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21年マイルチャンピオンシップを振り返る~記録にも記憶にも残る歴史的名牝~

木曜のことだ。

マスクは仕事上各陣営のコメントなどが手元に入ってくるが、マイルチャンピオンシップの、とある1頭の陣営コメントに目が留まった

怖がりだから距離が延びる今回は控えて競馬してみようと思う」サウンドカナロア陣営のコメントだった。

今回のマイルチャンピオンシップ、出走馬で前走逃げていた馬は3頭いた。最内のホウオウアマゾン、そしてロータスランド、サウンドカナロア。

ロータスランドは裏話に書いたように、前に馬がいないと集中しないタイプ。富士Sは逃げてしまい大敗したことから、今回控えることが伝えられていた。そこに、サウンドカナロアの控える宣言さ。

え、逃げ馬ホウオウアマゾンしかいなくね?そう思った。

ホウオウもハイペースで飛ばすような馬ではない。この時点で、ある程度スローペースになることは決まったようなもの。

しかも金曜の枠順抽選で、シュネルマイスター、サリオスといった荒れた馬場の合いそうな馬たちが内枠を引いてしまった。

そして、引退レースとなる女傑の中3週。戦前からとにかく考えることが多かった今年のマイルチャンピオンシップを一つ一つ振り返る。

●マイルチャンピオンシップ 出走馬
白 ①ホウオウアマゾン 坂井
桃 ②クリノガウディー 岩田望
黒 ③シュネルマイスター 横山武
水 ④サリオス 松山
赤 ⑤サウンドキアラ 武豊
青 ⑦インディチャンプ 福永
黄 ⑨グレナディアガーズ 池添
茶 ⑩ロータスランド 田辺
緑 ⑫グランアレグリア ルメール
橙 ⑬ダノンザキッド 川田
灰 ⑭リプレーザ 幸

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スタート後。ほんの些細な動きなんだが、赤サウンドキアラがちょっとだけ外に寄った。

これ自体は競馬においてよくあることだ。スタートでみんな真っすぐに出て、真っすぐに走るなんてことはない。

サウンドキアラがちょっと内に寄ったことで、水サリオスもそのアオリを受け、内に寄った。こうなることで黒シュネルマイスターの進路がちょっと狭くなる

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確かに元々のスタートもサリオスのほうがちょっと速かったんだけど、スタート後のポジションが、サリオスの後ろにシュネルマイスターという形になってしまったんだ。

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するとこういう形になる。

ポイントとなるのは開催7週目だった点だ。予想にも書いているが、3カ月開催が続くことからAコースが2カ月間続く。おかげで内ラチ沿いがだいぶ荒れている

黒丸で囲んだ部分だ。みんな開けている。黒シュネルマイスターとしては、そのまま水サリオスの真後ろに入りに行くか、内に入って白ホウオウアマゾンの後ろに入るか、選択肢は大きく分けて2つある。

仮に内に入った場合、荒れた内ラチ沿いに押し込められる可能性もある。そして逃げているホウオウアマゾンが垂れてきて、進路がなくなる可能性もある。

このレース自体はスローペースだったが、この時点でまだペースがどうなるかは分からない。ホウオウが垂れてくる可能性を考慮するなら、サリオスの後ろを選ぶのはごく自然な流れだ。

ただここでサリオスの後ろになってしまったことにより、シュネルマイスターはレース後半で少々後手に回ることになった

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一方、外に目を移すと黄グレナディアガーズが思い切り掛かっていた。正直、今回のパドックで一番良かったのはグレナディアガーズだった。脚の運び、背中の動き、どれを取ってもいい。

それだけにもったいない。池添がレース後Twitterで「返し馬の雰囲気やゲート裏までは落ち着いていて凄くよかったです。でもレースでは壁も作れず、力んで走らせてしまって上手く乗れなかったです…」と書いているように、実際返し馬も落ち着いていて、ギリギリまでいい雰囲気を維持できていた。

それだけに枠の並びというか、メンバーが痛かった。スタートを切った後に逃げ先行馬が少なすぎて、グレナディアガーズの前に誰もいない状況が生まれたことにより、我慢できずに引っかかってしまっている。

例年並みに先行馬がいればまた違ったのだろうが、こればかりは言っても仕方ない。不運としか言いようがない。

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グレナディアガーズが掛かっている後ろに注目すると、橙ダノンザキッドの真後ろに緑グランアレグリアがいる。グランはスタートで変な体勢で出てしまったことでやや後ろからになってしまった。

先週のエリザベス女王杯で『ターゲットがいない』という話をしたと思う。

21年エリザベス女王杯を振り返る~実力馬の弱点が引き起こした大波乱~
https://note.com/keiba_maskman/n/n7a0b61e29033

川田、福永が不在で、目標になる上手い人がルメール、武さんなど数少ないという内容の話だった。

金曜、枠が出た時にマスクが気になったのは、グランアレグリアとダノンザキッドが隣同士だったことだ。前走のポジションからグランの真後ろにダノンザキッドがいると予想していたんだけど、逆の形になってしまったんだ。

ただグランにとって幸いだったのは、前がダノンザキッドだったこと。川田は不用意な動きをしない。これが前が実力が足りない馬だったら、グランは後方で動けなかった可能性がある。

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この合流地点で動きがあった。

一つ上の写真と比べてほしい。黒サリオス(すまんここだけミスって、サリオスに黒をつけてしまった)の真後ろに、青インディチャンプが入り切っている。

一つ上の写真では、シュネルマイスターが入るか、インディチャンプが入るかのどちらかという状況だったのに、シュネルが動かなかったことでインディ福永が動き、サリオスの後ろを取り切ってしまったんだ。

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内回りとの分岐点を横から見るとこんな感じ。最初はほぼ同じポジションにいたんだけどね。

もちろん青インディチャンプのほうが機動力があるのだが、黒シュネルマイスターは半ば強引にでもサリオスの後ろをキープしておかないといけない局面だったと思う。

何せサリオスの真後ろを確保しなければ、シュネルマイスターの前はホウオウアマゾンとクリノガウディーだ。本当に伸びるのか分からない2頭の後ろより、まだ伸びる可能性のあるサリオスの後ろに入ったほうが絶対に安全。

武史はレース後「結果的に言えば外差し馬場だったので、外枠が欲しかったですね。与えられた枠でやるのが競馬なので、内枠なりにロスなく道中は運んで直線は外に出すことが出来ました」と話している。

内枠が当たった時点で道中溜めに溜める作戦に切り換えたのだろう。それはそれでありだと思うのだが、この並びを考えるとサリオスの後ろにいたほうが安全。

特に今回は誰が逃げるのか分からない、スロー濃厚な状況。進路の選択肢を増やす意味でも、インディの脚を消す意味でも、武史はサリオスの後ろを取りに行く局面だったのではないかな。実際最後の最後で影響が出てくる。

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3コーナー前。ここである程度の隊列が見える。先行した黒サリオスの後ろに青インディチャンプ、赤サウンドキアラの後ろに橙ダノンザキッド、その後ろに緑グランアレグリア。

ダノンザキッドの川田がよく考えられた騎乗をすることは、回顧をよく見ている人間は分かると思う。さりげなく内に寄せて、サウンドキアラ、つまり武さんの後ろに入った。

その後ろにグランアレグリア。この時点で阪神の外回りマイルに武豊線が開業する

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今回のマイルチャンピオンシップ、何が凄かったかって、ルメールが冷静過ぎたことだ。

確かに、3コーナーの時点でサウンドキアラ武豊→橙ダノンザキッド→緑グランアレグリアとうまい感じでラインはできていた。ただ、ペース自体は遅い。

●21年マイルチャンピオンシップ ラップ
12.5-11.2-11.9-12.0-11.7-11.1-10.7-11.5
前半600m 35.6

※昨年のマイルチャンピオンシップ
12.5-11.0-11.4-12.0-11.6-11.0-10.8-11.7
前半600m 34.9

昨年のこのレースより0.7秒も遅い。ちなみに日曜4R、アストロフィライトが勝った牝馬限定1600mの新馬戦は、前半600mが35.6。新馬と同じレベルのペースだった。

普通これだけ遅いペースで、人気を背負って後方にいたら焦るよね。強引に捌きに行ってもおかしくない。

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緑グランアレグリアが前を捌くには、茶ロータスランドを超えていないといけない。

両サイドには灰リプレーザと橙ダノンザキッド。捌けるようなスペースはない。

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しかも灰リプレーザは結構しっかり締めていたんだよな、緑グランアレグリアのことを。茶ロータスランドが早めに動いて前を潰しに行ってくれればグランとしては楽なんだけど、ロータスランドにまだそこまでの力がない。

この形で、仮にロータスランドが下がってきたらグランアレグリアはもう終わり。普通だったら焦る。

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しかしルメールは焦らない。スローペースの分前のロータスランドの手応えが悪くないこと、そして隣の灰リプレーザがペースの急加速についていけないと見て、ずっと動き出しを待っているんだ。

前が人気馬でもなく、外から締められて焦るところでこの落ち着き。怖いくらいだよ。

逆にダノンザキッドはずっとサウンドキアラの後ろにいて、サウンドが上がっていけないものだから進路がなくなっている。

まー、難しいところだよね。サウンドの後ろを外れても前はロータスランド。GIを勝てるような実力を秘めているかというと、正直疑問。どちらの後ろに付くかってなったら、やっぱり田辺より武さんだと思う。

結局並びが良くなかったんだよな。近くにサリオスがいたらもっと組み立ては楽だったと思う。ところがサリオスは内枠を引いてしまって、ダノンは13番。後ろに入れるような状況にない。

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一方その水サリオスの後ろはというと、完全に青インディチャンプ福永が確保してしまっている。

この形になってしまうと、インディが動かない限り、その後ろの黒シュネルマイスターは動けない。ここで、先ほどの3コーナー前の展開の話が関連してくる。

3コーナー前でサリオスの後ろをシュネルマイスターが確保していれば、このような形にはならなかったのだ。インディチャンプを間に挟んでしまったことで、シュネルはスローなのに自分から動けないポジションに入ってしまった

今回、レース後にTwitterで「武史はワンミス」と書いたのだけど、マスクとしては、やはりサリオスの後ろは確保しておいたほうが良かったと思う。道中の行きっぷり的にも若干難しかったようには思うけど。

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直線を向いて、その影響が出る。

黒シュネルマイスターは直線を向いて、一応前が1頭分空いていた。一応入れなくはない。ただ、右斜め前にいるのが桃クリノガウディーだった点がネック。

というのもクリノガウディーは直線で左側にモタれる悪癖がある。過去に散々やらかして審議、降着まで経験している馬。癖がなければ文字通りGIを勝っていた。たぶんガウディーが左にモタれるのは武史も知っている。

仮に左にモタれ始めると、この1頭分開いたスペースは閉まってしまう。武史も簡単に突くことはできない。

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実際桃クリノガウディーは、望来の右腕が伸びていることから分かるように、自分から見て左にモタれている。すでに進路をふさぐ形になっており、やはりこの部分は開かなかった。

ただ黒シュネルマイスターを見ると、こちらも武史が左腕を引っ張っていることが分かる。シュネルマイスターも若干モタれていた

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ここで追いづらかった影響もなかなか大きい。

黒シュネルマイスターは武史が矯正しながら追っていたことで、1頭分だけ開いた青インディチャンプと水サリオスの間のスペースも突けず、更に外に流れてしまった。

仮に3コーナー前でインディチャンプのポジションに入っていれば、こんなに進路に悩むことはなかった。現実インディチャンプはまるで詰まらず直線向いているからね。武史だったらもう少し攻めると思ったんだが。

ただし、逆に言えばこれでも2着を取れた、とも言える。正直苦しいポジションで、しかもモタれながらも直線強引に抜け出してきた。

毎日王冠のように道中進まなかったりする時があって、まだ絶対に安心というタイプではないが、グランアレグリアがいなくなるマイル戦線の中心はこの馬。種牡馬としての期待がとにかく大きい馬だけに、あと2、3つタイトルを積みたいね。

聞いている話だと、来年はドバイを予定している。血統的にも楽しみだね。安田記念も楽しみ。

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一方外はというと、橙ダノンザキッドの進路が一瞬閉まりかけていた。赤サウンドキアラが左にモタれてしまったことで、黄グレナディアガーズとの間のスペースがなくなりそうになったんだよね。

ところが、サウンドキアラに乗っていたのが武さんだったことが最後に効いた。モタれ始めてから武さんが矯正して、なんとか過度にモタれないようキープしたんだよね。

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おかげで赤サウンドキアラの外側は1頭半分開いたままになり、そのスペースを橙ダノンザキッドが突くことができた。武さんの後ろだとこういう恩恵も受けられることが改めて分かるシーンだったよ。

そもそもダノンザキッドはパドックからテンションが高かった。返し馬でもテンションが高く、輪乗りでは発汗。以前皐月賞でもこのような感じになっていたから、一瞬ヤバいと思ったんだけどね。

皐月賞と違って、適条件のワンターンのマイルだったことも効いたんだろう。これがもし一周競馬だったら、皐月賞のような自爆もありえたと思う。テンションをキープした調整が続いてこの状況。もう少し気性面の成長が欲しい。

師は「2000mまではもってほしいと思います」とレース後話しているが、現状ではなかなか難しい。上のミッキーブリランテも使いながら短距離にシフトしてきたように、今後も気性との戦いは続く。


4着インディチャンプはほぼ完璧な騎乗と言っていいだろう。さすが福永といった内容で、先週のエリザベス女王杯にもいてほしかった。

サリオスをターゲットとした騎乗、馬場のいいギリギリのところを踏んで回るなど、正直これ以上ない乗り方だったと思う。上がり32秒台近い脚が問われる展開はマイナスだったね。本来もっと流れてより良さが出る馬

完璧に乗られて4着と若干の衰えは見られるが、もう少し流れるであろう香港マイルでも抑えておきたい。相変わらず馬群も上手い。叩いてもう一つ上の状態が望めるだけに、侮れない存在だ。

5着ホウオウアマゾンはスワンSの内容から、『スワンより溜めを利かせて脚を伸ばす』イメージで乗られたのだろう。ただ前半3F35.6はちょっと遅過ぎたのではないか。

最後直線で一度交わされたサリオスを差し返すしぶとさを見せたが、つまり直線それだけ余力があったということで、35秒くらいで入ってしぶとさを生かしていたら、この馬の着順も、インディチャンプの着順も変わっていたのではないか。

まー、タラレバだし、今更言っても仕方ない。パドックは素晴らしかった。思わず買い足したほど。更に2kg増えていたが、成長分。春とは体型が違う。今のペースで成長していけば来年いきなり重賞勝っちゃう可能性もある。担当さんも大ベテラン、退職も近くなっているだけに大きなタイトルを獲ってほしい馬だ。来年、阪神開催のマイルCSでもう少し内がマシなら。


6着サリオスはちょっと扱いが難しい。体重は増えてはいたが、身体自体はできていたし、さすがに今年トップクラスには良かった。ただ、過去イチ、パドックのテンションも高かった

今回ブリンカーを着けて臨んだ影響も大きい。加えて松山が「あまり行く馬がいなく、少し押し出されるような形になりました」とレース後話しているように、内枠で競馬の選択肢が少なかった。

控えるという手もあったとは思うが、スロー濃厚メンバーで後ろから行っては勝てない。ゲートが決まった時点であのポジションは致し方なかったと思う。せめてもう少し外目の枠からジワっと行けていれば違ったと思うが、まー、枠順は選べないからね。

しかもブリンカーを着けている分、また行きっぷりもいいんだよな。着けなかったらあそこまで進まなかっただろう。ただ、試行錯誤が続いている現状、何かを変えないといけない。攻めないと大きなレースは勝てない

上手く厩舎の方で仕上げてくださり、状態も上向いていました。なんとか結果を出したかったのですが」と松山が言うように、状態の維持が非常に難しい馬。ポテンシャルはあと2、3つGIを獲れる馬なのだが、右トモの慢性的な不安など、身体面が難しすぎる。心身共に揃えて、好枠を引き当てる、これがいかに難しいことか。

正直な話をすると、松山とのコンビはもう底が見えてしまっている感じはあるね。松山が乗れる、いいジョッキーであることに異論はまったくないが、ことサリオスという馬を考えるとそろそろ乗り変わっていい頃合い。コロナがなければねえ…間違いなくいい馬だけに、もどかしい。

7着ダーリントンホールは適性が見えたね。富士Sも悪い内容ではないが、スローの上がり勝負だった今回、ある程度食らいついた内容は評価できる。ちょっと上がりが掛かるレースに強いマイラーだろう。

東京新聞杯は前後に雪が降ったりすると重くなりやすい。変な枠じゃなければチャンスがあるだろう。京都金杯も来年は中京。内枠引ければ面白い。だいぶこの馬が掴めてきた。

年末から来年にかけて狙いたいのはケイデンスコール。気温が寒くなるほど動きが良化する馬。調教を見ていても、パドックを見ていても、もう一段上がある。安田の夏負けが尾を引いてしまっているが、もう1つ、2つ上の状態がある。

陣営が距離を詰めることを示唆しているように、たぶん京都金杯ではなく阪神C、そして阪急杯を狙ってくるパターンじゃないかな。狙いは短縮一発目。もう少し状態が上がれば。


さて、今日の最後に取り上げる馬は、ここまで話が出てきていないグランアレグリアだ。

関東所属として、色々な思い出を作らせてもらった馬。正直そんなにいい歩様ではない馬で、桜花賞前の調教帰りにスタッフさんに「ケガしてない?」と聞いてしまうほど。それでいてあの圧倒するような走り。こんな馬もいるのだなと、マスクも多くを勉強させてもらった。

蹄はもう限界。2歳から5歳まで走り続けて、数はそこまで使ってないものの、使ってきたのは激しいレースばかり

中間は香港遠征させたら出走を止められる可能性があるレベルの硬い歩様。今日のパドックは天皇賞よりは全然良かったが、それでも一番良かった頃に比べるとまだ硬い。そんな状態で上がり3F32.7を繰り出して勝っちゃうのだから、歴史的名牝

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これは今回の直線。大外から伸びてきたグランアレグリアが、左ムチが入った後に内ラチ方面に切れ込んでしまった。ルメールが右ムチを叩いて戻そうとしている。

過度な不利を与えなかったことから裁決には問われていないが、相当苦しかったことは伝わってくる。

中間、とにかくカイバを食わせこんで輸送を乗り切り、ラストランということで蹄に負担の掛かる装蹄で、もう次がないことを念頭に置いた仕上げ

天皇賞で蹄をぶつけて歩様が硬く、本当にマイルチャンピオンに間に合うのか疑問視されたくらいの状況から、よくここまで戻した。これが全国リーディング12回の名門藤沢厩舎の底力なのだろう。馬にも、厩舎にも、伝説を見せてもらった。

たぶん相当反動が出ただろうし、まずはゆっくり休んで繁殖生活に備えてほしい。圧倒的なスピードがどう産駒に伝わるか、楽しみでならないね。

思い返せば、藤沢厩舎初めてのGIタイトルも、マイルチャンピオンシップ。シンコウラブリイの引退レースだった。奇しくも日付は11月21日

グランアレグリアが引退レースとなったのも、11月21日のマイルチャンピオンシップ。つくづく競馬とは不思議なドラマだよ。

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