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インヴェンション配信に寄せて:バッハ演奏に対する僕の基本的スタンス(※専門的内容を多く含みます)

小学生の頃、様々な作曲家の作品を器用に仕上げられるような子供では決してなかったけれど、バッハの作品はどうにか比較的心地よく弾けた。そして何人かの大人の方たちに「バッハが得意ね」と時々言われてしまったこともあって、いやそれが実際に上手だったのかはさておき、でもバッハが好きなことは確かで、だからその頃に「好きな作曲家は?」と訊かれれば反射的にバッハと答えることに"決めてしま"った。その答えは今に至るまで変わっていないし、実際それは、心からの本心だった。まだその時は、バッハが実際はチェンバロやオルガン、クラヴィコードの為に作曲した、ということはほとんど意識せず、ただ漠然と、なんとなくピアノでイイカンジに楽しく弾いていただけなのだが…でもそれはそれで、純真でよかった、とも思う。

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