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“依存”と“解釈”の光と影について。(2024/3/25メルマガより)

こんにちは、OGSコンサルティングの深石です。

先週のメルマガで、

「誰と組むか、をしっかりと見極めないといけない。」
「不誠実な相手とは、縁や繋がりを断つことも重要。」

という話をさせていただいた最中、大谷翔平選手の通訳を務めていた水原氏が窃盗疑惑でドジャースを解雇されるニュースが飛び込んできました。

もしこの疑惑が事実なら、水原氏に絶大な信頼をおいて機密・機微な情報や業務を任せていた大谷選手に対して、不誠実の極みとなる行為をしたことになります。

既に大谷選手のSNSからは、水原氏が映っている写真や画像は全て削除されているようですが、大谷選手もかなり傷心状態に陥ってることと思います。

やはり、「誠実さ」や「真摯さ」は何よりも重要な要素だと、今回の報道を踏まえ改めて感じた次第です。

そんな水原氏ですが、大谷選手の通訳だけではなく、スタジアムへの送迎や生活面のサポート、キャッチボール相手やトレーニングの練習パートナーまでを完璧にこなしていました。

昨年のWBCには、栗山監督から強い要望があったため、日本代表チームにも帯同することになり、対戦相手の分析や、運営事務局との折衝まで重要な役割を担っていました。

そして、大谷選手から信頼を勝ち取った大きな要因の一つとして、水原氏の「口の堅さ」があったとも言われています。各種メディアへの窓口対応も水原氏が担当していましたが、大谷選手のプライベートや去就などの情報統制ができたのは、水原氏の功績の部分がかなり大きいとのことです。

一方、水原氏が重要な役割を担えば担うほど、水原氏なくしては成り立たないことが当然多くなるため、大谷選手が水原氏へ“依存”する状態になっていました。特に、契約書だったり金融機関での取引となれば、難しい専門用語も多く出てくるため、全てが水原氏頼みだったのではと容易に想像できます。

また、水原氏の通訳は、事実をそのまま伝える直訳ではなく、双方に「伝わる」ように“解釈”を加えた通訳で有名です。ただそうなると、水原氏がフィルターとなって、「伝えること」と「伝えないこと」が判断されるため、もしかすると必要な情報までも遮断されていた可能性も少なからずあるのではないかと推察されます。

この“依存”と“解釈”。

組織マネジメントにおいても非常に怖い要素となります。

誰かや何かに依存してる組織。
誰かや何かの解釈が多い組織。

これらの状態に陥っている組織は、まずミスジャッジやミスリードが多発してしまいますし、柔軟性や推進力も低くなってしまう可能性があります。

しかし、デメリットだけではありません。依存と解釈には、“メリット”も存在します。

皆さん、イメージはつきますでしょうか?

まず、依存のメリットに関してですが、誰かに依存している状態の場合、依存される人の自己重要感や使命感が高まる可能性があります。

「自分はこの組織・人に必要とされている。」
「自分が居なかったら組織は成り立たない。」
「自分がしっかりと役割を果たさなければ。」

などという思いから、大きな熱量やエネルギーが生まれ、事業推進力や組織へのエンゲージメントが上がることもあります。

次に、解釈のメリットに関してですが、誰かの解釈が多く含まれる場合、1から10まで伝えなくても要点把握ができる可能性があります。

「これは恐らくこういうことだろうな。」
「お客様のインサイトはここだろうな。」
「要点や本質を抜くならこうだろうな。」

などといった解釈により、建設的かつ生産的な議論が進み、事業効率や営業効率が強化されることもあります。

このように、一見するとデメリットしかないようなことも、角度や観点を変えればメリットが見えてきたりもします。(それぞれの前提条件によっては大きく異なりますが。汗)

こういった多面的・多角的な視点や観点は、日頃から思考を巡らす訓練をしていないと難しい領域ですし、そもそも思考し続ける“思考体力”がないと無理です。

ただ、事業を本質的な成長に導くリーダーなのであれば、この思考体力や多面的な観点を持ち得なければいけません。

依存と解釈。

光もあれば影もありますが、これらの要素と観点を踏まえ、良いバランス(塩梅)でコントロールできる術を体得すべく、今後も一緒に追求し続けていきましょう。

では、今週も熱量高く、一緒にやり抜きましょう!

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