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初恋の人
僕にとってマリーは特別な存在だ。マリーは僕の初恋の人。14歳の僕にとって、だからマリーが特別な存在であったことは確かだ。けれども、マリーはその後の僕の人生においても、特別な存在であり続けた。そして、今でもマリーは、僕にとって特別な存在なのだ。
こういうと、人はもしかして、僕とマリーを初恋で結ばれた幸せなカップルだと思うかもしれない。だが、僕にとってそれは、初恋にありがちな儚い恋に過ぎなかった。中学を卒業してから、僕はマリーに一度も会ってはいないのだ。
中学1、2年のとき同じクラスだったマリーと、僕は別につき合っていたわけでもない。それどころか、ろくに言葉さえ交わしたことはなかった。ただ、生涯忘れ得ぬいくつかのマリーに関する思い出があるだけだ。
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