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少年ジャンプ2024年25号感想

前号:少年ジャンプ2024年24号
次号:少年ジャンプ2024年26号

2024年5月20日発売
表紙:キルアオ
巻頭カラー:キルアオ
センターカラー:さいくるびより
センターカラー:【読切】洋平の変(鍋ヒデアキ)
センターカラー:あかね噺
読切:【読切】洋平の変(鍋ヒデアキ)
読切:【読切】ジャンプと僕(長谷川智宏)

1周年を迎えたキルアオが表紙の号。キルアオとしての表紙は多分3回目だと思いますが、やはり経験者なので華やかなイラストが表紙に「っぽく」映えていました。先週のさいくるびより表紙からポップな印象の表紙が続いていますが、明るい雰囲気が季節にあっていて良い感じですね。右下の方でこけてるアネゴがかわいい。


キルアオ

カラー

1年を振り返るような集合イラスト!!!ここですら既にイチャつきの範囲に入ってしまっている天馬とアネゴ、早くくっついて欲しい気持ちが溢れてくる。

こうしてみるとキャラクター自体が全員「強烈!」というわけではないのに(おしゃぶりなどの例外はいますが)、ちゃんとキャラクターが立っていていいですね。良い意味でキャラクターを主軸にしたマンガを書くのが上手い先生だなと思います。

page 53 別荘へ行こう

皆で別荘に行く!その前の下見、という展開。ただ、思ったよりも人数が多いのでメタ読みするとこの下見がメインイベントになるような気がします。大人数にしすぎるとミステリ的なエピソードを作りにくくなりそうなので、その関係かな。

地味にシンに対して「お前みんなと一緒にバスでローストされかかってただろ」ってつっこみがあるところが好きです(ちゃんとおしゃぶりに言及してあげる優しさもある)。

速報版でも書きましたが、別荘は綾辻行人の「十角館の殺人」パロディをメインにベタなホラー要素を詰め込んだという雰囲気。雑な感じがキルアオらしくて味があります。

前述したシンの扱いもそうですが、ギャル姫ちゃんだけではなくチビ姫さんもしっかり登場させてくれる辺り、キャラクターの扱い方がていねいで好印象。

前回、大人十三の無双ぶりを書いてしまったので今後どうするのかと思っていたんですが、「銃を撃とうとするとくしゃみが出てしまう」というそれっぽい弱体要素が付与されていて笑ってしまいました。ちょっとバカっぽさはあるんですが、元々が「薬」起因なのでその副作用としてアレルギーが出るってところは理に適っている。

これ別荘でも猫田と連絡取れるのか?というところが地味に気になります(ミステリ難易度に関わるため)。

アオのハコ

#149 優しさの手札

サブタイトルを見て気がついたんですが、今回の話って「優しさ」の話だったんですね。ついに大喜と千夏先輩の交際が白日の下に……というところに興奮していたため、読み返すまで気がつかなかったのが恥ずかしい。

大喜と千夏はそれぞれお互いやそれ以外のに人に向けた「気遣い(≒優しさ)」で交際を隠していた部分がありましたが、それがかえって人を傷つけてしまうことがあるという事実に向き合って出した結論がみんなの前で手をつなぐという行為になるという流れがあまりにも青春。それが「人に優しくされることで自分の優しさの手札も増える」の流れから来ているのも美しかったです。

大喜側は雛の件があったので「はっきり言った方がいいのか」という結論に一歩早くたどり着いている、と言うのも上手かった。ここからセンターカラーに繋がるってことは……、まさか千夏先輩の浴衣がカラーで!?これはとても期待。

僕のヒーローアカデミア

No.423 OFA VS AFO

先週までに書き切れなかった黒霧(白雲)、爆豪の想いを書き切り、最後は死柄木と拳を合わせて巨悪を打ち砕くという完璧すぎるラストバトル。極限状態のAFOから「人間」を暴き、弟への本音まで引きずり出せたのはここに立っていたのが緑谷出久だったからなんだな、というのをしっかり感じさせてくれました。

最終決戦でずっと暗かった画面が一気に晴れ渡る最終ページの〝良さ〟。白黒のページのはずなのに、青が目に眩しいと感じるほどでした。

こんな壮大な物語のラストに追いつけて本当によかった……(号泣)。

冗談ではなく毎週泣いている上に感想を書くために読み返して泣いているので、マジで涙腺がバカになっているんじゃないかと不安になります(なってるかも)。

夜桜さんちの大作戦

作戦226.夜桜包囲網

旦4兄弟の出生が「9代目の心臓を触媒につぼみの手足から生まれた」というヤバいものであることが明かされた今回。四の力の強さもかなりのものであることがわかり、「先週までの夜桜一強展開から一転するか……?」と思わせてからの四怨によるさらなる逆転がかっこよかったです。

力関係的には夜桜兄弟と旦4兄弟の力はかなり拮抗しているが、相性のよいマッチングをすることで夜桜側が優位に……、という流れで行きそうな雰囲気。この過程でそれぞれに見せ場が作れるし、権平先生は割とそういう見せ場は順番に平等にくれる印象があります(スタンプカードのときとか)。

ただ、それだと夜桜側が圧勝してしまっておもしろみに欠けてしまう気もするので、旦側にはまだ何か手はありそう。ありがちなのは自爆技とか合体技とかですが……、それだとどちらにしても旦4兄弟側が結構悲惨なことに……。重い展開には不安もありますが、もちろん楽しみでもあります。

さいくるびより

2話 引っ越し

サブタイトル通りですが、マジで引っ越しで1話使ったので結構驚きました。シェアハウスの人と顔合わせをして、主要人物全員出てくるものかと……(管理人さんは出てくる)。

とはいえ、そのおかげでねむるとことねの関係性や、この世界における「サイク」についてゆっくり噛み砕く猶予があったので個人的には好きな展開でした。シェアハウス内でがっつりねむるのサイクが使われているシーンもよかったです。

ことねの瞬間移動のサイクも、単に「瞬間移動」だけでなく「自分が触れたもの(眠るとリセット)」、「引き寄せるのは楽だが、送るのはちょっと難しい」など細かいルールがあり、それを訓練するというのがあくまで「サイクのある日常」という感じで、世界観の描き方が上手いなと感じました。この辺はおむすけ先生の得意分野なんだと思います。

ラストの「これ小さくしたタンスに入ってたやつで」のところ、その場を見せないのも上手いですね。もしかしてパンツ見せてる!?ってなったんですが、よく考えると下着じゃないものを見せている可能性だってあるのに、見せないことで「下着かも!?どういうこと!?」というラブコメ的ドキドキ感が生まれている……。

SAKAMOTO DAYS

DAYS 166 偽狂者

楽の参戦に引き続き、ハルマも対篁さん戦に参戦。楽もハルマも深手を負っているとはいえ、篁さんが強すぎる。

「奴を殺さずして殺連の壊滅はあり得ない」はハルマ視点だとそうかもしれませんが、読者視点だとそもそも篁さんって殺連の言いなりになってるの?(現状はなっている感じがありますが)というのがあるので、正直スラーの言う通り逃げた方がいいのでは……、という気持ちになります。

からのハルマと有月の回想。無理矢理殺し屋になるための訓練をさせられてきた、というアルカマルメンバーの過去がちょっとずつ明かされて来て、「おっ」という気持ちに。ただ、思い悩む有月に比べてハルマのテンションがそうでもなかったり、「嫌なら逃げて暮らせばいい」というセリフが出てきたり、有月の絶望がなかなか伝わりにくい印象があります。そもそも、世界観自体が「殺し屋を容認している」感があるので、「殺し屋にならなければならない」それ自体の悲壮さよりも施設の行いの惨さを強調した方が共感しやすいような気もします。

とはいえ有月の復讐の動機が麻樹に向きすぎてしまうと今度はスラーの目的の方に繋がらなくなってくるので、この辺の調整は難しそうですね。自分に合わない職業(しかも殺し屋)を押し付けられる苦しみは個人的には理解できるんですが、主人公サイドの坂本、南雲、赤尾あたりはその辺結構割り切ってしまっているのでなかなか……。なんかこの言い方だと私が殺し屋になることを強いられたことがあるみたいになってしまいましたが、もちろんそんなことはありません。

篁さんが「殺意」「敵意」にしか反応しないことを利用したエレベーター拘束作戦、これってこのままエレベーターを動かして腕を切断する作戦だったのか?と思うと相当凶悪な作戦だと思うんですが、「それくらいしないと勝てない」感があるので外道感は抑えられていたような気がします。

そこからの「テメェら俺のことボケてると思ってんだろ」「この世には生かしちゃあおけねぇクズばかり……」は読み切り「骸区」のセリフ!!!いつか来るとは思っていたんですが、ここでくるとは……!!!これをやってしまうと主人公を食ってしまうのでは?とか、読み切りと同じすぎるとおもしろくないのでは?という不安はあったんですが、実際こうして描かれてみるとおもしろいから全然いい。もっとやって。になってしまいました。本当に怖くて強くて最高。

さらっと流してしまいましたが、「斬った断面がきれいだから斬られたものがくっつく」理論。これは色々な作品で見た理論ですが、自分で自分の腕にやって、そのまま戦闘を続行する人は初めて見ました。むちゃくちゃすぎる。前回の銃弾で刀を研いだ件にもそうですが、むちゃくちゃだけど言われてみればありかな……、というラインの描写が上手いので、読んでいる最中に「あれ?」というノイズにならないのがいい。

ラストでやられたハルマですが、よく見ると体が真っ二つになっているのでそれこそ断面がきれいすぎてくっつきでもしない限りは退場の可能性が高そうですね。この回で回想も挟んでいるので退場フラグが強めですが……、どうだろう……。

極東ネクロマンス

第4話 Smells like…

扉で若い頃の耀司(とおそらく薫の父)の様子を描いてくれているのがなんかいいですね。今の耀司と薫の関係に近かったのかな、と現在がオーバーラップしそうなシーンなのがなおいい感じ。

冒頭の会話は必要だった?と一瞬思ったんですが、この世界における「霊媒師」の立ち位置がなんとなくわかったので意外といいシーンだったな、と後から思いました。そこそこうさんくさい印象はある様子。その後の耀司と関係がありそうな女性については今回は保留。霊関係の話でこういう意味深な女性が出てくるとついつい警戒してしまう。

薫の戦闘自体は次回ということになりましたが、最初に危惧されていた「仕事として死霊術士をするなら、いつでも精神を動かされるように」という部分をクリアできた、というところまでを今回で描写しきっているところが上手いと思いました。

あとやっぱ耀司さんが結構ちゃんと死霊についての基礎を教えてくれるし、薫を無理矢理敵にぶつけたりしないのでストレスが少ない。

【読み切り】洋平の変

鍋ヒデアキ

今回の読み切りはキャラクター造形があまりにも自分の好きな形にぴったりだったため、結構贔屓目に感想を書いてしまうと思うんですが、そうでなくてもまとまりのあるいい読み切りだったと思います。

男女の日常ものと思わせてからの宇宙人の登場、主人公の正体バラしシーンでインパクトのある画、そして日常へと帰結していく流れが好みでした。画力も十分あって、個人的には「自販機の前でジャンプする女の子の後ろに異形が……」の1枚の雰囲気がすごく好きでした。このページをめくったときの効果も合わせて天才。

表面上は女の子→男の子、実は男の子→→→→→女の子、というニア恋愛的な関係性とSF設定が上手く噛み合っていて、私がこの関係が本当に好きなので、本当にありがとうございます……という気持ちになってしまい、なんかもう感想が「ありがとうございます!!!」以外にあんまり出てこない。でもこの話の転換点になった宇宙人「グラン」も外見、性格ともに好感度の高いデザインをしていて、内面も含めてキャラクターデザインの上手い作家さんだなという印象。

実は気になってジャンプ+の読み切りも読み返していたんですが、こちらも友だち以上恋愛未満の男女関係の描き方が最高でした。マジで今すぐ連載が決まって欲しいです。読み切りから推し作家が生まれたので、めちゃくちゃテンションが上がりました。これからも応援させてもらいたいと思います。

願いのアストロ

第5話 掟の決闘

今回はヒバルとコウの戦いの回だったので速報版で書いた以上の感想はあまりないんですが、やっぱり何度見ても「兄弟間で争う時は素手で1対1の決闘とすべし」って書いてあるのに両者がアストロを構えてるのが本当におもしろくなってしまう。「アストロは体の一部=素手」扱いに早く慣れたいと思います。

コウのアストロは「阿修羅」。やっぱり日本神話や仏教関連からネーミングしていくのかも。極道ものだからこの辺をモチーフにしているんだと思うんですが、連載が続いていったら多分第三勢力辺りでキリスト教モチーフのアストロが出てくると思います。「大天使、ミカエルのアストロ」とかで羽が生えると思う。

コウの兄、ボタンとクランの関係性はここで話を1本書けそうなエモエピソードなのでこの戦いの後にもうちょっと詳しい話を聞かせて欲しいところ。

ヒバルがフォーカスしたのが「力を持ったならそれまで守ってくれた相手を支えろ!」という「兄弟」問題だったことは、東京が崩壊しかけているのに対してちょっとこぢんまりしてしまった印象はありますが、作品テーマとは合っているのでよかったと思います。

呪術廻戦

第260話 人外魔境新宿決戦㉜

ここで「不義遊戯」改が出てくるのはアツい。復活(復活といえるのかは微妙かもしれませんが……)するのであれば、もっと早い段階で出してきそうなところを、ここで!?という驚きがありました(誤解のないように言うと、良い意味で言っています)。

私個人としては「術式って書き換えできるんだっけ?」程度の読み込み具合の読者なので術式の細かい部分には言及しませんが、「カーン」1回で1回の入れ替えではなく、ビブラートのように震える1回1回の音で入れ替わりが発生する、という効果はエグすぎる。

しかもそのビブラスラップの音に対する回数に対して入れ替えの回数を絞る「縛り」と言っていますが、これはデメリットというよりもむしろメリットなので、実質メリットで術式対象と範囲を拡大してしまっているのは無法すぎないでしょうか。あと単純にこんな回数で入れ替えされたら普通に酔いそう。宿儺じゃなくてもこのシーンで東堂が出てきたらかなりキツいと思います。

ついでに、冷静になるとこれに即対応してくる虎杖もちょっと怖い。この宿儺戦全体を通しての話なんですが、この戦いはそもそも高専側のモチベーションが異常なほどに高いんですよね。国がかかっているので当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、それにしても高い。更に言えば、序盤で投入した五条、鹿紫雲という強力な戦力を失っても戦意を高いまま保っているのが尋常じゃない。この「主人公陣営のモチベーションの高さ」がこの最終決戦の面白さに繋がっているんだなとしみじみ感じる回でした。

そして、話題の(婉曲表現)「最強の亡霊」。アオリ文を盲信するわけじゃないんですが、「その〝眼〟」と眼を強調しているので、個人的には五条本人ではなく、何らかの方法で現れた「六眼」なんじゃないかな~と思っています。私は乙骨が五条と遠縁の親戚って言ってた記憶がうっすらあるので六眼リポップ乙骨説を推していますが、そもそも乙骨自体も生死不明なのでどうなんだろう……、というところ。

あかね噺

カラー

前にも同じ感想を書いてしまっていますが、塗りの感じが今風な感じ(言ってしまえばちょっと【推しの子】っぽさ)でとてもかわいい。絵の表現の幅が広くてすごいですね。

第110席 一番弟子

今回ではまだ昇進試験そのものは始まらず。開演の挨拶のシーンで1話というとちょっと驚いてしまいますが、それでいて退屈させない意味のある1話だったと思います。阿良川四天王についてはちょっと詳しく記憶していないんですが、全生師匠が〝喜劇王〟なのはみんなの反応を見る限り今回初だったようで安心しました。私だけ読み落としてたのかと思ってドキドキしてしまった……。

読者視点で見ると全生の司会への横やりはいや~な感じですが、裏側を知らなければ「お調子者」みたいな感じのキャラクターなのかも。それであれば〝喜劇王〟の名も納得です。実際、この場で一生の言葉を待っていた人間は多いわけで、そういう意味では確かに「空気を読んでいる」とも言える。四天王と呼ばれるだけの立ち回りはできる、という手強さを見せてくれました。

しかし、キレるあかねたちのシーンはちょっと興奮しましたね。この辺「怒ったら負け」みたいな感じで堪えるのかと思っていたので(堪えている範囲ではある)、しっかり「怒り」の感情を描いてくれたおかげで読者側がどういうスタンスでこの会を見届ければ良いのかも示してくれている。親切な作り。

まいけるの一番の「敵」は全生ではなく、この場の空気、という雰囲気の中始まる落語。次回が楽しみです。

ウィッチウォッチ

156 伝説の答辞

ニコの卒園の話をすると思っていたらミハルたちの卒業の話だった回。話の流れは鉄板だったものの(というか漫才とかにありそうなネタかも)、キャラクター性をしっかり生かし、かつキャラクターの株をいたずらに下げないいい温度感だったと思います。この辺はやはり安定してますね。

また、サラッと書かれているので流してしまいがちですが、1人のキャラクターを描くときに「キャラクター固有の在り方」だけでなく、「誰と一緒にいるか」でキャラクターに幅を持たせているのがすごい。

これは結構高度なキャラクターエミュレートが必要なところだと思うんですが、いつもサラッと描かれている。これがあるとキャラクターの「生きてる」感が強くなって魅力が増すな~~~と思っています。今回だとミハルが乙木家にいるときよりも元気でよかった。

書いてから思ったんですが、この技術ってライター分業制のソシャゲのシナリオにも強く求められる技術かもしれない。

超巡!超条先輩

第14話 ソムチャイ巡査長

ウィッチウォッチからの超巡!超条先輩って掲載順を並べられると、このゾーンでかなりお腹がいっぱいになってしまう。悪い意味ではなく……。2作品とも結構文字量と勢いで畳みかけてくるタイプのギャグが多いので、結構消費カロリーが大きい。

とはいえ、超巡!超条先輩単体で見ると今回は前回までの中編を終えての箸休めてきな単発ネタ回でした。まあ、コメディマンガって単発回の方がギャグ色が強めなので全然休めないんですが、それはそれ、これはこれです。

インチキ霊能者に騙されるというベタなネタではありますが、自分が超能力者が故にそれを突破してくる相手にメロメロになってしまうというのは妙に説得力があります。斉木楠雄のΨ難でも斉木が燃堂に一目置いていた(一目置いていたわけではない)ように、ここまでが定番ネタなのかもしれません。

また、悪徳商法にハマった超条ですが、ハマった後の行動が先生を馬鹿にされるまでは「部下に合ったパワーストーンをあげる」「布教するわけではない」など、人に迷惑をかけないものだった辺りに人の良さを感じます。

今週のベスト罵倒語は「タンパク質の分際で思い上がりやがって~ッ!!」です。

アンデッドアンラック

No.207 もう一度

相変わらず戦闘終了からの次の仲間集めまでの繋ぎが爆速。ここから「魂(ソウル)」の力で否定能力の強化を行う予定とのこと。絶対理が強すぎる上に人数も多いため、どうするんだろうと思っていたところにこの強化は心強いですね。

不忘のメモリーが実質無限になるどころか能力の区分「自対象」「他対象」の壁も取れるかも、というのは強くなりすぎ感がありますが、それを使ったとしても「神」に勝てるビジョンが浮かばないのが現状です。

  • タチアナ(不可触)

  • バニー(不出)

  • くるる(不貞)

残りがこれだけだと思うと(ルインはどうなるんだ?)、思ったよりも展開が早いんだな……、と驚いてしまう。アンデラの場合、全てが爆速なので早まったとかではなくこれで予定通りなんだと思いますが、それにしても早い。仲間を集めきってからの方に尺を割くのかもしれないと思ってはいますが、その辺も爆速になるような気がします。もちろん、ここでの爆速に悪い意味はありません。

掘り下げ量的にここでくるるが来るのは予想していましたが(能力的に女性が対処した方が傷が浅く済む可能性も高い)、同時に「風子の母親がアイドルだった」なんて話が来るのは意外すぎる。今ループだと風子は生まれなかったことになっているんだと思いますが、その辺りの処理も含めてどうなるのかが気になるところ。

僕とロボコ

第185話 ラブコメとボンド

突然のラブコメ回!!!以外に言うことはあまりないんですが、なんだかんだ蚊トンボ膝ロボコが普通に好みなので、「ボンド浮気するな!!!」みたいな気持ちになってしまい、ロボコに何を期待してるんだ私は……になってしまった。本当になに?

どちらかというとこういう流れで突然「To LOVEる」を出しても、「ほなそうか」となるTo LOVEるのすごさを感じましたね。

鵺の陰陽師

第50話 形見

そもそも幻妖と人間が敵対しているとは言っても、おそらく本来は知的生物である幻妖のレベル4をこうして「使う」のはなかなかグロテスク。

少年ジャンプ2024年24号感想

先週こんなことを言っていたら、今回鵺さんが「とても苦しかったろうね」と声をかけていたので、やはり思うところはあるんじゃないか?という感じがします。今さら人間側の敵になるとは思えませんが、かといって完全な味方……なのか?というのは微妙なのかも。

今回の章では周防先輩の掘り下げがあるのかなという雰囲気の導入でした。

しかし、個人的なことを言えばこういう複数ヒロイン制の話でわざわざ「過去好きだった人を吹っ切る」みたいな展開はあまり好みではないので、今後の展開にはちょっと不安があります。これが既に先輩ルートに入っているのであれば気にならない部分なんですが……。「先輩には過去の男を吹っ切ってもらうが、自分は先輩一筋なわけじゃない」みたいになると誠実ではないなと思ってしまう上、私は学郎の魅力を「誠実さ」だと思っているのでなかなか受け入れづらくなりそうで……。そうならないために「恋愛ではなかった」みたいな振りを入れてきてるのはわかってるんですが、これは学郎へのフォローと言うよりも読者へのフォローに見えてしまって、う~ん……。

この辺は個人の好みの話なので難しいところですね。現状そういう展開になると決まったわけでもないので、難しく考えすぎずに学郎の修行結果や今後のバトルを楽しみにしようと思います。

カグラバチ

第33話 死守

掲載順位の波が激しすぎてめちゃくちゃな情緒になってきました。どういう推移なんだ?これは……。

チヒロとハクリが合流して先へ、その場に残った緋雪と敵の頭領との戦いはお預けに。後者はちょっと残念ですが、敵視点で緋雪と戦うメリットはないのでそれはそう。緋雪の言い回し「うちが慰めてやるよ」がめちゃくちゃ良い。夢女を虜にした女選手権があればノミネートが決定していたはずです。

ここで濤側の回想を挟んだことで、天理に死亡フラグ。でもこれ、ハクリと一緒に描かれているので、ハクリ登場のタイミングによっては生存しそうな雰囲気もあります。もちろん「ハクリの目の前でこんな……!」みたいな最悪の展開もあり得そう。

天理の回想を強制終了させる柴さんの演出がよかったです。というか、この面子相手に圧勝した上「ただの瞬間移動じゃない」とまで言われていたので、マジで柴さんの戦闘能力が気になってきました。そろそろ見せてくれても良いんじゃないでしょうか。もしかしたらこの後の天理with謎アイテム戦で見せてくれるのかもしれません。

ハクリの強化も含めて次回が楽しみになってきました。

グリーングリーングリーンズ

第23話 「代償」

まさかの王賀のアメリカ行きの取り消し。この展開は意外でした。このマンガがグリーングリーングリーンズでなければ逆に王賀ヒロインだから残るんだろうなと思っていたと思うんですが……、本当に意表を突かれた感じです。

と言っても悲壮感だけを表現するのではなく、スポーツをする上での「怪我」という時に逃れられない事象に真正面から向き合っているところに好感を持ちました。そもそも前作のビーストチルドレンでもスポーツ選手の怪我を取り扱っていたので、こういう部分はしっかり書いておきたいというポリシーがあるのかも。難しいテーマだと思うんですが、ここから「今日からまた私は強くなる」に持って行ける先生と王賀の精神性があまりにも高潔で美しい。

王賀があまりにかっこいいからこそ、自分と比べてしまうという八枝崎の悩みも、始めたばかりという経歴と合っていてよかったです。そこから、やはりゴルフに人生を捧げている友人であるオリバーをきっかけにまたモチベーションを取り戻す、というのは八枝崎の心情をていねいに描いていて、この作品の〝良さ〟が十分に詰まった回だったと思います。

惜しむらくは、やっぱりゴルフという競技上、なかなか「試合」形式に持って行けないところなのかもしれません。こうなると練習描写をめちゃくちゃおもしろくするか、スポーツそのものよりも心情にフォーカスした作品にするか、という方向になるのかもしれませんが(スポーツものあるある)、グリーングリーングリーンズはあまり変化球を使わずにストレートに勝負する印象が強め。

Dear Anemone

第13話 in Wonderland

急に空気変わったな……、という印象がありますが、細かい伏線は前からちょこちょこ貼られていたので無茶な感じはなく、ドキドキさせられてよかったです。サブタイトルからもわかるとおり、ウサギを追っていったら……という不思議の国のアリス要素を取り込んだ世界観。

獣人要素が個体ごとに程度が違うのも、これが順当な進化の上にあるものではなく何らかの外的要因による急激な進化であることを示唆しているのか、ちょっと不気味なところが魅力的でした。となると、やはり案内兎が人型じゃなかったのが気になります。

また、ここで善生古太郎と再会できそうなのは素直によかったね、という気持ちがあるんですが(最悪の場合ラスボスになる可能性も考えていたため)、なんだかどう見ても不穏な雰囲気。これで監禁とかだったらなんとなく状況も予想できるんですが、怪我の血が乾いていない状態で近くにいる、となると人型ウサギが味方ではない可能性も高そうで、サスペンス・ホラー要素が強くなってきました。

【読切】ジャンプと僕

長谷川智宏

これを読み切りとして換算して良いのかはわかりませんが(正式にはルポマンガ)、一応読み切りとして記載しておきます。

元々ルポマンガが上手い作者さんなので以前にも何度かルポマンガを拝見したことがあるんですが、今回はお金の話をしているので余計にこう、「笑いごとじゃなくない!?」事案で逆におもしろさが増していました。

ジャンプの原稿料や専属契約料などの話をここまで赤裸々に語っている辺り、新人開拓って本当に大変なんだと思います。原稿料などはあまり外に向けて発信されていないイメージがあったので(会社員でもあんまり年収とかおおっぴらにしてる個人はいないと思いますが)、ここで明らかになったことで良い意味での指針になってくれたらいいな~とマンガ家でもないのに思いました。

一見高給に見えましたが、ここからアシスタント代やその他経費も出ていくんだと思うと、本当に大変そう。マンガ家も仕事でマンガを描いている「人間」なんだということが読者にも伝わって、もっと良い労働環境になっていくことを願っています。

WEEKLY週ちゃん

VOL.249

毎週感想を書いたり書かなかったりしているこのコーナーですが、今週の「エモい競走馬名を考えよう」はシンプルにおもしろくて思わず読んでしまったので……。

個人的に好きだったのは「ホシヲミルヒト」。人になっちゃってるじゃん。好き。

作者コメント

アオのハコの三浦先生がアフレコに行った報告をしていて、いよいよアニメ放映が近付いているんだな……、とドキドキします。ジャンプをまだ買っていなかった頃、「このマンガがジャンプで連載してるの!?」とびっくりしたのもあり、アニメ化によって今までこの作品を知らなかった層にも届くことに期待。恋愛マンガとしての質が良いので、女性人気も出るポテンシャルがあると思っています。

那波先生が立ち食い蕎麦(宮崎先生と行ったらしい)の話、和久井先生が鳥貴族の話。松井琳先生も焼き肉の話。食べ物の話は巻末コメントの定番ネタなのかも(身も蓋もないですが、当たり障りないもんな……)。

東堂がこの日術式使うの3回目なのに包帯巻いてること

少年ジャンプ2024年25号

芥見先生のこれは昔だったらコマの外で作者が突っ込んでるだ……、と思いました。先生はこの辺結構気にしそうなので単行本で直すかなんかしそうですね。

少年ジャンプ2024年26号 予告

巻頭カラーは1周年記念の鵺の陰陽師。2023年の同期キルアオに続きおめでたいですね。最近の掲載順位を見た感じ、周年センターかな……、という予想もしていたんですが、良い意味で裏切ってくれました。

今回の「ジャン器」ですが、超巡!超条先輩の「ヨーヨー」とONE PIECEの「サウザンドサニー号」は結構無理があると思います。でもこのこじつけを毎週楽しみにしている自分もいるので、ドンドンこじつけていって欲しいです。

2024年5月27日 発売
表紙:鵺の陰陽師
巻頭カラー:鵺の陰陽師
センターカラー:アオのハコ
センターカラー:超巡!超条先輩
センターカラー:【読切】飛んで火にいる夏と蛍


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