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企業と研究の第一人者を繋ぐ【応用脳科学コンソーシアム/CAN】による産学連携

BrainMedia第16弾!
(脳科学のビジネス応用可能性をお届けするブレインテックメディア)

今回は、応用脳科学アカデミーを開催しながら、異業種の民間企業ビジネスマンと大学の研究者を繋いでオープンイノベーションを目指す応用脳科学コンソーシアム(CAN)についてご紹介します。

1. 応用脳科学とビジネス活用

応用脳科学とは、脳に関する知見を、経済学・社会学・生理学・認知心理学等の様々な研究領域と融合した領域です。

近年、「脳の動きを可視化し定量化する」技術が発達することで、人間の認知や行動、感情といった「心」の働きに関する知見もデータも急速に蓄積されるようになってきています。そんな益々注目を集めている脳科学ですが、これまで最も活用が期待されていたのは医療分野でした。これをさらに広げ、自動車、情報通信、化学、小売などなど、応用脳科学は多くの分野への活用が見据えられています。

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応用脳科学コンソーシアム/CAN

日本の脳科学研究は世界でもトップレベルで、優秀な研究者が数多く存在していますが、その知見や研究成果をビジネスへと応用するプレイヤーは不足しており、脳科学のビジネス活用が目指されています。

2. 応用脳科学のオープンイノベーションを推進

応用脳科学コンソーシアム(CAN : Consortium for Applied Neuroscience)は、異業種の民間企業と異分野の研究者が一堂に会するコミュニティです。様々な業界の人が産学連携によって知見を共有することにより、オープンイノベーションを加速することが目的になっています。

具体的には、「研究開発」「人材育成」「人材交流及び社会啓発」にオープンイノベーションモデルで取り組んでいます。

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応用脳科学コンソーシアム

海外にも、OpenBCIのようにオープンイノベーションによって脳科学研究を加速させようとする動きがありましたが、日本でもオープンイノベーションや産学連携が行われることを期待したいです!

3. 遅れを取る日本の脳科学投資

日本では先進的な脳科学が行われているものの、海外各国で脳科学研究に対する投資は加速しており、投資額に関しては一歩遅れを取る形になっている。

例えばアメリカでは、NIH(アメリカ国立衛生研究所)だけでも日本の脳科学研究予算総額の約20倍となる5700億円程の資金が投じられていると言われおり、近年では、BRAIN Initiativeプロジェクトに対して2014年度に約100億円が投入されることで注目が集まりました。

EU(欧州連合)でも2012年に発表されたThe Human Brain Projectでは、今後10年間で約1680億円を投じる計画がなされるなど、ニューロインフォマティックス(脳科学と情報科学の融合)と人工知能の融合領域に特化して研究開発が加速しています。

その他、韓国や中国、シンガポールでも脳科学研究への投資が拡大する中で、応用脳科学コンソーシアムは日本でもさらに脳科学の研究開発を促進しようとする目的があります。


4. 応用脳科学コンソーシアム(CAN)参加企業

応用脳科学コンソーシアムには日本の名だたる大企業が参加しており、期待が持てます。以前紹介したニューロマーケティングのNeuroAIを開発するNTTデータも参加しており、上手く協力し合うことができれば様々な業界における脳科学の活用が進みそうです。

<応用脳科学コンソーシアム参加企業一覧>
旭化成株式会社 
旭化成ホームズ株式会社
アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社
株式会社インテージホールディングス
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ経営研究所
沖電気工業株式会社
コクヨ株式会社
株式会社ゼンショーホールディングス
大正製薬株式会社
高砂香料工業株式会社
DIC株式会社
東海光学株式会社
トヨタ紡織株式会社
パナソニック株式会社
本田技研工業株式会社
株式会社マクニカ
ミズノ株式会社
ライオン株式会社
(引用:https://www.can-neuro.org/consortium/members.html)
<応用脳科学コンソーシアム参加研究機関>
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長:徳田 英幸)
脳情報通信融合研究センター(CiNet)など
(引用:https://www.can-neuro.org/pdf/200914_pressrelease.pdf

5. 応用脳科学アカデミー

応用脳科学コンソーシアムでは、法人ののビジネスマンを対象として、脳科学研究の第一人者などの分かりやすい最新の脳科学解説やディスカッションを行う「応用脳科学アカデミー&ワークショップ」が開かれています。

会員制となっており、個人や法人として参加することで様々な講義を受講して脳科学ビジネスのヒントが得られるようなプログラムとなっているようです。

応用脳科学アカデミーの具体的な講座例
・なぜ脳科学をビジネスに活用するのか 萩原 一平(CAN)
・脳科学の基礎知識 片岡 洋祐 先生 (理化学研究所)
・脳科学分野におけるELSI 中澤 栄輔 先生(東京大学)


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参考・引用:

https://www.can-neuro.org/pdf/200914_pressrelease.pdf

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