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中高生のクラス替えってどう行われているの?

こんにちはコウちゃんです。先日ニュースで滋賀県の中学校でのクラス替えのやり直しが大きく報道されましたね。https://news.yahoo.co.jp/articles/0c69e032faab46c01babede9beb66e56b74e69e0

 学年が始まってから再度クラス替えを行うのは異例中の異例です。保護者の指摘から「配慮しなければならない生徒同士の人間関係」のために再度行われたそうですが、具体的な内容は分からないため、この対応の是非を論じるつもりはありません。しかし、好ましくないことだとは思っています。
 皆さんも中高生時代、クラス替えにワクワクしたり不安になったりしたことがあると思いますが、どのように行われているのかは意外と知らないと思います。学校によって異なるとは思いますが、クラス編成に対する保護者の理解が深まることを願って、どのようなことを考慮にいれて、教員がクラス編成を行っているのかを紹介したいと思います。

1.クラス編成にどれくらいの労力がかかっているのか?

① かけている時間
  何時間間かけていると正確には言えませんが、新クラスの前年度の終わりあたりから始まります。学校によって人事の発表時期が異なると思うので、学校によってまちまちです。最初の素案が出来てから2~3か月かけて、何回も会議を重ねて作っています。近年、各学校考慮すべきことも多くなってきているため、かなりの時間数を割いていると思います。

② クラス決定後の事務作業
 クラス編成が決まったら終わりではありません。そこから新年度の時間割作成・クラス配置・指導要録の整理・次年度の成績システムの更新などなど様々な事務作業が待っています。これらを中心に担ってくれるのが、学校全体のスケジュールやカリキュラムの管理、成績や学籍に関することなどを担当する教務部の先生たちです。3月から春休み期間は教務部の先生や担任の先生は、前年度の締めの事務作業と来年度の準備に追われます。「先生は春休みがあっていいなあ」なんて言われますが、3月末~4月の初めは先生が1年で最も忙しい時期の1つです。今回の事例のようにやり直すのは相当な事務作業がともない、難しいことです。

2.クラス編成において何を考慮に入れているのか?

各学校によって違いはあると思いますので、あくまで参考程度にどこもここは考慮に入れているだろうと予想される3点を紹介します。

① 生徒の成績
 選抜クラスなどがない場合には、クラスの平均成績がだいたい同じようにクラスを編成するところが多いのではないでしょうか。同じくらいにするようにする理由の1つは、生徒や保護者が「このクラスは出来る子が集められたな」とか「この担任の先生には成績の悪い子がまわされるているな」などの憶測やクラスに対する先入観を持たないようにするためです。

② 生徒の人間関係
 生徒間のいじめなどのトラブルがあった場合には被害者と加害者を同じクラスにすることは絶対に避けます。いじめでなくとも、どちらか一方の生徒がその生徒といることが重い心理的負担になっていると相談を受けた場合など場合も同様です。一方で「誰々と誰々は仲が悪い」くらいののことで全て配慮することはできません。そりが合わない人とも生徒間のちょっとした成績の方は機械的に割り振ることが出来ますが、人間関係に関する部分が一番時間がかかり、難しいところです。

③ 生徒・保護者の要望
 要望の聞き方も学校それぞれです。事前にアンケートを取る学校もあれば、そうでない場合もあるでしょう。後者の場合は事前に担任または学年主任に相談しましょう。しかし、要望が絶対に受け入れられるわけではありません。当たり前ですが、生徒・保護者の要望が多かった場合には全ての人の要望を満たすことは不可能ですし、その他の要素と総合的に考えて判断するためです。
 個人的な意見ですが、事前にアンケートという形で要望を募ることには反対です。要望を出すハードルが一気に下がり、重要度の低い要望(例えば、〇〇さんが苦手だから一緒にしないでくれ)まで一気に噴出してしまうからです。全ての要望に対応することは出来ません。その結果、要望が通らなかったという不満が多く残る結果となります。
 アンケートより重要なのは、保護者と教員の信頼関係です。教員がしっかりと生徒を見てくれていると保護者に安心感を与えること。保護者は学校生活で生徒の事を一番見ているのは教員であるから任せようと思えること。相互的な信頼関係を構築できればアンケートも必要ありません。どうしても要望があれば事前に生徒や保護者から学校(担任または学年主任)に伝えるべきだと思います。

3.クラス替えの要望を出すにあたって

① 受け入れられる要望は基本的に配慮が必要な場合のみ
 「誰々先生を担任にして欲しい」「誰々さんと仲が良いから同じクラスにして欲しい」などの要望は通らないものと考えてください。

② 苦手な人がクラスにいることも成長に必要なこと
「誰々さんと仲が悪いから違うクラスにしてくれ」というような要望も時折あります。学校の規模にもよりますが、クラスに苦手なタイプな生徒は必ず出てきます。社会に出たらなおさらです。苦手な人とどのように折り合いをつけて人間関係を築いていくのかというのも学校の中での1つの学びです。もちろんいじめなどのトラブルがある場合は別です。自身の出す要望が本当に子どものためになるのかをよく考えてから出しましょう。

③ 要望がある際には、その背景となったトラブルなどを伝えましょう
 学校としても生徒間でどのようなトラブルがあったのかという情報は学校としても重要です。お子様としっかりと事実確認をしてから学校に連絡するとよいと思います。



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