スイスに来て4週間が経ちました。
2-3週目はドイツ語の集中講座を履修し、
4週目から、通常の授業が始まりました。

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-ドイツ語の授業で、スイスの伝統的なお菓子にトライ-


ここでは、日本とスイスETHでの授業の違いを、
DigitalとPhysical(仮想と現実)という点からまとめ、
最後に日本の授業に対する示唆を述べます。


■Digital (仮想)

ETHの授業のデジタル活用には、目を見張ります。

紙の配布はゼロで、すべてweb上で配布されるので、
迷った末に、本奨学金でiPadを購入しました。

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なお大学のアプリ上で、
・Zoom録画
・先生と生徒の質問Box
・食堂のメニュー
なども見られます!

ちなみに余談ですが、電子辞書は世界では珍しいのか、
すでに3人から「それは何?」と聞かれました。

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■Physical (現実)

ただデジタルはあくまで、より効率的になる点に
部分的に活用された”手段”にすぎません。

以下の例から、最重視している”目的”は、
「学問の実社会での活用と、
 そのための学際的視点の醸成」だと感じます。

・話す・聞くを意識したドイツ語の授業
文法を習う前から、耳マネで自己紹介したり、
先生の指示がドイツ語(意外となんとかなる!)。

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・教授の世界・産業界との繋がり

教授陣は欧州をはじめ、他国の博士号取得者も多い。
また起業家、投資家などの経験を持つ人など、
経歴が多彩。学生のインターンシップ休学も一般的。

・メジャーとマイナー
正規課程のスイスの友人によると、
メジャー(専攻)とマイナー(副専攻)を履修でき、
それらは関連学問でなくてよい(学科にもよる)。
その友人はメジャー:マイナー=2:1程度で学んでいるそう。

・現場主義の建築学科の授業

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-建築学科の授業が行われる、モダンな建物-

私の建築学科では、
・解体現場で材料リサイクルについて学ぶ
・実際の建設会社に事業をプレゼンする
・1週間ほど旅行し、現地の建築を見る
授業など、現場の視点を学びべる授業がいろいろ。
(単位ももらえる!)。

■日本の授業への示唆

とはいえ、ETHでのデジタル活用の程度が
授業や先生に大きく依存するのは、日本と同じです。

ただETHのデジタル・フィジカルの切り分け方や、
その実践から学べることもあると思います。

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-お隣チューリッヒ大学の建物-

また個人の所感ですが、
日本の大学の授業では
社会との繋がりを実感できる授業が少ないと感じます。

もちろん現場の人を招いたり、
実際に行く授業も、少しはありました。

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-物価の高いスイスで、800円ほどの食堂は破格-


ただ、そういった授業は数が少なく、
また授業とは別の、特別講座だったりしました。

特別講座となると、周知面の課題があるし、
学生側もアルバイト・就活などで忙しいため、
参加の時間がとれないのが実情です。

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-チューリッヒの街並み-

「自分の専攻がどう社会に繋がるか」を
実感できる授業の数の少なさは、

専攻と全く違う職種につく学生の多さや、
総合職採用によるミスマッチ
などにも繋がっているのでは、と思ったりもしました。

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