見出し画像

「ららぽーと上海金橋」4/28営業開始 (現地視察レポート)

4月28日、「ららぽーと」の海外初出店店舗である「ららぽーと上海金橋」が開業しました!

開業初日に「ららぽーと上海金橋」の現地を視察してきましたので、本日は開業時の様子をお届けします。

 4月16日「寧波阪急」の正式開業に続き、4月は中国で日系企業の商業施設開業が相次ぎ、中国で生活するぼくにとっては嬉しい話題が続きました。

 ※4月16日に正式開業した「寧波阪急」の状況については下記noteをご覧ください。

●ガンダム

まずお伝えしたいのが、何と言っても「ガンダム」です!

画像1

「ららぽーと上海金橋」の正面入口の前に「実物大ガンダム立像」がそびえ立っていて、とにかくインパクトが大きいです!
(高さ18mらしいです。)
「お台場」を連想するような光景です。

※ガンダム立像:上海にあるガンダムは正確には「実物大フリーダムガンダム立像」と言うそうです。
お台場「ダイバーシティ東京」にある「ユニコーンガンダム」とはシリーズが違いますね。

日本のアニメが中国で人気があることは認識していましたが、「ガンダム」が中国でここまで人気があるとはぼくの予想以上でした。
ガンダム人気は中国でも凄かったです。

というのも、ぼくは当日、開店前の9:30頃に現地に到着したのですが、すでに多くの方が開店を待ちわびていて、敷地のゲート前に行列ができていて、その行列の内の多くの方の目的が「ガンダム」の限定商品だったからです。 

画像2

また、中国最大のSNSであるwechat(微信)でも、ガンダムの建設状況等をUPしている方々が多くいて、開業前から上海を中心に、中国の方々の間では話題になっていました。 

画像3

「ガンダム」は中国の商業施設の集客装置としては、最高にインパクトと効果がありますね。
当社アウトレットもこういった集客装置の必要性を検討しているタイミングだったので、参考にさせていただきます。

 ガンダムのインパクトが大きすぎたので、何よりも先にガンダムのことをお伝えしてしまいましたが、ここからは「ららぽーと上海金橋」の施設の中身についてお伝えします。

●施設概要

まず、施設の立地や施設概要を確認しましょう。

 「ららぽーと上海金橋」は、上海の東部「浦東新区」というエリアに位置しています。
上海市中心部から約12Km離れた郊外で、今後の発展が見込まれるエリアです。 
正式開業は「今秋(予定)」で、それまではソフトオープン(試営業)という形で、順次テナントが開店していきます。  

施設概要を下記に記載します。
(※詳細については三井不動産HP掲載のニュースリリースをご確認ください。)

 【ららぽーと上海金橋、施設概要】
所在地:上海市浦東新区新金橋路738号
敷地面積:約43,000㎡
延床面積:商業部分 約129,000㎡
建物規模:地下2階、地上11階
     商業部分:地上1階~地上6階(一部7階)
     駐 車 場:地上1階~地下2階
店舗面積:約55,000㎡
店舗数:約180店舗
駐車場台数:約1,000台(予定)
(三井不動産HPより抜粋)

日本の「ららぽーと」と比較すると、施設規模は「やや小さめ」のサイズ感ですね。

【参考:日本のSCの店舗面積】
ららぽーと豊洲 67,000㎡
ららぽーと横浜 93,000㎡
ラゾーナ川崎 79,000㎡
ダイバーシティ東京プラザ 47,000㎡
(三井不動産HPより抜粋)

●出店テナントについて

日本ブランド、中国ブランド、グローバルブランドをバランス良く取り入れたMDになっていました。 

日本ブランドは、
ユニクロ、NITORI、BANDAI NAMCO VS PARK、ドンク、かつくら、宮武讃岐うどん、大戸屋、JINS等
日本でもお馴染みのブランドが出店しています。日本人にとっては安定感のあるラインナップですね。

画像11

画像12

画像13

●開店時間前後の状況

本日、多くのお客様が開店待ちをしていて、大きくは下記の2つの待ち列に分かれていました。

① 「ガンダム」の限定プラモデル販売に並ぶ列
② 正面入口から施設に入店するために並ぶ列

画像4

[↑①「ガンダム」の限定プラモデルのチケットを求める列]

画像6

[↑これが皆さんが求めている限定プラモデルらしい]

画像5

[↑②の正面入口の待ち列、9:55の状況]

②の列のほぼすべての方々が、館内に入店するのに、開店から10分ぐらいかかっていました。
ぼくの体感だと、この日の開店前に並んだ人数は、①②合計で2,000人-2,500人ぐらいといったところですね。
(ぼくがいたのは正面入口で、他にも入口が何ヶ所かありますが、そちらの状況は把握できていません。) 

本日は試営業の初日で、イベント等は特にありませんでした。
なのに数千人の待ち列。
ぼくはここまで待ち列があるとは正直予想していませんでした。

そして多くの方がガンダム関連の店舗に並ぶ姿をみていると、ガンダムの影響力は凄いなと、あらためて実感しました。

画像7

[↑THE GUNDAM BASEの店舗に並ぶ列]

おそらく、こんなに多くのお客様が開店待ちをしてくださるとは、ららぽーとの運営の皆さんも想定していなかったのか、本日の開店前の警備体制は対応ができていなかったですね。
この点は今後修正が必要ですね。

●開店率

1階〜6階の全体で開店率「60%」前後、ということでした。

1階のアパレルを中心とした小売店舗の開店率はまだ高かったですが、上層階の飲食店舗の開店率が低かったです。
ぼくの見立てでは飲食店舗の開業率は30%といったところでしょうか。
フードコートもドリンク店、デザート店が開いていたのみで、他はすべて準備中でした。5階の飲食フロアも準備中の店舗が目立ちました。

画像8

画像9

画像10

余談ですが、
ぼくは本日の開業の1ヶ月前に施設内の工事状況を視察させてもらいました。その時の工事状況から考えると「よく60%まで開業率を高めることができたな」というのがぼくの率直な感想です。
当時視察した時の感覚だと「30-40%ぐらいしか開業しないのではないか」と思っていたので。
この1ヶ月、運営の皆さんは最後の追い込みを相当気合入れてやったのだなと感じました。

ただ、中国の商業関係の方々の「ららぽーと上海金橋」開業初日の評価は、総じて低評価でした。
これは飲食店の開店率の低さが主な原因ですね。

中国のショッピングセンターは、飲食店が集客の肝になるほど重要な要素になっていることもあり、商業関係の方々の「ららぽーと上海金橋」への期待が高かったからこその低評価でしょうね。 
この点については、飲食店の開店率を向上することでしか改善しないので、今後の巻き返しに期待です。

●今後に期待したいこと

中国のショッピングセンターは全体的に売上苦戦状況にあると言われていますので、この点をぜひ打破してほしいなと思います。

中国では今「M型消費」と呼ばれる消費特徴が顕著になっていて、
・ラグジュアリーブランドのような「贅沢品」
・インターネットで手軽に購入できる「低価格帯商品」
この両極端の価格帯ゾーンの売上が好調で、その中間に位置する価格帯ゾーンの商品は売上低迷する傾向にあるためです。

中国のショッピングセンターの多くは、まさにこの「中間価格帯ゾーンの商品」を中心に取り扱っているので売上苦戦している、という状況になっているわけですね。 

「ららぽーと上海金橋」は現時点で「ガンダム」効果もあり、話題作り、集客は上手くいっています。
今後、飲食店の順次開店に応じて、さらに集客は高まっていくと思うので、日本ブランドの強み、日本のサービスの良さを訴求して、顧客満足度の高いショッピングセンターを目指してほしいなと思います。

(補足)
ぼくは2014年10月まで「三井不動産商業マネジネメント社」に勤務していて、約3年半「上海」に駐在し、「中国・台湾・クアラルンプール」の新規商業施設の準備業務を担当させてもらっていました。
当時、「ららぽーと上海金橋」プロジェクトについても少し関与していて、昔一緒に仕事をした先輩、同僚、戦友が今上海で「ららぽーと上海金橋」の開業業務に携わっていることもあり、「ららぽーと上海金橋」が開業したことを個人的にとても嬉しく思っています!!

※皆さんの読みやすさを重視し、企業名やブランド名等、敬称を省略しています。

ぼくは不定期で中国ビジネスに興味のある日本人に向け情報を発信しています。
決して文章がうまいわけではありませんが、皆さんが読みやすいようにと思って心を込めて文章をお届けしています。
なので、もしちょっとでもいいなと思ったら、スキ、フォロー、シェアをお願いします。
次回も頑張ってお届けします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?