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おじさんありがとう

船に乗って
今日はこどもの通院
ふたりで出発

診察のあとお昼を食べて
本屋さんへ
島には本屋さんが少ないから
毎回のお楽しみ♪

欲しい本決まってたから
買い物が早くすんだ
もう帰ろうか…と話したのは
予定より早い便だけど
船が出る時刻の20分前

本屋さんから港まで
ぴったり徒歩20分くらい
「間に合うかな…?」
ギリギリ 走る

急げば間に合うはず…
だったけど
あいにく3回
信号待ちしてしまった

港の前で
信号を待ってる
船が出るまであと3分
「無理だ~!」と思ったけれど
信号渡ると
まだ船が見えた
どうしよう?

どうしよう
どうしよう
もう扉を閉めて
出航しようとしてる船

いつも切符を切ってくれる
おじさんがいる
船まであと
5メートル…といったところか

走っていけば
乗せてくれるかもと思うけど
ご迷惑では…と
こんなときなのに つい
立ち止まってしまう

あとから思うと
止まらなきゃ良かった!

「乗るん?乗るん?」
いつも静かなおじさんが
大きな声を出してる
その声に呼ばれるように
船の前へまた走る

おじさん黙って
もう一度
船の扉を開けて
黙ったままわたしたちを
乗せてくれた

いつも静かな笑顔のおじさんの
ちょっと大きな怖い声に
とってもびっくりした
けれど
「乗るん?乗るん?」と
言う声が
「乗れ!乗れ!」と
聞こえる気がしていた


明後日
わたしの通院
ひとりで船に乗る

お礼を言いたい
けれど
今日の乗せてくれたこと
ほかの人に
聞かれない方がいいかも

次にお会いするとき
どんな顔をすればいいのかと
迷う

おじさんありがとう

もしも言えたら
いいな
笑顔で

見てくださって
ありがとうございます

けいちゃん♪





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