見出し画像

硝子の塔の殺人 / 知念 実希人

 この夏に買ったうちの1冊。個人的にも楽しみだった『硝子の塔の殺人』にようやくたどり着いた。なかなか順番に消化するのが大変なのである。実はまだ読み終えていないので、序盤を読んでの印象だ。

 表紙にも描かれているガラスで覆われた塔という特異な館が物語の舞台となる。塔だけど、これはもう館と称していいだろう。それぐらい新本格派の香り漂うミステリ小説だ。

 さて、この館に登場人物の面々が招待されるわけだが、その顔ぶれも医者、編集者、占い師、名探偵と、いかにもな面子である。正統派ミステリ好きにはこれだけでたまらない感じになってきてしまう。

 しかも物語の中にもミステリ小説が登場してくる上に、往年の名作、著名な小説家の名前がバシバシと飛び出てくる始末。なんかこう、作者の知念実希人の趣味を遠慮なく全開にしてきたようで嬉しい。

 そんな非常にメタな視点も含みつつ語られる『硝子の塔の殺人』だが、とりあえず僕も読み進めたところまでで語れるのはこのぐらい。でも、もうこれだけでわくわくしちゃうでしょ。きっとそうだと思う。

 そんなミステリファンに向けて書かれた1冊。大事に読みたいところだけど、一気に読み進めてしまいそうだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?