【Spectrum Tokyo Meetup #08】 プロダクト開発未経験の企業と新規事業の確度を高めるためにやったこと
株式会社Relicでデザイナーをしているけいです!
先日登壇させていただいたSpectrum Tokyo Meetup #08にてお話しした内容についてこちらのnoteにも投稿させていただきます。
はじめに
自己紹介は下記スライドと別のnote記事に譲ります。
デザイン業界においてはRelicというと馴染みのない会社かと思いますが、我々は「事業共創カンパニー」として、新規事業を支援したり、イノベーション創出のためのプラットフォームサービス等を提供している会社になります。
開発組織の体制はデュアルトラックアジャイルの考え方を元として構成されています。
その中でもワタクシは価値発見、価値検証のフェーズに関わるようなことが多く、より不確実性の高い領域の事業に多く関わっています。
デザイナーとして新規事業の確度を高めるためのアプローチ
事業を最上に置いたときに、デザインの価値や役割は異なってくるものだと思っていて、プロジェクト毎に毎回それを見極めることを意識するようにしてきました。
デザインに限らず判断基準は常に「事業にとってそれがどんな意味合いを持つか」だと思っています。
デザインというのは事業よりも前に出るものではないですし、あくまで手段として捉えることが大事です。
我々はデザインファームでもなければ、デザイン支援だけを行っているわけでもない。最も大切にしているのは、ビジネスオーナーの意思をいかに事業に反映させながら進めていけるかであり、価値があるのはデザインだけではないという認識を持ちながら事業開発に取りかかれるかどうかが大事なポイントになってきます。
プロジェクトによって自分の役割や価値も変わってくるわけですが、そうなった時にいかに安定的に自分のバリューを発揮するために、たどり着いた1つの解が「デザインをするPdM」になるということです。
一口にPdMといっても仕事内容は多岐にわたるので、一旦役割と責任範囲を整理していきました。
つまり、PdMの役割は、プロダクトのゴールを適切に設定し、そこに至るまでの道筋を作っていくことにあります。
プロダクトマネジメントトライアングルの考え方が非常に参考になりましたが、プロダクトを取り巻く、ビジネスや、開発者、ユーザー、その周辺の機能全てを健全に機能させることに責任を持つポジションになります。
要するに、責任を持つべき範囲が圧倒的に増えるわけです。
デザイナーがPdMになると、主にプロセスに変化が起きると思っています。
下記画像は一般的な開発プロセスです。
要件定義を行い、デザイン、設計、実装という流れが基本的なプロダクト開発のフローになります。
新規事業というものは、まずユーザーに当てる、そしてPDCAを回しまくる、というのが大事で、そのために最小単位でサイクルを回していくことが求められます。
しかしそういった概念がない場合、ゴール、事業の大局を常に見ているため、発散が増えていってしまいます。
特に、既存事業と新規事業には同じルールは全く適用できないため、そこの考え方の違いで事業がうまくいかない、というのはよくある失敗の原因です。
ただ、ビジネスオーナーの意思をいかに事業に反映させていくかは支援をしていく上で大事なテーマになります。
デザイナーの持つ優位性として、具現化力が挙げられます。
どんなアイデアでもある程度であればすぐにプロダクトとして形に落とし込むことができます。
ビジネスオーナーの発散を事業の意思として捉え、それをもとに事業の理想系を描いていきます。
ここでのポイントはその理想系をどう扱うか、になってきますが、この形に落とし込んだものは、決してプロダクトのゴールになってはいけないですし、理解を深めるためのツールになってしまってもいけません。
事業をドライブさせていくために、「意思決定を高速化させていくためのツール」として扱っていくことで、より洗練された価値を発見していくことができます。
形になったものを議論していくことがとても重要で、共通認識を持ちつつ、理想から価値をソリッドにしていくことで、足並みを揃えていくことが可能になります。
プロセスの変化が生じて結果的に、確度が上がっていったという話でしたが、総じて言えることは、ステークホルダー全員の目線を揃えることがとても大事です。
こちらだけ上がっていても足並みは揃いません。ステークホルダー全員が事業作りへと視座が上がっていることが重要なポイントになります。
結果的に、そこに視座を合わせられるツールがデザイナーが描いた理想状態だったということになります。
社内にデザイナーからPdMになったという前例はなく完全に手探り状態ですが、自分がそこのロールモデルとして一つのキャリアパスを創造していければと思っています。
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