界の方にアピールすることは、はたして目的の達成に繋がるのか?と考えました。

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▲このページの世界観では、飲食関係の方々が自分ゴト化しづらそう。

CAMPFIREらしさを意識しないデザインにしようと考え、ベージュを基調にアクセントカラーはオレンジを採用しました。写真を大きく斜めにレイアウトしたり、背景に料理のイラストを散りばめたり。温かく遊び心があり、ワクワクする世界観になるよう意識しています。

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3.メリット(価値)を"自分ごと化"できるライティングを

クラウドファンディングのメリットを一般的な表現のまま伝えても、飲食業界の方の心には響きません。

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飲食業界の方が、自分ごと化できるライティングをしたい。そこで、いつも飲食業界の方に接している飲食チームの力を借りることに。一般的に言われているメリットをどう言い換えたら伝わるのか、miroのボードを使い、各自アイデアを付箋でぺたぺた貼ってもらいます。

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ある程度方向性が見えたら、今度はFigmaでデザインを見つつ細かな言い回しを議論していきます。

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ちなみに、議論の場づくりとしてmiroとfigmaは以下で使い分けました。

miroでやる議論:アイデアを発散する時に利用
デザインなどの視覚情報は伏せて(ここでデザインを提示してしまうとデザインの雰囲気でアイデアが阻害されることがあるため)非デザイナーでも使いやすいmiroを使うことで、自由にアイデアを広げてもらいやすい。

figmaでやる議論:アイデアを収束させる時に利用
デザインの雰囲気を共有しながら議論することで、発散したアイデアをみんなで同じ方向性に収束させていきやすい。意見を反映したデザインをリアルタイムで作れたり、合意形成を迅速に進めやすい。

最終的なライティングはこちら。

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4.情報を絞って負荷を下げる工夫を

3で飲食チームと作り上げたメリットですが、全てをメリットとして取り上げることはしませんでした。飲食チームメンバーから「メリットが多すぎるのではないか?」という意見が出たためです。
選択のパラドックスという心理作用があります。

選択のパラドックスとは?
・多すぎると迷いやすい
・多すぎると選ぶこと自体をやめてしまう

メリットとはいえ、多すぎるとユーザーの認知負荷を上げます。情報を理解するのに疲れてしまい、次のアクションへの行動をやめてしまうのです。最終的に6つのメリットは4つに絞って紹介することにしました。

プロジェクト事例も、紹介したいプロジェクトはたくさんありましたが、かなり絞りました。

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▲飲食チームと一緒に、どのプロジェクトを取り上げるか議論した時のもの。掲載したいプロジェクトをまずは洗い出し★マークをつけて絞っていきました。

5.初めて挑戦する人の不安が解消されるように

初めてクラウドファンディングに挑戦する人のことを想像してみます。わからないことだらけですよね?

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CAMPFIREでは、プロジェクトの相談〜終了まで、専任キュレーターが1人つきます。疑問や不安はいつでも自分の専任キュレーターに相談できる体制が整っており、CAMPFIREを利用する人の約87%が初めてクラウドファンディングに挑戦する人という調査結果も出ています。
こう聞くと、少し安心しませんか?できるだけ不安を解消できるよう、このポイントを大きく取り上げました。

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CTAエリアでは、少しでも相談のハードルを下げられるよう「ちょっとした不安や疑問で相談してくれていいんですよ。」というメッセージを添えています。

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6.支援者さん・挑戦者さんの声を可視化し、行動の後押しになる工夫を

飲食クラウドファンディングに挑戦した方の多くが「支援者さんの応援の声が嬉しかった。」と口にします。支援者さんの応援の声を可視化することで、挑戦の後押しにならないかと考えました。

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プロジェクト事例の下に、支援者さんの応援コメントを掲載しています。事例を羅列するだけより、想いが可視化され気持ちがグッと動きます。

また、メリットを伝えるエリアに、飲食クラウドファンディングに挑戦した方のコメントも掲載することにしました。メリットがより現実味を持って伝わり、"自分も行動したら何かが変わるかも"とワクワクした気持ちになれるよう工夫しています。

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最終デザイン案

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反省点と学び

私がこのLPをデザインする中で感じた、反省点と学びを3つご紹介しようと思います。

1.焦りは禁物
このLPをデザインしている時、CAMPFIREの世界観からなかなか脱却できず、時間が経つにつれ「早く終わらせなきゃ!」となってしまっていました。その時は終わらせる事が目的にすり替わっていた気がします。焦る気持ちが生まれた時は、一旦ユーザーにとって理想の状態は何なのか?を改めて冷静に考えること。落ち着いて課題に向き合っていれば「山を越えたなっ...」と感じる時が必ずきます!
2.言葉の引き出しを増やす習慣を
LPってほぼライティングじゃない??と思いました。そして自分の言葉の引き出しの無さを痛感。こればかりは今すぐ爆速で改善させることは無理だと思いますが、インプットしてアウトプットを繰り返す。言語化の癖をつける。これにより少しずつ言葉の引き出しを増やしていきたいなと思います。
3.ファシリテーション力が必要
LPをデザインするには、作業とは別に目的に沿っていろんな人とコミュニケーションをおこない、中心となって立ち回るシーンが増えます。相手の課題をうまく引き出したり、目的を設定したりする能力=ファシリテーション力が必要だな〜っと感じることが多かったです。これも爆速でできるようになるスキルではないので、日々経験を積んでいこうと思います。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました!
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