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AFFINITY / HAKEN

 HAKEN(ヘイケン)は2007年にイギリスで結成されたプログレメタルバンド。メジャーレーベルからアルバムを発表したのは2010年。以降活動を続け、これまでに5枚のアルバムをリリースしている。『AFFINITY』は2016年発表の4thアルバムだ。

 初期にはドリーム・シアター的なサウンドを演奏していて、複雑な展開とテクニカルな演奏で、イギリス的なウェット感を持ったメロディを聴かせてくれる音楽性だった。

 現在にいたるまで、その方向性に大きな違いはないが、よりパワーアップした演奏力と、緻密に練られた楽曲、そしてキャッチーかつ叙情的に聴かせてくれるソングライティングに磨きがかかり、彼らなりの確固とした個性を表に出すようになってきている。

 この4thアルバムは、その彼らの個性が顕著に現れ始めたころのアルバムかもしれない。どの楽曲も良質なメロディをじっくりと聞かせ、そしてメタルらしい緊張感ある音作りを忘れず、弛緩させることなく音像を引き締める。非常にタイトなサウンドだ。キレのいい音、きっちりした演奏を求める向きには歓迎されるアルバムだろう。緩急つけた構成のおかげで、アルバムを通して聞いたときに飽きがなく、非常にスケールの大きい流れを感じられる。

 僕はこの4thアルバムまでHAKENのことをよく知らなかったが、このアルバム1枚で一気に気に入ってしまい、当時、すぐに1stまでさかのぼって聞いてみている。初期のアルバムからレベルの高い、素晴らしいバンドだ。

 さて、そんな拾いものバンドだったHAKENだが、日本ではあまり話題になっておらず、気づいたら2018年に5thアルバムがリリースされていたりする。最新アルバム『VECTOR』を慌てて聞き始めたところであるが、その矢先に、今年6thアルバムがリリースされるというニュースが聞こえてきた。最近アンテナが低くて、全然追えてなかった。ニューアルバムまでに再度復習を含めて聞き直しておくことにしよう。

 彼らのニューアルバムは『VIRUS』。すでにPVがアップされている。早速聞いてみたが、ヘヴィなサウンドが強調されつつ、ダークな要素を持ったメタルらしい音作りが楽しめそうだ。期待して待つことにしよう。


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