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一本の不審な電話

保釈に伴う制限居住地で生活を始めて1週間経った頃、私を逮捕した刑事から電話がかかってきました。

「どう?元気ですか?」「今どこにいるんすか?」と担当刑事。

何気ない質問でしたので、
「・・・きっと、保釈条件が遵守されているかの確認で電話してきたのかな。」この時は一瞬そう思いました。

今回の用件は<まだ警察署にある押収物の所有権をどうするか>という問い合わせでした。

現段階で捜査機関の手元にある押収物とは
・仕事で使っていた工具(バール)
・趣味の旅行で使っていた台車(キャリーカート)
です。
これらを用いて私の犯行を裏付ける最終的な物的証拠に仕立てあげるのかと思います。ちなみに押収から3ヶ月以上経っても犯罪に使われたという立証には至っていないようです。

以前から押収物ついては私に還付(返却)するよう一貫して求めておりました。
何故かといいますと、今回の押収物は、警察の科学捜査研究所(通称:科捜研)で成分分析を行なっている証拠品なのですが、これが返ってこないとなると、科捜研での分析結果に対する反論ができなくなるからです。(証拠採用されれば私費で再鑑定をするつもりです)

なので
「前々から言っている通り、証拠品は全て還付してください。」と私。
刑事は
「できるかどうかわからんけど、上に相談してみるわ。」ということで電話が切れました。

この電話、私は「ちょっとおかしいな」と思いました。
何故かというと、勾留中や保釈時において何度も同じ質問をされており、あらためて聞かれる話ではないからです。

私は持病の通院の関係で、月に一度、保釈条件の範囲内で自宅に戻っています。たまたま、電話があった数日後は通院日にあたっていました。

その数日後、自宅に戻った時、家の中で違和感を感じます。

閉めたはずの廊下の扉が開いており、物の位置が変わっています。
以前、2度の家宅捜索を受けており、家の中は泥棒に入ったような状況でしたが、それでもある程度片付けてから制限居住地である実家に向かいました。自宅を離れる前に撮った部屋の中の写真と見比べるとそれは一層明らかです。

もう一つ、決定的な出来事が。
我が家の玄関インターフォンは不在時の来訪者が録画される機能がついています。
それが、全て消去されていました。

時系列にするとこうです。

① 警察が私の居場所を確認するために電話をかけてきた

② 警察が自宅を訪れた際、無人状態を確認するためインターフォンを押した

③ 私の家の中で何かを探した? or 置いた?

④ その行為が終わって、自宅を離れる際、インターフォンの録画を消去した

家の鍵ですが、アパートの管理会社は持っておらず、私が全て所持しています。
警察は2度目の家宅捜索時に私のいた留置場から家の鍵を押収しておりますが、この方法以外に第三者が私の家の鍵を入手する手段はありません。

後日、調べると不自然な点が一つ出てきました。

2度目の家宅捜索は令状の交付日に家の鍵を押収しているにもかかわらず、その2日後に家宅捜索が実施されているということです。

この空白の2日間で押収した家の鍵を刑事が複製保管し、保釈前に返却。勾留満期までに決定的な自白と物的証拠が得られなかった為、私の不在中、不法に自宅内に立ち入り、物証を追加することで犯行をでっち上げる目的を達成すべく、自宅に侵入したと思えるのです。
そうでなければ自宅内の様子が変化する訳がありません。

後日、警察が裁判所に対して3度目の捜索差押許可状の請求を行なったかどうか分かりませんが。3度目の家宅捜索は行われませんでした。

それは、保釈許可当日に私が<再逮捕>されなかったからだと思います。
再逮捕しようにも理由がないので当然です。
警察は余罪がある理由で3度目の家宅捜索を行い、そこから今回の事件の犯人性を高めようとするストーリーを描いていたのかもしれません。

今回の警察からの電話は押収物を返す用件ではなく、私の居場所を探る電話だったのです。

そう考えると、警察は本当に恐ろしい組織です。

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