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世界に目を向ける

写真を管理しているアプリが3年前の写真と言って表示した写真
ロサンゼルスに向かう飛行機で、もしかして飛行機から夜明けを見ることができるのではないかと思い、時間を調節して撮った写真だ
ちょうど良い位置に乗っていた。
飛行機の主翼と、赤い光に染まった幻想的な水平線が、非常によくあっていると感じている。

遠くに陸地が見えた時、アメリカに来たのだと実感が湧いた。
飛行機は、着陸経路の関係上、ロサンゼルスの街のうえを一周した。
街が白い。高層ビル群がない。どこまでも建物がある。
飛行機から眺めただけであるが、日本とは違うとすぐにわかる。
行ってみないとわからないものである。

私は小学生の時に、ロンドンに行ったことがある。
英語の一つもわからなかった時分にみたロンドンは、ただ異国ということだけだった。今はもうないらしいが、ロンドンの三越で日本語のメニューを見た時は、「なんだ、日本語はどこにでもあるじゃないか、日本語は良いな」と感じた。

ロサンゼルスの商店で店主は私に中国語で話しかけてきた。
はじめ、私は店主が何を言っているのかわからなかった。
アメリカの人は英語で話しかけてくるという先入観があったから、「こんな英単語知らない」となった。
次第に、店主が中国語を話しているとわかり、「I'm not chainese. Please speak in English. I can speak English.」と咄嗟に言ったことを覚えている。
店主からすれば、なんだその下手くそな英語は! となっていただろう。

入国した初日、本場のマクドナルドはどんなものかと、マクドナルドを訪れた。
入ってすぐのところに、大きなタッチパネルがあった。注文、会計、全てをこのパネルで済ませる。会計を済ませると、レシートに番号が書かれたものが出てくる。
無口な、無愛想な、血が通っていないような店員が、「Number please」とだけ言い、注文したものがのったトレイを置いて早々と奥へと帰っていった。
日本では、スマイル0円と表記しているが、アメリカでは10ドル払っても得られなそうである。

ロサンゼルスのご飯は不味いと聞いていた。
初日にマクドナルドに行ったことは、間違いであったと後で気づいた。マクドナルドが一番マシであったからだ。
あんなに乾燥した、ジャムがないと食べられないパンは初めて食べた。
あんなに甘さのない、酸っぱいだけのオレンジは初めて食べた。
あんなに甘さしかない、チョコレートケーキは初めて食べた。
あんなにベチョベチョとしたそばは初めて食べた。
日本に帰って、最初に食べたのは白ごはんだ。
やはり日本の米、白ごはんが一番良いと改めて実感させられた。

この記事を書いているのは2021年の5月だ
先日、イスラエルとパレスチナとの間で紛争が再燃した。
テルアビブにて、パレスチナから打ち込まれた多くのミサイルを、イスラエルの防空システム「アイアンドーム」が打ち落としている。そんな映像を私は、パソコンの前で、ベッドに横たわりながら、何の命の危険に晒されることなく、目にしているのだ。この記事を書いている間にも、また一人、命を落としたかもしれない。

私は恵まれている
飛行機に乗れば、半日でロサンゼルスに行けるのだから
店主に、英語で話してくれ、と文句が言えるのだから
店員に、いくら払ったら満足な接客が得られるか、など評価できるのだから
アメリカの飯は不味い、日本の飯は美味い、と言えるのだから
そして、こうして文章を書いているのだから

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