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〇〇との突然のお別れ

2019年、あなたはどんな1年を過ごしていたか覚えていますか?
正直、僕は覚えていません。

覚えていないという事は、
多少の浮き沈みを抱えながらも、
いつも通りの1年を過ごしていたことを意味します。

そんないつも通りの2019年12月・・・

突然、

突然中国で、
新型コロナウイルス感染者が報告されました。

この時はまだ世界的なパンデミックになるなんて
全く想像もつかず、

『へ〜』

と他人事な感覚でその年のお正月を
こたつに入りみかんを食べながら過ごした事を覚えています。

しかし翌2020年

新型コロナウイルスは今までの流行り病とは
明らかに違う動きを見せました。

1月には初めて日本での感染者が確認。
そこから急速に拡大。
2020年4月には国内初の緊急事態宣言が発令されました。

これまで生きてきた中で、
緊急事態宣言など聞いた事がなかった僕は、

『この先どうなってしまうんだろう・・・』
と不安を抱きつつも

『まぁ、来年くらいには元に戻るでしょ』
と楽観的に考えていました。

でも本当は
楽観的に考えていないと
不安に押しつぶされてしまいそうだったんです...


〜オープンして9年〜

2011年お4月のオープンから2年間は閑古鳥が鳴いていました。
来る日も来る日も予約帳はスカスカ。

当時はネット予約なんてものは広まっておらず、
電話予約が中心の時代。

電話機が故障してるのでは?と思い
自分の携帯からお店にかけて
電話が繋がるか確認するほど、

あまりにも電話が鳴らない日々でした。

スタッフにお給料を払うため、
数枚のカードローンを上限まで利用した月もありました。

それでも毎日コツコツと、
真剣にお客様と向き合い、
何をすれば喜んでもらえるかを必死に考え、
少しずつお客様との関係性を築いてきました。


こうして、

ご来店して頂けるお客様とスタッフ。
皆さまのおかげでなんとか9年間
守る事ができていたお店ですが、

緊急事態宣言の影響は大きく、
オープン直後を上回るほど、
客足は遠のきました。

このままでは続けていくことができないかもしれない…

私たち美容業界に政府からの
補助金や給付金はほぼありません。

それでも固定費などの経費は変わらずかかります。
お客様が来ない事はお店を運営できない事と直結します。

この時初めて、
これまでの日常とのお別れが突然訪れた事に気が付き、

この先これからもやっていけるのかと、
不安で不安で夜も眠れない日が始まったのです。

正直、ある程度の安定がある
会社員を羨ましく思う日もありました。

『まさかこんな日が来るなんて…』

こう思ったのは僕だけではないと思います。

それでもお客様と一緒に守ってきたこの店を
簡単に潰すような事はしたくない。

この時の僕は、とにかく緊急事態宣言が終わるのを
ただひたすらに待つ事しかできませんでした。

緊急事態宣言が終わったら日常がきっと戻ってくる!!

そう信じていないと心が保てなかったのです。


この時の僕はまだ

その先さらにやってくる
残酷な現実が押し寄せてくる事を知らなかったのです。

つづく・・・


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