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長い1日

今回はこの話の続きです。

保釈されてから半年が経ち、その間は無収入という状況で日々過ごしております。

私も世間的には「いい歳」ですので、失われた収入はこの半年で数百万円にのぼります。高額保釈金である500万円は裁判終了後に戻ってくるにしても、一旦現金で裁判所に預けておりますので、今はこのお金を使うことはできません。また、収入がなくとも住民税や社会保険料もまぁまぁの金額を毎月払い込んでおりますし、弁護士先生との打ち合わせ等で要した交通費も馬鹿にならない金額です。当然ながら弁護料もかかります。

ちなみに今回、私が無罪を主張する事件における被害額は35万円程度です。そして無実を訴える人間に対し多くの制約を課せられていることについて、判決確定前にも関わらず数々の理不尽な社会的制裁が既に加えられております。最早、私刑を受けているようにさえ感じます。

起訴され争うとなると、現実はこうなるのです。

だから、やってもいない罪を認めてしまう人が一定数生まれてしまいます。
これは本当に悲しいことです。

私は<戦う道>を自らの意志で選びましたので仕方のないことですが、流れた血(お金)もあまりに多く、この損失を取り戻すには恐らくこの先長い道のりになるかと思います。

裁判の開始時期も全く不透明な状態ですので、この夏に働くことを決め、先日とある会社から内定をいただきました。しかし現在は保釈中ですので、条件にある制限居住地から離れた場所で仕事をするには裁判所の許可が必要となります。

現在、私の裁判進捗は公判前整理手続の「打ち合わせ中」です。
(実際には公判前整理手続を進める上での準備段階です)
この席上、弁護士先生が検察官に対し、今回の保釈条件にある制限居住地を東京に変更することについての意見を伺ったところ「いいんじゃないですか。」という回答でしたので、東京に住まいと勤務先を移すことに決めました。

休職中の会社は裁判所より接触禁止という保釈条件になっているため、仕事をし収入を得るためには退職をするより他ありません。

そして、今回の申し立てに対し裁判所より「条件の変更を許可する」ということで、ご判断いただきました。
この制限居住地を条件するにあたり、①実家の親には毎日連絡をする。②月に1度以上、身元引受人が対面で状況を確認する。という項目が追加されました。問題なく守れそうな条件です。

しかし、ここで恐れていたことが・・・
検察が裁判所の決定に対し、準抗告(反対意見)を打ってきました。

検察は以前、この件に対して同意をしていたのですが、いざ実行の段階で手のひらを返してきたのです。まさに保釈された被告人に対しての嫌がらせであり、人質司法の延長です。断固として容認できるものではありません。
今回の就職活動にも多くの時間やコストがかかっております。準抗告を打ち、保釈条件の変更に反対するのであれば最初からそう言えばいいのに。。。検察はこういう子供じみた行為をする組織なのです。

その報せを受け、「私の考えは、それで結果がひっくり返るようなら上級審における特別抗告ならびに国への損害賠償請求を起こす」と弁護士先生に伝えました。

決定的な証拠もなく一貫して犯人扱いされ、推定無罪にも関わらず人権も極端に制限されることにこれ以上我慢ができませんでした。罪を認めなければ生きていけないようにしようとする彼らのやり方はもはや異常です。

裁判所の執務時間が過ぎても続く検討。時間は夜の7時に差し掛かるところです。外も真っ暗になりかけた頃、弁護士先生から電話がきました。

結果は「検察官の準抗告を棄却」という裁判所の判断。

良かった。本当に良かった。
まだまだ日本の司法も見捨てたものではありません。

合理的かつ正当な判断をいただいた裁判官には心から感謝すると同時に、ここまで尽力された弁護士先生には敬意を表したい気持ちでいっぱいです。

今日はとても長い1日でした。
こういった現実が少しでも多くの人に伝わればと思います。

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