働き方に関する本を書いています。

2021年3月に出版予定です。

ここではその内容を順次ご紹介して行きます。

●同僚との関係

 上司と部下の関係だけではなく、同僚同士の関係も、互いに承認、尊重し合う関係であることが求められます。承認するとは、相手の意見に賛成するという意味ではありません。あなたはそう考えているということを理解していますよということを示すことです。

 例えばここに灰色の石があるとします。私はこれを黒い石だと思っていて、Aさんは白い石だと思っているとします。白だ、黒だと言い合いをしても、正解がある訳ではなく、結論は出ません。「私は黒だと思っていますが、Aさんは白だと思っておられるのですね。それはよく理解していますし、尊重しています」とAさんに伝えることが、Aさんを承認するということです。この相互承認があってはじめて、話し合いが始まるのです。

 これが上司と部下の関係なら、上司は部下の間違いを正してやらねばならないと考えて、自分の考えに合わせるように仕向けます。部下は、心の中では違うと思っていても、表面上上司に従います。そんなことを繰り返すうちに、部下は自分の意見を持たなくなり、上司に盲目的に従っておけば楽だと考えるようになります。

 このように考えると、お互いに自分の意見を自由に出せる、何を言ってもいいんだと感じられることはとても重要なのです。三人寄れば文殊の知恵と言いますが、所属している人達が自由に意見を出し合ってこそ、様々な問題が解決できる訳で、声の大きな人、力がある人の考えに従っている組織では、今以上の発展は望めないのです。

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