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切実さに触れたとき人の心は動く

例えば3年前の貴婦人ドレスの撮影を、スタイル抜群で美しい彫刻のような造形のモデルさんに頼んでいたらきっと私の真意は伝わらなかった。

その歌は、たとえヘタクソでもあなたが歌うから響くのであって、レディーガガの圧倒的な歌声ではきっと伝わりきらない。
しかしレディーガガの素晴らしさは世界トップレベルに違いなくて、だから、良い悪いや、上手い下手で何かをジャッジする話ではない。

ヘタクソな歌でも、自分だから伝えることができるものを根底に持っているか?空っぽなのに技術ばかり磨いたって何も響かない。

少なくとも、虚構メルヘンを終わらせてすべて回収し、新たな扉を開こうというその決意で人の心を動かすことは、私にしかできなかったはずだ。相手がほんの数人だったとしても。

photo by kizashi ikeda


来春に開催を目指している個展のために全神経を注ぐことはもう決めた。
私の作品をあなたが好きか嫌いか、何で判断されるのか、そんなことには興味がない。
結果ひとつも作品が売れず、全然売れてないねと言われたとしても私はきっと傷つきもしない。
この言葉のどのくらいが強がりかはさて置き、それくらいの切実さをもって挑む。
私が私を生きていく上で選んだ覚悟として。

当たり前だけれど、いい作品を作るということが全ての大前提にある。言うことばかり一丁前で何もかも伴っていないというのは、悔しい。

あの日の自分の背に恥じないようにただ積み重ねていくだけだ。

#calling #個展 #エッセイ

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