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#designship2024 スピーカーとして、話し方をデザインした話

事業承継マッチングプラットフォーム「relay(リレイ)」でプロダクトデザインをしているお塩(@oshiokeiko)です。

Designship2024で公募枠スピーカーとして登壇しました。

いろんな方と話す中で、Designship2024公募枠を通過するのはかなり難しいと知りました。アクセンチュアの方も毎年公募枠応募しているけど通らない!すごいじゃん!と言われて、改めてスピーカーとして立てたことはとても貴重な体験だったと振り返っています。

今回私は、かなり入念に準備をおこないました。
登壇後、プレゼンの神だと思っている広野さんから「没入した」と言われ、ガッツポーズしました!

登壇後、広野さんから「いつもそんなにわかりやすく話すの?それとも努力なの?」と質問されました。
その時は「すごい準備しましたよ!」と軽く話しましたが、、、、リアルなことを言うと、ほんとめちゃくちゃ準備して臨んでいます。

今回私は、デザインを作る時のようにプレゼンの話し方を分解し、要素に分け整理し、強弱をつけました。これはまさにデザインだったなと思っています。
今回私が工夫したことをご紹介します。

自己紹介はしない。いきなりコアメッセージを出す

登壇の最初に「ご紹介に預かりました◯◯です。」という形式ばった挨拶とスライドは捨てています。
デザインでバナーを作る時を想像してみてください。コアメッセージをバン!と大きく見せませんか?それと同じです。
デザインでは最初にみせる情報をとても工夫しますよね?それによって惹きつけられ度が変わるからです。プレゼンでの話し方も同じだと思いました。

大きな主張の後は"6秒”あけて、理解と期待をつくる

デザインで見出しを作る時、padding大きくしますよね?それと同じです。
主張の後は少し間をあけました。
ダラダラと言葉を続けると、聞き手は何が重要な部分だったのか聞き過ごしてしまいます。そしてメリハリがなくなる。デザインでもフォントの強弱の使いどころをとてもこだわりますよね?話し方も同じなんだと思いました。

でもこれは習得がとても難しかった部分です。「6秒あける」とても簡単なことの思えますが、話している側は6秒何も話さず沈黙をつくるってとても怖いんです。
でもその分得られるものは絶大です。江頭さんのスピーチが参考になります。「お前らに物申す!」の後とても間があいてますよね。間をあけることで理解も深まりますし、次何話すんだろう?という期待も上がっていくのがわかります。

話すスピードに抑揚を作る

私はスライド1枚ずつ"このスライドでは何が重要なのか"を整理し、そのフレーズをゆっくり読むようにしました。
具体的に言うと、以下のように1文の中でも話すスピードと声の大きさを変えています。そして主張したいポイントはまさに文字間隔のカーニングを広げていくようにゆっくり話しました。
我々の事業ドメイン上、普段聞きなれない言葉も多いため意識的に大きくゆっくりと話すよう工夫していました。

高い声・低い声を使って抑揚を作る

意識的に高い声・低い声も使いました。
主に、ポジティブに主張したいポイントは少し音のキーを上げています。ネガティブな主張はキーを少し低めに下げています。
これはジャパネット創業者の高田明さんがとても参考になります。高い声のイメージがある高田さんですが、商品説明をずっときくと普通に低い声の時もあるので使い分けていることがわかります。

言葉の終わりに向かってキーを下げ、語尾を伸ばさない

私の話し方は、語尾が伸びる・上がっていくという癖がありました。自分の声を録音してみて、これにより非常に幼く聞こえてしまうということがわかったのです。
これは女性にとても多い癖だと思います。
意識したのは文の終わりに向かってきちんとキーを下げていくこと。そして語尾を伸ばさない。しっかり切る。メリハリを作る。
designshipで登壇すると言うことは"選ばれたデザイナーが話す"と言うことです。信頼性のある話し方ができなければ、聴きに来てくださった方もガッカリするし、designshipの権威性にも傷がつくと思って頑張りました。

話の切り替えで大きな声を出す

designshipでの登壇時間は20分でした。それなりに長いです。淡々と喋っていると、どうしてもだれてきます。そこで、スライドの切り替えや話の転換ポイントで、大きな声でメリハリを作り、切り替えるようにしました。

動作は顔の高さまで上げる

designship2023 https://vimeo.com/ondemand/designship2023/

これはdesignship2023のアーカイブ映像を見ていて思ったことです。私はこの姿がとても脳裏に焼きつきました。
とても想いや広がりが感じられる、手を大きく広げる動きです。かたや意外とみんなここまで動けていないことも気づきました。

私はジェスチャーは顔の高さまで上げてみることにしました。しかしこれも大変。自分でやってみるととても恥ずかしいんです。見ている側は普通に受け取れるのに、やる側はとても恥ずかしくなる。不思議ですよね(笑)
ここまで大きくできたかはわかりませんが、アップされた自分の写真を見てみて、きちんと顔の高さには手が挙げられているなと思いました。

さいごに

我々デザイナーは、スライドをとても美しく作ります。
でもそれを伝えきる「話し方」は細部をデザインをしない。
今回私も完璧にできたかはわかりません。でも「話し方をデザインする」ことに挑戦しました。

同じ日に登壇したFounder & CEO, btraxのBrandon K. Hillさんは「日本人は圧倒的にプレゼン力が足りない。」と言っていました。

マザーハウス 代表取締役 兼 チーフデザイナー山口 絵理子さんは、サラサラと心地よい声で淡々と話されていました。でも、聴き入ってしまう。代表として話す機会が多い方たちは、自分らしい話し方を掴んでいるようでとても魅力的に感じました。

これからのデザイナーは、もっともっと話すことに挑戦していかないといけないと思います。抽象的な事柄も言語化し伝えられる能力、モメンタムや情動を生み出す能力、きっとこれらがこれからのデザイナーには必要です。

Designsshipは話す能力を磨ける最高の場所だと思いました。
話す機会をあれだけ大きな会場を作って年に一度提供する。日本にこういうイベントが存在すること自体が価値です。

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