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本:実話怪談 郷内心瞳著 鯉、鯉、鯉いいいい 

 

伏見稲荷の本を探している時にたまたま「逆さ稲荷」が目に入った。文庫。ジャンルはホラー。
本当はもっと宗教的な本を探しているんだけれどと思いながら興味本位に手を取った。神社系ではなく、まさかの食べる方のお稲荷さんだった。
それはそれで出会いなのか、読み終わるころにはすっかりその文体にはまっていた。

 一篇終わって一息つく。なんだか薄暗い神社の裏山にいるような雰囲気の話だった、無事自分のアパートに戻って来れたよ。そんな風にインスタントコーヒーを淹れてさあ続きをと本に戻ると、まさかの娘が主人公と短編が続いていく。裏山から一変して町の住宅街。窓の外には整備された墓地。
 そういう展開が多い作家さん。
 飽きさせないオムニバス。 
 まあ、どれかひとつ読んでみて。

一体何を読んだらこんな雰囲気のある文章を書けるようになるんだろう。

共著込みの作品リスト (更新中)
短編としてはどこからでも楽しめると思うのだけれど、体験談等もあるのでできれば下から読むべきか

拝み屋備忘録 人喰い墓場
拝み屋備忘録 怪談死人帰り
拝み屋念珠怪談 奈落の女
拝み屋備忘録 鬼念の黒巫女
拝み屋奇譚 災い百物語
拝み屋備忘録 怪談火だるま乙女
拝み屋念珠怪談 緋色の女
拝み屋備忘録 怪談腹切り仏
拝み屋怪談 幽魂の蔵      ←コンテスト参加作品あり 鯉います
拝み屋備忘録 ゆきこの化け物
拝み屋備忘録 怪談首なし御殿
拝み屋怪談 壊れた母様の家
拝み屋怪談 怪談始末
拝み屋怪談 鬼神の岩戸
拝み屋備忘録 怪談双子宿
拝み屋怪談 来たるべき災禍
拝み屋怪談 禁忌を書く
拝み屋怪談 逆さ稲荷
拝み屋怪談 花嫁の家

↑ こっちは下から読んだほうがわかりやすいかも

↓共著の短編集 これはどれも順不同

予言怪談
超怖い物件
黄泉つなぎ百物語
怪談四十九夜 地獄蝶
怪談実話コンテスト傑作選 お不動さん 
 ↑選者 稲川淳二氏、一柳廣孝氏、加門七海氏、東雅夫氏、福澤徹三氏のワイワイ感が興味深い

虚勢がないので読みやすい。というか、著者が体験しながら一緒に怖がってるあたりに共振してしまうのかな。コンテスト傑作選にデビュー前の応募作があるのだけれど、鯉、鯉、鯉いいいいと思いながら読んだ。臨場感と説得力がありすぎで嬉しい                      けい

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