見出し画像

ちょっと待って!それはクレーム?~配達員から重い発注を迷惑だと言われた!

クレームではないのにクレーム扱いされた経験はありませんか?
大したことはないと頭では分かりつつも、心の中に滓となっていつまでも残り続けたりもするものです。

今回、波多さまから頂戴した体験談がこちら。

貴重な体験をありがとうございます

訴える側は正当なことを主張していると思っているのに、あまりにも安易に「クレーム」と言われれば、そりゃぁ人は傷つきます。

もちろん、「失礼いたしました、当方からその配達員に厳しく指導いたしますので、どうぞご容赦ください。ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。」と言って、実際に次回の配達時には配達員からも謝罪の言葉があり、二度と配達員から文句を言われるという理不尽な状況がなくなるなら何の問題もありません。

しかし、生協側の対応からすると、それができないのでしょう。
頼んだ荷物が600ml✖24本✖2ケースとなれば30㎏弱です。それを三階まで手で運ぶとなれば、誰もができることではありません。
いやいや、配達員なんだからそれが仕事でしょうと思うかもしれませんが、ドライバーや配達員は不足しており、30㎏ぐらいやすやすと運べる人しか雇わないといっていたら、採用が追い付かないかもしれません。せめて大切な組合員の前での態度だけでもなんとかしろと叱りつければ、辞めてウーバーの配達員に鞍替えされるかもしれません。そうなると、できもしない指導を約束してもすぐにバレてもっと大きなクレームになってしまいます。

板挟みになった窓口では人をバカにしたような対応をして客に諦めさせるというのが自分のメンタルを守る手段なのかもしれません。

このように、電話をする人は当然できるしやるべきだと思っていることが、受ける側にとってはできないもしくはやらないことである場合、両者の認識に齟齬が生じ、せっかくくださった電話をクレーム扱いしてしまいやすくなります。

どんな対応だったらよかったのか

それでは私なりに、対応例を挙げてみます。
対応は水物ですから、必ずしもこの通りの流れで話が運ぶとは限りません。また受け入れがたい現実を受け入れてもらうことになるので、諸手を上げて喜べるような対応というわけでもありませんが、どうぞご覧ください。

対応者:たしかに一度に発注する数に制限を設けてはおりませんし、配達料も当方が決めたものです。言われる筋合いのないことを配達員から言われたということで、ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした。

入電者:そうでしょう?以前の配達員さんは同じ量を「かえって燃えますよ!」なんて言いながら毎回運んでくださったんですよ。
それが今の人は挨拶もなければ仏頂面で、あげくに「迷惑だ」なんて、ひどすぎます!

対応者:せっかく生協を選んでご注文くださっているのに、とんでもない言葉です。
それにしても、「かえって燃えますよ!」と言いながら運ぶ配達員もいるとは嬉しいお話です。その配達員の名前などはお分かりですか?

入電者:あ、いえ、ごめんなさい。名前までは憶えていないんですけど……。

対応者:いえ、いいんです、失礼いたしました。
配達員に関しては、同様のご意見を頂戴することが多く、ただ指導によって人の物理的に持てる量が増えるわけではありませんから当方でもどのようにしたらよいものかと検討しているところでした。
そんな中で頑張っている配達員がいるというのは私どもにとっても嬉しいお声なので、ぜひ生協内でもその情報を共有したいと思ったものですから、、、。
それでは、それにつきましては、エリア担当を通して確認してみますね。嬉しいお声を誠にありがとうございました。
それでは、今回、失礼なことを申し上げた配達員の名前はお分かりでしょうか。

入電者:それは分かります。野緒戸のおとさんという40代ぐらいの男性です。

対応者:かしこまりました。実はこのお電話は生協で受けているのですが、配達は生協本体ではなく、独立した別の法人に委託しております。
ですので、生協からその配達員へ直接指導することはできませんし、別法人へ指導するよう指示を出すこともできませんが、このようなことがあったので改善してほしいという依頼を出させていただきますね。
以前の配達員も同じ法人かと思いますので、併せて嬉しいお声についても申し伝えます。

入電者:あの、、、前の人に戻してもらうことはできないでしょうか。

対応者:なかなか良い配達員は少ないですから、お気持ちは分かります。そちらについても、私どもに人事権はございませんが、申し伝えてみますね。ただ、配達担当が代わったということは、もしかしたら既に退職してしまったのかもしれませんが……。
この度は、当生協を信頼してお声をお寄せくださり、誠にありがとうございました。
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

さて波多さま、いかがでしょうか。
今回の対応についてもう少し補足説明をしたいのですが、長文になり過ぎました。次週、引き続き本件について取り扱います。

それでは、また。


この記事が参加している募集

世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。