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高知でよさこいの練習を見学して感動したのだった

元京大総長、現在地球研の山極先生のインタビューをAktioNoteというWebマガジンでやったとき、人間の特長は「共感」であり、それは場の共有であると同時に肉体の同調だ、それは音楽であり、リズムであるという話をうかがってえらく感動したのだった。

またそれは同時に、私が死ぬほど好きな「音楽」というものを、いままでより一歩俯瞰で見ることができるようになる、おおきなきっかけとなった。山極先生は、いわゆるメロディとリズムがあるものを音楽と言っているだけではなく、もっと広義で、たとえばちょっとした行動、行いや所作の中のリズム、言葉のなまり、会話の中のテンポ感、そんな繊細な部分も「音楽」といっていて、実に美しいと思ったのだった。

そして今回今回はとある仕事で高知に行き、よさこいの有名なグループの練習風景をみたのだが、まさにこれは肉体の同調であって、なぜ人は同調するとこんなに嬉しいのか、気持ちがいいのか、そしてその人数が増えれば増えるほど、楽しい、ワクワクする、心が動かされる、正直言って、見ているだけで泣きそうになるのだった。

ダンスって、苦手意識持っていたけど、やっぱりすごいです。オレもダンスやりたい。

僕はもう1つあると思っていて、それは「踊る体」です。ゴリラもチンパンジーも、みんなで興奮してディスプレイをするときは二足で立つんだよ。チンパンジーにはレインダンスというのがあって、雨が降ってくるとみんなで踊るようなことをやる。ゴリラも興奮すると立って、胸を手で叩く。これを「ドラミング」と言います。人間も立つことによって、踊る体を手に入れた。それは腰の支点が上に上がって、上半身と下半身が別々に動くようになって、さまざまな踊る動作が可能になった。
そのダンスとは、他人の体と一緒に動くこと、つまり同調です。おそらく人間が最初に手に入れた直立二足歩行が人類にもたらしたものは、踊る体と音楽だったんじゃないのかな、と僕は思っています。そこからだんだん行為につながっていった。自分と相手が共鳴できるものになり、信頼感が高まっていったからこそ、例えば遠くに食物を探しに行った仲間が、自分の好きな物を持って帰ってきてくれると信頼できた。それが人間の社会をつくる根本でもあると考えています。

山極壽一さん 総合地球環境学研究所所長〈インタビュー〉共鳴する肉体、言葉、そして音楽 | 総合地球環境学研究所 山極壽一所長 Part2
https://note.aktio.co.jp/education/20220513-1224.html


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