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クリスマスなんて嫌いだ。と思っている話。

街はイルミネーションに飾られ
この時期特有の音楽が流れている。

ラジオからはクリスマスのおすすめ情報や
リスナーからのクリスマスについてのメッセージを読み上げていた。


私は、そんなクリスマスが嫌いだ。


陽気に浮かれたり
楽しんだり。
それはそれで楽しむのだけれど

根本的に、心のなかにある気持ちは
そうじゃない方が多くを占めているかもしれない。


子どもの頃。

ホントに小さい時は
父と近所のおもちゃ屋さんに行き
ファミコンのソフトや、当時流行った
「ゾイド」などをせがんだ。

ある日
母が家を逃げるように出ていった。
私はまだ小さかった弟の面倒を見ながら
母のもとへ。

母は私たちのために昼も夜も働き
私は家の事をやりながら
弟の面倒を見ながら
中学、高校を過ごして

毎年、周りがこの季節に浮かれている頃
私のところにはサンタクロースは来なかった。

母が深夜に帰ってきて
冷蔵庫にケーキをしまう。

母が日中からいた時もあったかな。
ケーキだけは食べていた気がする。

でも、本当にそれだけで良くて。


大人になったら

結婚して、家族を持って
子どもに自分がサンタさんだって気付かれないように
そっとプレゼントを置く。

朝になって、喜ぶ子どもの顔を見て
にやにやしていたい。

そんな、ごくごく普通の事を夢見ていて。

自分がそうじゃなかったから
そうしてあげたいって、そう思っていました。


でも、人生って時に残酷で

我が家には子どもを授かることができなかったのです。


クリスマスではしゃぐ子どもたち。

SNSで家族と一緒にクリスマスを過ごす写真を投稿する友人たち。

子育てが大変で
毎日泣きそうになるけれど
子どもの寝顔を見ると
やっぱり癒される。

うん、そうだよね。
大変だよね、がんばってるよ。
きっとさ、その愛情は
この子が大人になったら、きっとわかる。
だから今は愛情しっかり与えて
かんばろうね。

そう声をかける自分がいたり。

もちろん、それが悪いと言っている訳ではないのです。

それぞれの楽しみ方、価値観、そして人生観がある。

そのSNSを見て
話を聴いて、励まして

心が少しだけチクッとする。
そんな自分がいるだけ。


自分が楽しく過ごせなかった子どもの頃のクリスマス。

大人になればその記憶さえ上塗りして
楽しいと思えるクリスマス。

それが叶わなかった今

それでも私は幸せです!って
子どもの頃の自分に言える?

きっと、別の意味で幸せかもね。

そんな答えしか浮かばないけれど
それはそれで良いのかな。


それでもやっぱり
クリスマスは嫌いだ。


きっと心のなかでは
消えない種火のようにくすぶっているのだと思います。




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