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DOOM64とNINTENDO64の話

 Steamのセールで販売されていた『DOOM 64』を買って遊んでいる。今月発売になったばかりのゲームだ。『DOOM 64』はもともとNINTENDO64用のソフトで、FPSのご先祖様のような存在のPC向けゲーム『DOOM』をNINTENDO64向けにアレンジ移植したものだ。1997年に発売されている。

 当時、PC用のゲームが日本の家庭用ゲーム機に逆アレンジ移植というのは例がなかったわけではないが、それがまたPC用にリメイクされて復活してくるのは珍しいのかもしれない。特に、NINTENDO64のソフトがPC用に移植されるという話は聞いたことがない。それだけ『DOOM 64』の評価が高かったということなのだが、今回このソフトは、発売が延期になったDOOMシリーズの最新作『DOOM Eternal』の予約特典にもなっている。(冒頭に書いた通り、別売もしている)

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 1997年当時、FPSという言葉はあまり聞かなかったような気がする。「3Dゲーム」とか「3Dシューティング」とか言っていた。海外では、この3Dシューティングがその地位を固めつつあった時期で、id Software社の『Wolfenstein 3D』(1992)や『DOOM』(1993)、そして『Quake』(1996)、3D Realms社の『Duke Nukem 3D』(1993)など、まさにFPSが萌芽しようとしていた時代と言えるのかもしれない。

 この時期のコンシューマ機の1台にNINTENDO64があるわけだが、実はNINTENDO64専用ソフトとしてリリースされたFPSに『ゴールデンアイ 007』(レア社,1997)がある。当初知る人ぞ知るソフトだったが、口コミでその面白さが広がり、今ではFPSの代表格にまつりあげられているようだ。

 当時なぜ、ファミリー向け、子ども向けの印象が強いNINTENDO64に、こんなガチのFPSが移植されたのかは謎である。しかし、実はNINTENDO64にはFPSが何本か存在していて、密かにマニアを喜ばせてくれていたのである。

 『ゴールデンアイ007』に先んじてリリースされていた、Iguana Entertainment社の『時空戦士テュロック』と、その続編の『バイオレンスキラー』。ファンタジーを題材にしつつFPSのシステムを採用したRaven Software社の『ヘクセン』。どんなゲームかわかりにくいパッケージを採用し、発売した瞬間にワゴン行きになっていたION Storm社の『大刀』『ゴールデンアイ007』と同じレア社による開発の『パーフェクトダーク』などなど、充実のラインナップを誇っていたのだ。

 元来洋ゲー好きだった僕は、その頃あまりPCでゲームをやろうという発想を持っていなかったため、自然と手元にあったNINTENDO64でFPSを遊んでいたのだ。

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 特に洋ゲーの主流がFPSに移り変わっていくゲームシーンの隆盛も考えていたわけではなく、単純にその迫力ある視点を生かしたゲームシステムにのめり込んでいただけであるが、さらなる洋ゲー好きの下地を作る要因となっていたのは間違いない。

 その後、本格的に洋ゲーを好んでプレイするのは、XBOX360の登場を待たなければならないのだが、その話はいつかまた。

 とりあえずは、PC用としてフルHDに生まれ変わりつつ、FPS原初の楽しみを失っていない『DOOM64』を思う存分遊ぶことにしよう。ちなみに、同ゲームは、今回任天堂スイッチにも移植されている。


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