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【脳科学】音波で深い眠りを促すPhilips社Smartsleepは本当に効くのか?

BrainMedia第2弾!
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脳科学の応用が期待される分野は、商品開発・マーケティング・スポーツ・教育などなど、多岐に渡ります。睡眠も脳科学応用が期待される領域の一つです。その中でも、注目されているのがPhilips社のスリープヘッドバンド、SmartSleepです。

SmartSleepとはどのようなものか、本当に効果が期待できるのかについて調べました。

1. 睡眠中の脳波測定

SmartSleepは、下の写真のようなヘッドバンドと、アプリが一体になった商品です。ヘッドバンドを装着することで、”脳波"を測定し、大脳が休息する深い睡眠(ノンレム睡眠)がどのくらいあったのかを確認することができます。*

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引用:Philips社

しかし、ノンレム睡眠の時間を確認するだけのためなら、わざわざヘッドバンドを装着する必要はありません。脳波を測定した方が確かに正確性が高そうですが、寝返りなどを検知して、ノンレム睡眠を測定してくれるアプリは他にも沢山あります。

SmartSleepの価値は、ノンレム睡眠時に、ノンレム睡眠が長くなるようにサポートする昨日がついていることです。

2. 音波の発生による睡眠サポート

センサーによりノンレム睡眠と判定されると、ヘッドバンド内蔵のスピーカーよりオーディオトーンを発生させます。眠りを妨げないよう、タイミングや音量は睡眠の状態に合わせて自動で調整されるようです。*

このオーディオトーン(音波)は500~2000Hzの音で、体が慣れてしまわないように、毎回周波数を変化させているようです。

3. 音波が睡眠の質をあげる仕組み(脳科学)

この音波でやろうとしているのは、徐波という周波数の脳波の振幅を大きくさせることです。

そもそも、深い睡眠=ノンレム睡眠とは、脳に周波数の低い脳波(徐波)だけが流れており、眼球運動が無いほど身体も脳も休息している状態のことを指します。

そこで、この周波数の低い徐波の振幅を大きくさせるような音波を流すことで、深い睡眠時間を増やすことができるという訳です。

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引用:https://stretchpole-blog.com/non-rem-sleep-1654

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引用:https://office-purej.com/info/stage-of-sleep/

4. 睡眠サポートのAI学習

SmartSleepの面白いところは、ヘッドバンド&アプリからユーザーデータを取得できるところです。

データ収集を継続すれば、AIのアルゴリズムをアップデートし、最も適切な音波を発生させてさらに深い睡眠をサポートしてくれそうです。あくまで推測ですが...。

【データ収集とアルゴリズム強化の流れ】
・睡眠データの収集
 ↓
・AIが学習(ディープラーニング)
 ↓
・個々に合わせて最も睡眠の質が上がる音波を提供
 &
・提供するアルゴリズムは随時アップデート

5. 本当に効果があるのか?

ネット上のいくつかのレビュー・ブログを読みました。(これとかこれ

結論:Smartsleep単体では、あまり効果無さそう

な気がしました。(使ったことは無いので、信用しないでください。笑)

音波を発生させることによって、確かにノンレム睡眠の時間を増やせるかもしれません。

しかし睡眠の質は、睡眠中の出来事だけでなく、日中の出来事によっても左右されます。寝床に入る2~3時間前に運動やお風呂で体温が上がったかや、朝のタイミングで日光を浴びてメラトニンリズムを調整できているか。

このようなことが睡眠の質をあげるために非常に重要になってくるため、寝ている間に脳に働きかけるSmartSleep『単体』に頼るのではなく、あくまで補助装置として睡眠の質を改善するための活動が必要なのではないかと思います。



*引用:Philips社



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