読書感想文〜これが麻雀実況者の生きる道 日吉辰哉の超実況〜
誰よりもMリーグと麻雀プロを想う男
今回はダイレクトに感想文に入っていこうと思う、前置きや色々話すことも面白いが、本の良さを伝えるならこっちの方が良いと感じたので試してみる。次回作で普通に前のスタイルでやってるかもしれないが、ちっちゃいことを気にするやつはスターになれないぞ!?というスタンスでやっていきますのでよろしくお願いします笑。
日吉辰哉。今や麻雀の実況者で最も有名な人材と言っても過言ではなくなった実況兼麻雀プロだ。彼が実況をするようになって麻雀界は変わったと思う。少なくとも映像配信麻雀対局の良い影響にしても悪い影響にしても麻雀界で最も影響をもたらした人材で間違いないだろう。
自分が昭和気質な部分もある人間だからかもしれないが、譲れるところは譲り、守るべきところは守る。そんな彼の性分も好きだったりする。やっぱり、なんでも良いよ良いよは違う気がするから。
彼の実況はもはや実況と呼べない時もあるのだが、それがファンや新規の人を惹きつける。声も良いし、基本的に聡明な人だと思っている。彼は賢い。分かってやっている節がある。自分が矛先になればプレーヤーを守れる、矛の威力を弱められるという事も含めて盾になることも辞さない一方でプレーヤーを立てることも出来る。
一般的に実況というのは公平に目の前で起こっている現実を言葉で伝えることが求められる。でも、麻雀においてはそれも必要事項だがそれ以上に日吉さんがやっていることも非常に大切な事なのだ。
何故か。
文化の醸成が出来ていなくて非常に民度が低い。伊達さんの本でも日向さんの本でも書いたがAbemaTVの麻雀のコメント欄は本当に閉鎖した方が世のため人のため。だと感じるからだ、本当にトー横キッズの界隈と大差ない。そんな治安度の中では日吉さんの存在というのは何よりも大きなものとなっていると個人的には思う。言って良いことと悪いことがあるというレベルを超えていることが多い。最近はやっとAIで本当にまずいコメントは表示されなくなっているそうだが、それでも酷い。神視点で見ることに慣れすぎていて自分が神になっている感覚に支配されているのかなと思ったりしてしまう。
そういう状況の中では日吉さんのやっていることは決して間違っていないと思う、テレビの実況などとは環境が違いすぎる。日吉さんはMリーグとプロ雀士を誰よりも大切に持っている非対局者だと個人的には感じている。
麻雀と年齢の話
麻雀は運が介在するから年齢は関係なく打てるという人も居るが、頭脳スポーツはそんなに甘いもんじゃない。将棋よりは確実にトップレベルにいられる年齢は高いが、それでも50歳前後までだろう。相手のことを読む技術は蓄えられても、瞬間的なワーキングメモリーは衰えていく。電話口で電話番号や住所を言われても暗記出来た人が年を重ねたらメモしないと出来なくなるのが代表例だ。
これに関しては異論はあれども、自分が医療職で認知症関連の評価テストを担当して来た人間としての実感と数多く読んできた論文や症例発表、学会などでのリサーチに基づく個人的見解なので異論を理解はすれども、考えを改めるような納得出来る材料がなければ見解を改めるつもりはない。意味記憶や手続き記憶は保たれても短期記憶がアルツハイマー認知症で障害されやすいのも同様の意味だと個人的に考えている。
つまりは脳の限界が年齢を重ねたら近くなって来る。前は100の情報を仕入れて80を理解して70を行動に移せたものが仕入れられる情報が70になり55を理解して行動に40移せるのが限界になるわけだ。
だからこそ指し盛りという時期がどうしてもある。人間である限りは。あれだけ強い小林剛だろうと多井隆晴だろうと、あの年齢まで行くと自分の最高値は今、ここから先は落ちていくという時期に近づいている。もしかしたら彼らでは考えられないケアレスミスをしでかす時も出てくるかもしれない。
元々麻雀の力が1000の人が800に落ちても一般的な人や愛好家ではせいぜい100とか200。だから長いことやれば能力落ちても強い人が勝つから目立ちにくいが、Mリーグのようなみんなが凄まじいレベルの中だとどうしても目立ってくる。強かった自分を覚えているからそこに戻りたくなる。それが人間心だと感じる。
だが、日吉さんはそういう考え方ではなかった。目立ちたがりだったから、何でもどこかで目立てればそれが良いという考え方。ある意味、執着がないとも言えるが、自分の麻雀力とその後の展望という意味では素晴らしい判断になったのではないかと思う。
これが「愛好家」なら僕も絶対に楽しんでやってもらえる方がいいと思うし、実際に患者さんにそう勧めて来たことも山のようにある、一方で、トレーナーとしてアスリートと関わるときはすごくシビアなこともストレートに伝えたこともある。立場が違えば言わなきゃいけないことや考えなきゃいけないことも変わる。「プロ」ってそのくらい重い言葉だと僕は思うので、方針転換を決断するそのメンタリティは非常に素晴らしいものだったと思う。
まだまだ色んな場面であの実況を聞きたい
サッカーの松木さんなどに代表される声を張り上げる系の実況は正直あまり好きじゃなかったし、実家でMリーグを見てる時は麻雀歴55年の親父がウルセェと言ってた実況が今となっては無くなると困るというか言葉から感じられるいい意味でのエネルギーが心地良くなる。
それはボリュームを超えた日吉さんのエネルギーが視聴者に届いているからこそ情勢が変化したのだと個人的には思う。これからもいろんな場所であの実況を聞きたい、特に麻雀やろうか悩んでる人には一歩踏み出す勇気にもなれる気がする。
終わりに
いやー、読んで良かった。風!派閥の僕としては気持ちもよく理解できるし、いやーわかるわかるって話だと感じました。やっぱり、日吉さんのこう、心の中というかこういう考えなんだなっていうのがよく分かったと同時にすごく優しいけど筋が通ってる人間だなというのがわかりました。僕もこういう人になりたいんだなぁ、譲れるところは譲って優しくありつつも芯の部分は曲げないっていう。
個人的に滝沢さんの大ファンで、それは麻雀だけでなくてあの絶不調期でもカッッコ良かったのよ、滝沢さん。人間としてかっこいい、もちろん外見もすっごいハンサムだけどマジで端端から出る人間が好き、そしてその付近には日吉さんが居ました。だから、実況し始めやその前からも個人的に気になってましたし、僕の嫁は静岡出身なんですよね。そういう縁も含めてあの「ちょっと不器用な昭和の残るイケメンの先輩たち」の界隈がすごい好きなんですよ、日吉さんはおちゃらけてる実況者ってだけはないですから。そういう面でもこれから応援していきたいなと思います。
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