少年ジャンプ2024年43号感想
2024年9月23日 発売
表紙 :白卓 HAKUTAKU
巻頭カラー :白卓 HAKUTAKU
センターカラー :しのびごと
センターカラー :僕とロボコ
センターカラー :夜桜さんちの大作戦
今回は音声入力で記事を書いてみたんですが、逆に結構長くなってしまい、アップするのに時間がかかってしまいました。この辺りは慣れもあるみたいなのでもう少し慣れるまで続けてみようと思います。実際、キーボードを打たなくていいのはかなり大きなメリットなので上手く使えるようになりたいところ。
※ この記事ではAmazonアソシエイトを利用しています。
白卓 HAKUTAKU
HAKUTAKU.1 〝はじめから〟
今回の新連載はゲーム作りがテーマ。白卓というタイトルの理由は1話を読んだ感じだとまだ不明でしたが、アニメを作る内容のアニメが「SHIROBAKO」だったことを思い出すと、「白い何か(曖昧過ぎる)」っていうのが「制作物の何か」を表わす言葉なのかもしれない?(SHIROBAKOを見ていないので見当違いだったらすみません。)最近の新連載は「妖怪バスター村上」や「悪祓士のキヨシくん」、「魔男のイチ」など、主人公の名前がそのままタイトルになっていたものが多かったので、それらに比べるとちょっと捻ったタイトルだなという印象があります。サブタイトルも「HAKUTAKU」ですね。
余談ですが、タイトルがそのまま主人公の名前になっているマンガは主人公の名前が覚えやすいので助かります(村上くんは主人公ではない可能性がある)。週刊連載だと主人公の名前の覚えやすさというのも人気に繋がっていそうな気がします。
本作の主人公の名前は「日隈橙(ひくまだいだい)」。ヒロイン(?)が「能登來暇(のとらいか)」。両方とも地名由来っぽい苗字。タイトルが「『白』卓」なので、主人公が『橙』と色繋がりなのに意味があるのか気になるところ。
ものづくり系のマンガってジャンプだとなかなか難しいイメージ。主なところだとバクマン、最近だとテンマクキネマが物作り系かな。暗号学園のいろはは暗号は作ってたけどものは作ってなかったので微妙か。とはいえ、現在の本誌で連載しているマンガの中でジャンル被りしていないものなので応援していきたいですね。
ものづくりの対象として「ゲーム」が出てくるのはちょっと意外だったんですが、もしかしたら今って……、パソコンやテレビゲームが身近になっている……?学校の授業でも情報の授業やプログラミングとかが必須になるって話も聞くし、私が持っているイメージよりも「今、物を作る」となったらゲームはメジャーなのかもしれないですね。実際、作中でも授業でゲームを作るって流れだったし。時代だな~。
主人公については「いじめられっ子」的な立ち位置からスタートするのが好き嫌いが分かれそうですね。そういうスタートをするマンガもそれなりにあるとは思うんですが(有名どころだと僕のヒーローアカデミアとか)、本人がいじめに気がついていなかった、それどころかパシられ行為をゲームとしてうまく消化する性質を持っていたってところがめずらしかったかも。雰囲気を重苦しくしすぎないためかな。
実際、ゲームってある程度ストレスのかかる「作業を面白く感じさせる」みたいなところが重要な気がするので(ゲーム開発してるわけではないので見当違いだったら恥ずかしい)、「それ」がゲーム作りに活きる、というのは普通にうまいなと感じました。
そもそも、主人公はいじめられてるというよりは「便利に使われている」っていう感じだったんですが(だからこそ生々しい部分もある)、それをきっちり「いじめ」であると描写しているところと、先生がいじめに対して無関心ではないところはいい意味で令和的。先生に関してはいじめに気付いてなかったと言うよりもあまりにも日隈がはっきり否定するから踏み込めずって感じだったのかな。生徒への接し方としては能登の無茶ぶりでパソコンルームを貸してくれたり、課題提出前に仮眠を取らせてくれたりとかなり生徒思いな感じでした。この分だとゲームのネタにされる許可を出している可能性まである。このままゲーム制作部を作るとかいう話になった場合は顧問もやってくれそうですね。既に顧問をめちゃくちゃ掛け持ちしてる描写もあるし……。
おそらくあえて触れられなかった、主人公を「ゲーム作り」に引き込んだ能登のバックボーン。これは次回以降に描かれるのかな。あまり描かれていないものの、「学校を休んでまでゲームを作っている並々ならぬ情熱」はしっかり描写されているので、ふざけて主人公を誘ったわけではないことがわかってよかったです。
1話の中で主人公がゲーム作りを始め、それにハマるまでがきっちり書かれているので比較的とっつきやすい1話だったと思います。ゲームを3週間で作る、という一見無茶ぶりに思える課題も「元々ゲームを作る授業があった」「能登がゲーム作り経験者」あたりの設定でクリア。リアリティラインを保っています。
初めてのゲームがウケた理由にしても「内輪ネタだから」と「未熟だが、ウケる」という位置のものにすることで、「成長が必要だが、クラスでは認められる」というスタートラインを用意できているのが上手い。また、作中作が作品内で触れられていたのがよかったと思います。出てきたのは台詞からわかるゲームのコンセプトとクリア条件、実際のゲーム画面が数枚ですが、それでも「有る」というのは大きい。
心配な点を強いて上げるのであれば、主人公の立ち位置というか、「うまくできない」人間としてのあり方をどう解決していくかというところ。ゲーム制作をメインにしてそっちには触れないというのも有り得なくはないですが、作中でその性格を「バグ」と表現している以上はなんらかの解決に向かいそうな気がします。
ここからはゲームを作っていく、例えば「最高のゲームを作る!」みたいなものが目的になっていくと思うんですが……、スポーツと違ってどうすれば「最高」になるのかわからないので難しいな。何らかのコンテストとかに入れるとかそういう風になっていくのかな。今後の展開が楽しみです。
SAKAMOTO DAYS
DAYS 183 枷錠
今回、謎のサービスシーンから始まったSAKAMOTO DAYS。書いてから思ったんですが、シャワーシーン=サービスシーンって考え方はちょっと古いかも。
前回で「看守に楯突くなら一緒に行動しない」的なことを言っていたボイルがしっかりシンたちの仲間扱いされて一緒にいじめられているのは普通に気の毒でしたね。全然ハードボイルドじゃないって言われてましたが、シンたちにその辺の恨み言を言わない辺りはいい人だと思いました。頑張って欲しい。
めちゃくちゃ強い枷錠さん、元「殺連特殊分遣隊」の一員であることが発覚。こうして見ると殺連のデカさ、半端ないですね。層も厚いし、その中で上澄みである坂本・南雲の実力の高さにビビります。ここまででも殺連関連のいろんな施設や内部組織が出てきているので、1回この辺の設定まとめて欲しい気持ちがあるんですが、正直……、このマンガってそこまで細かい設定あるんだろうか。あるなら見せて欲しい(別になければないでいい)。
枷がこれだけ強くてもORDERよりは下、となるとシンが強くなるのって相当キツくない?という気持ちになってくる。フィジカル面が成長限界となると尚更超能力がキーになってくると思うので、どういう方向に伸ばすのかが気になります。
しかし、マンガにおいて初期の方に出てきた組織っていわゆる「四天王の中で最弱」的なことになる印象なんですが、ORDERはしっかりトップをキープしているのが流石ですね。元々殺し屋を殺す殺し屋である性質上、弱くなりようがないのはありそう。やっぱり実力があり、かつ変装技術を持つ南雲って脅威度がすさまじいので麻樹会長のあれはやはり判断ミスだったのでは……。
一方、監獄の中でも自由にやっている占い師ことアタリちゃん。看守(?)にも「アタリちゃん」って呼ばれてるのがかわいい。今回の「手相を書き換えて運勢も書き換える」みたいなやつはどっかで見たことあるような気がするんですが、全然思い出せない。やり方は乱暴ですが、運勢を良い方に変えてくれてるあたりは根が悪い人じゃなさそう。また、「運勢を変えられる」というのはそこそこ大きな情報ですね。まあ、殺し屋マンガで「根がいい」とか「悪い」とか言うのは見当違いかも。
シンの超能力による「『止まれ』連鎖で人間ドミノ」という絵はは面白かったですね。相変わらずこういう動きが輝くマンガです。何度か言っている気がしますが、シンが命令できる内容が「止まれ」だけなのかというのは気になる。それよりも気になるのはちょっと前に話題に出た超能力の「副作用」。ここまで気軽に使っているのを見てしまうと、後から寿命を縮めてるみたいになったときにめちゃくちゃ後悔しそうで心配。ちょっとくらいセーブすると思ってたのに全然セーブしないのはらしいと言えばらしい。
100%当たる占いで「今日この監獄で少なくとも3つの命が消える」って言うのは強い引きですね。呪術廻戦の初期にもこういうのありましたね。結果的にシンと平助は死なないと思うんですが、かといってモブが巻き込まれて死ぬのもかわいそう。「命」なので人間とは限らないかも(それでもかわいそうには変わりないですが……)。
ONE PIECE
鬼の子ヤマトの金稲荷代参
vol.15「九里大名イヌアラシ誘拐事件に困ってる」
ヤマトが1人で誘拐事件の解決に向かうのかと思ってたんですが、ちゃんと知人に相談しに行っていて良かったです。不勉強なのでイヌアラシが大名なの今知りました。おにぎりがでっかくてかわいいですね。
第1127話 〝謎の国の冒険〟
はぐれていたのは予想通りルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジの5名。初期メンバーでの新章スタートですが、場所自体はエルバフについているっぽいので長期の分断にはならなそう?でもそう思ってたエッグヘッドはめっちゃ長かったし油断はできないですね。気になるのは船ごとを移動したっぽいところと、移動したメンバーが服を着替えているところ。個々で勝手に着替えた可能性は全然ありますが、ナミにそういうシーンがなかったのでみんなもいつの間にか着替えてたのかな。
島の出来事で気になるのはナミたちに見えている敵の姿と実際の敵の姿が違うんじゃないかっていうところかな。これは他の方も指摘してたんですけど、直前まで飲んでいた(かもしれない)幻覚が見える酒が関係してるのかも。完全な幻覚ではないことはウソップが体を張って証明してくれてますが、デカい猫がライオンに見えるくらいには影響がある?この辺もまだわからないことが多いですね。
章の始まりだから景気よくっていうのはあると思うんですが、突然ルフィ、ゾロ、サンジの合体技を受けるはめになった野生動物には同情してしまう。こんなん章の大ボスだって滅多に受けない技だろうに……。
島が変わるたびに衣装チェンジが見られるのはすごく嬉しいし、先生の引き出しすごいな~と思います。こういう細かい部分で飽きさせない工夫をしてるのかなとも思うので、やっぱり長期連載をやっているだけあるな~と感心してしまう。
来週休みなのがとても悲しい(先生には休んで欲しい)。
しのびごと
第2話 ヨダカの仕事
学校生活がメインの2話。この2人が学校でどういう関係を築いていくかっていうのがこのマンガの軸だと思うので、それが始まったんだなっていう順当な印象。
それにしても、男女が学校で仲を深める話になると「お弁当一緒に食べよう」から始まるのは結構定番ですね(男女に限らないかも)。最近だとひまてん!でも見た気がします。学校での自由時間となるとお昼休みが一番長いだろうから自然と言えば自然か。
そこからの不良に絡まれる流れと、「本当は不良を倒せるけど実力を隠さなければいけない」状況も結構ベタ。ただ、1話でヨダカとヒロインのそれぞれの人となりを見せてくれているので、この2人はどうするのか、というのを見せるという点でいい回だったと思います。
潜入捜査をしている最中にインカムで指示を与えてくる味方の存在というのが「キルアオ」とかぶってるみたいなことを先週書いたんですが、今回の話を見た感じ、どっちかというと外してるのはキルアオの方なのかもって気がしてきました(そもそもこういうのはロボットアニメなどで見るパイロットとオペレーター的なやつだと思うのでかぶってること自体はそんなに気にしてない)。キルアオはいろんな事情が絡んだ結果、部下が指示をしてくる状態になってて、そこがちょっと独特だな……、と思います。自分が部下の側だったらすげえやりづらいだろうし。キルアオの話になっちゃった。
1話に引き続き、アクションシーンが日常の生活に隠れて行われているというのがわかりやすいし、ちゃんと見せ場になっているのがいいなと思います。「SAKAMOTO DAYS」も日常の中でのアクションという部分はあるんですが、本作はタイトル通り「忍ぶ」ことに重点を置いているので違う味わいがあります。
2話ではまだヒロインが狙われてる理由とかわからなかったので、そういう部分は3話なのかな。3話までに縦軸を出してきそうなので、3話はその辺りに期待。学園モノ+ほのぼの要素が強いので読みやすい。
アオのハコ
#165 お化け屋敷
文化祭編、匡中心の三角関係の方がメインになりそうでちょっとびっくりしました(さすがにここまでキャラクターを出しておいたらこっちをメインに解決するんじゃないかなと思ったことからの想像です)。
先週から今週の流れで私も結構この3人に関してもやもやすることが増えてきたので、このまま文化祭で決着ついてくれると個人的には助かる。また、三角関係って言っちゃったけど、菖蒲に告白してきてくれた方の男の子のことを普通に忘れてた。ごめん。
咲季の存在が匡や菖蒲の視点から見ると悪役に見えてしまうのは当たり前なので、読者である自分はあんまり悪い方に偏った見方をしないようにしようってずっと思って読んでたんですが……、さすがに今回の行動になってくるとちょっと……。これって意識して「悪役」的な描き方をされている?という気がしてきました。悪女とは違うけど、なんかそういう感じの……どうなんだろう……。ただこれ、菖蒲の存在がなかったら別に気にならなかったのかもしれないし、ちょっと難しいところですね。
なんとなく匡と菖蒲に関してはいい意味で中途半端なまま作品が終わるのかな~という気がしていたので、今回匡側からちょっと特別な感情がありそうに見えてきたのが結構意外。もしかしたら進展があるのかもしれないし、できればそうなってほしい。
もちろん咲季視点で匡が「一番信頼できる」っていうのは幼なじみとしてっていう意味で全然ありだとは思うんだけど、流れ的にちょっと……難しい……、のか!?でも、男女だからって「友人」を求めちゃいけないことはないはずなのでやっぱり難しい。そもそもその話って雛の時に出た話でもあるし、あえて視点を変えたら全然違うように見えるっていうのをやってるのかどうかも怪しいのでなかなか判断がつかないですね。
そしてそんな三角関係を尻目に千夏先輩と大喜の関係はいい感じだし、雛と晴人の関係も悪くない感じに。三角関係で傷ついた心が癒やされる。
呪術廻戦
第270話 夢の終わり
前回から始まっているエピローグですが、今回はよりエピローグって感じでしたね。それぞれの後日談っていう感じで良かったです。なんか、いい意味で「あってもなくてもよかった話」みたいなところが好きで……、そういう所がこれだけ大きな事件があった後でも日常は続いていくんだっていう描写としてすごくよかったと思うし、これからも続いていく呪術廻戦という世界にもう読者がに関わることはない(だから羂索のようなあの人が一体誰なのか、読者に知る由はない)、と感じられたのもよかったです。同時にめちゃくちゃ寂しくもあるんですが、すごく感情移入するほど近くなっていた作品と読者の距離が何気なくすっと離れていくような、そういう意味でのサブタイトル「夢の終わり」なのかなっていう気もしました。
まあ、そこまでメタ的なタイトルの付け方はしない気がするので、これは私の個人的な感じ方だったとは思うんですけど、すごく秀逸なサブタイトルだったと思います。
ラストは1年生たちの事件の調査と解決で終わりそうな雰囲気。本当にこれで終わっちゃうのかなって疑問になるくらいするっと話が進んでいて……、実はすごい事件だったとかどんでん返しがある感じでもなさそう。どこかで何かが違っていれば、虎杖たちはこういう風に(五条と一緒に)力を合わせてこういう事件を解決する呪術師だったのかもしれないなと感じさせられて、ちょっと嬉しいような寂しいような、なんだか切ない気持ちになりました。
語弊を恐れずに言うのであれば、世界最強であった五条ですら、世界に「いなくてはならない存在」ではなかったというのをここまでしっかりと描いている(本当のところは来週にならないとわからないですが)ところに、やはり芥見先生の思想みたいなものがあるような気がします。全ての命が等しく存在する(した)価値があるのと同様に、その重みは全て同じである、というようなラスト。
しかし、久しぶりに呪術廻戦で怖いなと思うイラストが出てきましたね。結構普通にびっくりしました。
僕とロボコ
第202話 アカネと神隠し
今回の呪術廻戦が久しぶりに普通に怖かったな~って思っていたら、その次のロボコまで怖い話だったからちょっと笑っちゃった。ロボコの怖い話の回ってマジでオチまで怖い回があるので、それだったらパスしようかなと思っていたんですが……。
なんかバスの中の時点でロボコが結構やりたい放題だったので、もしかしたら大丈夫かもと思って最後まで読みました。結果的に全然大丈夫だったんですが、怪異は普通に怖かったし、それに普通に対応してくるロボコも結構怖かった。
私もこれぐらい強い友だちが欲しい。
最後は「欲しいものの対価として欲しいと感じた気持ちを取られている」のでプラマイゼロになったみたいな感じ……?怖いという感情ををぶっちぎってるわけじゃないんですが、なんかちょっと切ないというか、やるせない気持ちにちょっとなるいい塩梅だった気がします。世にも奇妙な~っぽさ。
でもこれ、ロボコは覚えてませんか!?
魔男のイチ
第3狩 雷狐の魔法
試し読みがある3話まででちゃんと魔法を捕まえるシーンをやるっていうのはとてもいいテンポだと思いました。この辺のテンポ感、やっぱりやや「トリコ」なのでちょっと既視感があります(悪い意味ではなく)。これから繰り返しやっていくことを最初に見せておくっていうのは作品の指針を示す上でも重要だと思うし、かなり有効な手法だと思います。このストーリーの場合、魔法を捕まえるって所が繰り返しになるところをどう調理するか、というのが腕の見せ所っぽい気がしますね。
1話の時点で「魔法を捕まえる」って言ってるのにかなり物理的な罠を使って倒しているところが気になっていたので、この捕まえ方をする理由がちゃんと説明された上、主人公に紐ついた理由であることもわかったのがよかったです。せっかくのファンタジー世界観なのにこういう感じでいいのかな~と思っていたのが「なるほどね」という気持ちに変化する気持ちよさみたいなものがありました。
「素人だからこそ(先入観がないからこそ)わかる」の変形パターンだとは思うんですが、それが世界観とキャラクターにしっかりハマっているので安定感があります。また、その根底に「死対死」、「好き勝手をした分、好き勝手にされるのは当然」という考え方があるのもキャラクターの在り方を補強していていいですね。
キャラクターと言えば、イチとデスカラスが尖ってるせいでウロロが仕方なく魔法側から口出ししてくる辺りに結構笑ってしまう。パーティーバランスがいい。
次回は魔法都市的な場所へ。こういうハイファンタジー世界観で「その世界で最も栄えている都市」みたいなのが出てくる回って結構ドキドキする。
逃げ上手の若君
第172話 ストームブリンガー 1338
戦ではない回は説明の回になってしまいがちだと思うんですが、これに関しては歴史ものの宿命な気がしますね。そういう回でありながら、それぞれの武将との交流を通してキャラクターを出し、マンガとしておもしろく仕上げているところに先生の工夫や演出力の高さを感じます。
結城殿の「おじさん詰め合わせ」は普通に怖かったんですが、そういう抗えない性と作中でしっかり向き合って、時代が違えばただの大量殺人鬼であるというところをしっかり示しているところは個人的に好きでした。これに関しては他の武将や兵たちにも言えることなんだろうと感じていて、そういうことをしっかり背景として描いているっていうのがわかったのが良かったです。
そして移動中、海が舞台となると出てくるのはやはり魅摩。急に神力が増しているっていうのはとにかく不穏。結構ハラハラする引きです。個人的には不思議要素が強いバトルがこのマンガですごく見たいというわけではないところがあるため、ここでこの因縁に決着がつくといいな~という気持ちがあります。ただ、魅摩が助かる未来が全然見えないのでそこが一番不穏かもしれない。
カグラバチ
第50話 迎撃
妖刀の移動中に絶対一悶着あると思ってたんですが、意外とサクッと目的地にたどり着けてしまった。こういうシーンが一番ハラハラするので、無事に辿り着けてよかったです。何かが起こることにハラハラしているというよりは、問題が起こると誰かが責められるかもしれないってところでハラハラしてしまってるのかもしれない。
妖刀を移動して別の保管場所に行くっていうのはセキュリティ上どうなんだろうと思っていたところがあるんですが、「座村自身がかなり強い」というのがその行動に説得力を持たせているのがすごい。結構力技だと思うんですが納得せざるを得ない理由ではあります。妖刀の契約者になると妖術は使えなくなるっぽいのに強いって言うのはかなり期待できそう。そもそも、神奈備側としても防衛のために人材がばらけてしまっている問題があるって話を以前にしているので、勝てるのであれば人を集めてしまうこと自体はいいのかもしれないですね。
妖刀の契約者は基本的に「父親が刀を託した人間」なので悪人がいないことが前提になっているため、どうやって個性を出していくのかなと思っていたんですが(善人が前提になるのである程度方向性が定まってしまう)、座村は小さい頃にチヒロと会ったことがあるという点で個性を出してきました。こういう感じなら全然行けそう。
かなり時間がかかるのかな~、と思っていたハクリの妖術に関しても急に回復の見込みが出てきました。これは結構意外。ハクリの妖術が戻ってくるとチヒロ陣営が強すぎる状態になりかねないので、ここからどうするのかが気になります。もしかしたら「蔵」はちょっと制限付きになって帰ってくる可能性があるのかもそれはそれでちょっと賛否ありそうですが、そうでもしないと流石に強すぎる。
そして、カグラバチ名物の時間制限付き戦闘。個人的には勝負にメリハリがつくところと、読者視点で終わりがわかりやすくなるので結構好きな演出です。ここで終わりというのが分かった状態で始まるので、ちょっと詰将棋みたいなおもしろさがあるのかも。
ひまてん!
No.11 ひまりの後輩
このマンガ、タイトルの時点でヒロインが決まっているようなものだってずっと思ってたんですが(というか今も思っているんですが)、その状態からまたヒロインを追加してきたのはだいぶ強いなと感じました。
今回ちょっと気になっちゃったのが胸の強調シーン。こういうのを挟んでいくってことはお色気路線でもやってくってことなのかな~~~。私はちょっとそういうタイプのシーンが苦手なので、感想はそのあたりにはあまり触れずに書いていくと思います!ストーリー自体は結構気になっているので読み続けていきますが、あまり苦手になりそうだったらその時は無理しないようにします。
今回の女の子はライバルというよりはひまりを焚きつけるためのキャラクターっていう感じがするので、メインには食い込んで来ないのかも。早めにはっきり好意を向けてきたキャラクターの方が成功率が低くなる感じ、物語上仕方ないと思うんですが悲しいものがありますね。
ウィッチウォッチ
172 ヤムヤムヤミーの小悪魔クッキング
ニコの成長が遅かった理由が出てきたのに驚き。こういう形で理由を出してきたっていうことは、今後の成長スピードは早くなっていくのかも?ってこと?
ただ、成長スピードが早くなるとあっという間に中学生になってしまうし、中学生でやることと高校生でやることってマンガの中で違いを描き分けるのが難しいような気がするので(これは個人的な考えですが)、その辺りはどうするんだろうな~、と思います。小さくなっている理由が理由なので、一時的に大きくするのもちょっと違うかなという気がする。守人は今回も成長するニコを見て親の眼差しを向けていたんですが、これで本当に恋愛関係に戻ることってできる!?なんかもう娘だと思ってない!?
私はモイちゃんとニコがくっつくところがめちゃくちゃ見たいです。なんなら結婚式にも招待して欲しいくらい見たい(?)。
今回はチャミーというかスランプの回でしたが、テイスト的にはカンシ回に近いものがあってすごく面白かったですね。コメディーよりギャグ寄り。スタンドネタではなくあくまでスタープラチナネタを天丼してきた時点で笑ってしまった。
あかね噺
第127席 ムチャブリ
あかね噺ってずっとバトル漫画みたいだな~って話をし続けてきたんですが、そしたら本編でもついにバトル漫画になってしまって(?)めちゃくちゃ面白かったです。そういう文法で読んでたこと自体は問題なさそうですね。めちゃくちゃ面白かったし、また父が死んだことにされていた。生きてるからこそ使えるネタではある。
今までのあかねのテンションを考えると〝志ぐまの芸〟に関しても「いっちょやったろう!」ぐらいの感じで行くと思ってたので、ここまで落ち込んじゃうのは意外でした。明るいキャラクターの落ち込んでいるシーンってなかなか来るものがあるですが、こういう落ち込み方にもやっぱり個性が出ていて、キャラクターの知らない面を見るっていう意味ですごい貴重というか、良い回だったと思います。
もちろんあかねの立ち直りのために同じ目にあってきた兄弟子たちが励ましてくれるのも良かったし、そこに来た師匠に対してあかねが直接「水臭い」みたいなことを言える関係になっているのも本当にいい関係を築いてるんだなって感じられてすごくよかった。お祭り会とかもそうでしたが、心が温まる回が定期的に挟まってきますね。
夜桜さんちの大作戦
作戦243.夜桜太陽VS元旦
太陽と旦の戦いが1回決着つくとかないかも!!!
これが決戦になるかも!!!
一旦ここで戦いから引いて仕切り直しになると思い込んでいたんですが、もしかしなくてもならなそうな気がしてきました。サブタイトルではっきりVSって言ってるし……。その上で物語がしっかりラストに近づいてきているのも感じていて、そういう意味でもドキドキします。
現状、「①双子の出番」と「②アルファが見た不穏な未来予知」、「③長男長女の開花春来」が未回収なので、ここはやってから終わるんだと思うんですが、なかなかデカい項目が残ってますね。
それにしても、太陽を止めるための開花が長男の「無」というのは因縁を感じてよかったです。尊敬する義兄のものだからこそ受け入れることもできたのだろうかとか、色々思うところがあります。太陽と狂一郎の関係性って結構唯一無二性があっていい。
太陽の作成に関してはこの感じだと来週には出てきそうですね。テンポとしては早いほうだと思いますが、不足を感じるほどではないのでいい感じ。
願いのアストロ
第22話 〝零号〟プラント
エネルギープラントとかいうすごいでっかい施設が出てきたことにより、にわかにSF感が強まってきました。こういう施設が出てきたら研究者が出てくるのもお約束。それがキンパの亡くなった両親だったというのは意外でしたが、言われてみれば「なるほど」って感じもありました。ヒバルは勝手にキンパの家庭環境を他人に言ってたけど、それって大丈夫なのか!?ってところがちょっと気になりました。別に隠してないならいいんだろうけど、それにしてもすごいタイミングで言ったな……。
獅鷹や前回の警察が口にしていた〝暁鑛〟という存在が大きな鍵になるっぽいですが、詳細は不明。ただ、それが世剣で作られていた(?)というのはかなり大きな事件である気はします。また、兄弟たちが1番2番みたいな名前になったりならなかったりしてる中、プラントの名前がわざわざ「零」なのも気になる。鷹のセリフ的に、「これにどれだけの願いが……」とアストロと「願い」被りしているので、関係ないことはないだろうし。都市の一つを消せるぐらいって言ってるから人の願いをエネルギーにできるものみたいな感じの物質なのかも。それならここが「エネルギープラント」であるのも納得。ただ、これだとストレートすぎるかな……。
レリさんの能力は「時間を壊す能力」。過去が見られる能力っぽいですが、「時間を壊す」って文字だけを見れば「時間を壊して未来に行く」って解釈もできなくもない。直接戦闘能力があるアストロではなさそうですが、汎用性が高くて応用力もあるのでかなりあたりの部類の能力な気がしますね。
鵺の陰陽師
第67話 敵について
随分そのままなサブタイトルだ。祭祀刀については「現物は取られていないけど、コピーは持っていかれている」っていうのがどれだけのデメリットなのか気になるところ。そもそもコピーを持っていかれる可能性も視野に入れて警備すべきだったっていうのはあるかもしれないんですが、敵側にコピー能力があるかどうかわからない状態でそれをいうのも酷ってところはありますね。祭祀刀に調服以外にも使い道があって、それはできないように防いだっていうのであれば妥当かなっていうところはあるのでそっちだといいな~という気持ち。
順調に行くと2週間後には鏖との戦闘になるというのは思った以上に早い展開。もっと時間がかかる(年単位でかかる)と思ってました。火車の固有能力、「次元への超干渉」の詳細も気になるところ。
ここで陰陽寮の一番偉い人が出てきたのは好印象ですね。組織として「悪い」ものではないんだなというのが感じられたし、やっぱりダメなのは藤乃家だけなのかもしれない……。ここはそろそろ粛正されて欲しいんですが、権力構造的に無理なんでしょうか。
長から改めて正式に学郎に辞令がおり、気持ちを新たに修行の続き!というのはかりやすい。わかりやすいですね。ここに来て男性キャラクターの投入にどういう意図があるのかは不明ですが、これもちょっとめずらしい。この男性隊長が当て馬にならないといいなと思ってるんですが、なんかちょっとおもしろいし大丈夫かも。
キルアオ
page70 古波鮫シンVS百目鬼甚太
完全に歩兵どうしの戦いの会になってしまいましたね。ちなみにこれは私の読み間違いだったんですが、百目鬼側は別に殺し屋じゃないっぽい?この誤読に関しては、桜花の理論(銃社会にすること)に同意できるのは殺し屋ぐらいしかいないだろうなと私が思い込んでいたせいっぽいです。でも、みんなそう思うでしょ!?
シンはここぞという時はちゃんと強さを見せてくれるので印象はすごくいいんですが、やっぱりおしゃべりがノイズ(嫌いじゃない)。今回かっこいいなと思われたシーンでも実はおしゃぶりを投げている。相手もよくこれで冷静に対処できていると思います。しかもちゃんと自分でペアも用意しているという用意周到さがすばらしい。かっこいい気がしてきてしまって、すごく混乱しました。
とはいえ「おしゃぶりを咥えていないと平静でいられない」というのを自分理解しているところがすごいなと思います。自分が殺し屋だったらお喋り加えていないと平静を保てない時点で引退を考えます。そこをちゃんと冷静に自分の弱みとして受け止めた上、その対処法を自分で用意しているっていうのはもう本当にプロなんだなっていうのを感じさせましたね。こんなところで感じさせないで欲しい。
これだけ歩兵の方の戦いが激しければ見物人はそっちを見てればいいし、意外と行事として成り立っているんだなっていうがわかったのも面白かったです。ただし、騎兵の方はだいぶ暇だと思うので、やはり勝負としてこのルールは妥当なのか?もしかして武器なしで戦っててもよかったりする?(無法地帯になりそうですが……)
悪祓士のキヨシくん
第13話 メメント森の戦い
天才の若者2人とちょっと弱めのおじさん1人という組み合わせがなかなか面白いバトル。おじさんの方が落ち着いているのもバランスがいいですね。バトルものでこういう3人組を作ると男男女の組み合わせになりがちな気がするんですが、ここで男男おじさんになるのがらしい感じ。
年齢制限のギリギリまで試験を受けに来る人には何らかの事情があるだろうし、なかなか重い話になりがちだよなと思っていたところ、若者2人がいい意味であっさり受け入れたことで重くしすぎなかったのもよかったと思います。自然におじさんを応援する気持ちも生まれたし、若者2人が気持ちのいい奴らだなって思えたのも大きい。こういうところでまっすぐいい人路線である棺くんはキャラクター造形として令和寄りな感じがします。ちょっと昔のマンガだとこのポジションのキャラクターがおじさんにきつめに当たるパターンもそこそこ多い印象。
強めの魔物を出してもキヨシ・棺があっという間に倒してしまうせいで、試験受験者の中に嫌なやつがいる方向で来たのは納得。嫌な奴目線でも正攻法で勝てない相手に勝つ方法としては理にかなっているし、おじさんを人質に取るのではなく「3人中1人でも脱落したら全員脱落」というルールを利用しようとしてるところは頭が回るなと思いました。目の付け所は悪くない。
ただ、この試験のルールで他人を蹴落とすことに意味があるのかっていう部分がちょっと気になる。単にあんまり頭がよくないだけなんだろうか。
何気にここでおじさんの初めて試験を受けた時一緒にいたすごい強い人っていうのがどう見てもサカキさんだったので、そういう繋がりがあるのはシンプルにおもしろいなと思いました。
超巡!超条先輩
第31話 「ゴリラと巡査長」
個人的にゴリラネタが結構好きで(先日発売されたジャンプSQのカワイスギクライシスにゴリラ回があったよ、と友人から連絡が来るくらいには好き)、そういう背景もあって今回はすごく楽しめました。
普通に楽しんだので「そういえば今回の話って結構コピペ多かったよね」って話を聞いて、言われてみればってなるぐらいに普通にゴリラを受け入れてしまっていました。あのコピペゴリラたちを……。
本人のことを「本来見間違えるはずのないものと間違えたまま話が進んでいく」ギャグは結構定番だと思いますが、今回は本物が来たのに間違え続けるボケ通感しが良かったです。間違えられてる人がかわいそうになってしまと笑えなくなっちゃうんですが、ポンちゃんがそもそもめちゃくちゃ元気で、ゴリラと戦わされても勝つ気だったし、実際勝ったので「まあ大丈夫か」みたいな気持ちになりました。ここでポンちゃんに投げられたゴリラ側に被害がないことを示してるところはしっかりしていますね。
また、ゴリラ側にも入れ替わろうという意志はおそらくなかった、そういう「悪意がない話だった」ってところが読みやすかったです(そもそもゴリラの悪意ってなんだよという話ではある)。
アンデッドアンラック
No.223 RAGNARøK
このnoteでは掲載位置からの打ち切り予想の話はあまりしないようにしてたんですけど(感想を言う上であんまりそういうのって関係ないはずなので)、やっぱりこの状況になってくると不安ではあります。先週までも急展開ではあったんですが、今回の流れまで来ちゃうと本当に大丈夫!?って気持ちになってくる。
ただ、本当に打ち切りになるかもっていう状況なのであれば、もう少し前から話を調整してる気がするし、さすがに先週から今週までで進みすぎな気はちょっとしていて……。実際ルナに対してソウルが反発しているシーンも入っていたので、ここからもうちょっとマスタールールについては出番が出てくる可能性も0ではないのかなという気はしています。どうかそうであって欲しい!!!
しかし個人的にこのマンガで一番楽しみにしていたのが「リメンバーによってみんなが記憶を取り戻すところ」だったので、その部分がないままラグナロクに入ってしまったのは驚いているし、ちょっと残念な気持ちもあります。戦いの最中に使う可能性もゼロではないとは思っているので、そのあたりがどういう風に描かれるかが本当に気になるし、やはり心配。
妖怪バスター村上
第14話 ヘンゼルとグレーテル
今回はもはやテーマが妖怪ではなくなっていましたが(結果的には妖怪だった)、逆に面白ければいいっていうスタンスが感じられて良かったです。
童話パロディは妖怪よりもメジャーなネタだと思うんですが、見たことのない角度からの魔女のいじりが入っていて、この年になってから新しい角度からヘンゼルとグレーテルが見られたのがかなりよかったです。観光地になるお菓子の家初めて見た。このいじりっていうスタンスに好き嫌いがあるのはわかりますが、個人的には好きライン。
しかし村上君が言っている通り、いくら追い詰められていると言ってもグレーテルの「魔女をかまどに押し込んで焼き殺そう!」というのはなかなかアグレッシブでインパクトがある提案。あのテンションだとちょっと怖くなってしまった。
少年ジャンプ2024年44号 予告
表紙・巻頭カラーはアニメが始まるアオのハコ。やはり大きいのは呪術廻戦の完結ですね。大々的にカウントダウンを行った作品の最終回……。楽しみですが、同じくらい寂しいです。
2024年9月30日 発売
表紙 :アオのハコ
巻頭カラー :アオのハコ
センターカラー :呪術廻戦
センターカラー :鵺の陰陽師
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