※補足:『【第一回】ベーシックインカムについて考える。』の補足として「新規事業」と「経済成長」、そして「虚無」。

前回、ベーシックインカムが「新しいことにチャレンジするためのクッション」として、ザッカーバークが支持すると表明したという記事をとりあげ、私もその点について賛同すると書きました。

ただ恐らくその先の私の考えで、ザッカーバークとも、また世の中のほぼすべての人とも意見が違うであろうことがあります。私は

新しいチャレンジ・新規事業が成功し、経済成長に結びつくことが善

という普通の考えは持っていません。

まさにザッカーバークのFacebookが良い例だと思うので、この記事で補足することにしました。私の目から見てFacebookという事業は、

① Facebookが存在して、良いことがある
② Facebookが存在して、悪いこともある
③ Facebookがなくても、別に構わない

このようにみえています。①と②が相殺されて、③はあっても無くてもよいという話かな、と。

さらには、Facebookに限らず世の中のすべての活動は①②③で相殺して「増えも減りもしていない」のではないか、というのが私の視点です。

ですので、新しい事業が生まれて経済的に成功し(理論的にはそれが「経済成長」につながって)、経済・社会が発展し・・・・・というのは別に起こっていないんじゃないかと思っています。

そういった教科書的な考えは、

①ばかりを見ているからでは?
②のコストをうまく織り込めていないのでは?

このあたりをきちんと考えたいものだと。

さて、こういった考えを持った場合、スタートアップを運営する者としては困ったことがあります。起業家としては弱いのです (^ ^;)

自分の新規事業もあってもなくてもよいんじゃ?

と、常に思いながら運営しているわけですから。
一般的には、「これで世の中よくなる=成長する!」と言い切る起業家でないと、なかなか成功しないですからね。

この話からの議論の展開は様々なものがありますが、いつか書きたいと思っているのでこちらを紹介しておきます。

増えも減りもしないというのは「虚無主義」に行きつかないか?

ベーシックインカムに対する一つの懸念もここにあると思います。虚無や無気力につながるのではないか、と。

個人的に私は、世の中を「増えも減りもしていない」と捉えることで、

・心理的なクッションを持つことができて気持ちが楽になり、
・むしろ人の目も気にせず新しいことにどんどん挑戦する姿勢に至った

という経験を持っています。ポイントは、

増えも減りもしないが、「必ず変化はある」

という点にあると思っています。

私のスタートアップも、経済成長のためかは分からなくとも、新しいものを作るという変化そのもののためのチャレンジということで良いのかもしれません。
いかにも儲からなそうですね orz...

終わり。

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