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どんな小説が好みなのか

 ここ数日本のことを書いていて、自分の小説の好みについて振り返ってみることがある。

 先日は小学校の頃読んでいたシャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパンの話を書いた。その後ファンタジーにハマっていた時期もあるが、こういうジャンルは得てして大人になると興味を失いがちである。別に今もファンタジー小説が嫌いということはないが、ほとんど読まなくなったのも事実である。

 一方、その後興味を持って読むようになったミステリだが、このひとつのジャンルをとってみても時間とともに変化がある。35年ぐらい前は新本格ミステリがもてはやされていたこともあって、ギミックを施したいわゆる「館」が出てくるようなミステリがすごく好きだった。

 しかし今になってみると、あまりに凝りに凝った仕掛けは荒唐無稽に感じられて、よりリアルな話が読みたくなってくる。もっと言えば仕掛けより人間の心理にスポットを当てた物語が欲しくなってくる。

 その結果最近では、事件の犯人の心理や、登場人物の心の動きを捉えた警察小説や、大きな社会悪の前に揺れ動く人間を描いた社会はミステリなどを好んで読むような傾向にある。

 もちろんここまでに登場したファンタジー、本格ミステリ、それからあまり登場していないSF、あるいは高校生ぐらいで何かに気触れて読んでいた純文学など、あらゆるジャンルが今でもおしなべて好きだ。基本は乱読なのだが、それでも一定の傾向が時代とともに移り変わっているなということを感じるのである。

 果たして残りの人生で新たなるジャンルに興味関心が移っていくのだろうか。それは誰にもわからない。

 おっと。歴史小説が苦手なので米澤穂信『黒牢城』はどうしようか悩んでいるところだったり。


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