005.本を読む

よく、自分の考えに詰まる時がある。そんなときは人と話し、散歩をし、そして本を読む。

最近『私が望むことを私もわからないとき』という本を読んでいる。これは<The Book Man>という書籍の一文を紹介するサービスを運営するチョン・スンファンが書いたもの。読書スピードが遅い自分としてはありがたいことに、好きなテーマの場所だけ読んでいれば良いような本。

読んでいると、ハッとする一文や、自分ならどう思うかと自問自答することが多い。名著からの引用が多いため、そこには深いバックグラウンドが存在している。

読書とは何か。それは自分との対話、自分の理解を深めていく、そして世界との会話、世界との理解を深めていく。

「読書に関する最も重要な点は、言うまでもなく、人が自分自身の信念を形成し、価値観を持ち、自分の望む人生の方向性を持つようになるということです。」これは、世界に関心を広げることの重要性をエーリッヒ・フロムが『聴くということ』で述べた一文。読書とは不思議なもので、人から指摘されるとムカムカする自分の中の矛盾と向き合えることがある。おそらく、それは自分との向き合い方がわからない時に、自分と対話する一つの方法になる。

先のチョン・スンファンの本で、あとがきに「不思議にも良文を読んでいると、魔法の呪文を唱えるかのように、文に込められた喜怒哀楽の感情がすっかりそのまま伝わってきます。だから、一人の人生とあらゆる感情が込められた文章が、たとえ数行に過ぎない短いものでも、他の人にとっては無限の感動を与える人生の文章となるのでしょう。」と言っている。

他人の人生を歩むという絶対にできないことを擬似的にでも、微かな時間でも、体験できるのは本を読むということにほかならない。それは自分でしか経験できない狭い視野を増やすことになる。

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