香水という縁遠いものに向き合う話
こちらのnoteを読ませていただいて、自分は『香水は不得手族』だと思い出した。
気にはなっているものの、そもそも自分が付けて本当にいい匂いがするのか?加齢臭と混じってそりゃもうとんでもない匂いになるんじゃないのか?
実体のない恐怖だけが先行し、服ほど積極的に関われずにいるアイテムだ。
しかし振り返ってみると、これが意外にも全く無縁ではなかったことに気付く。
匂いで酔う
私は子供の時から三半規管が弱いのか、乗り物酔いに悩まされてきた。
電車は乗ったら即寝る。お茶や水は飲んでも駅弁は食べない。食べるとしたらアイスくらい(新幹線でしか買えないあのアイスをもう一度食べたい)。
車内で本を読むなど言語道断で、数分で頭痛と胃の不快感が襲ってくる。
今でこそ車中での過ごし方が分かっているからいいようなものの、20代初め、一人で東京遠征に向かう時などは電車や夜行バスに苦しめられたものだ。
隣の人の煙草や香水の匂いがダイレクトに伝わって、程度によっては吐き気を催す。
あらかじめ薬を飲むようにしていたが、それでもひどい時は寝ることさえ阻害された。
人生初香水はシャネルの5番
香水とは無縁の人生を歩んでいた私に、思わぬ出会いがあったのは30代半ばの時だ。
当時勤めていた会社の上司が、女子社員全員に香水のお土産をくれたのである。
親指よりも短い小さな小瓶に入ったそれは、シャネルの5番だった。
名前だけは知っていた。私でも知っているのだからそりゃもう有名なのだろう。
これくらいの量ならすぐに使い終わるだろうなと思い、付け方を調べて(当時よく知らなかった)手首に1滴たらし、トントンとなじませる。
めちゃくちゃ香るじゃん。
えっ、会社に付けていくのが憚られるレベルなんだけど…量は間違ってない…はず…?
戸惑った私は結局休日のみ使うことにした。
今でも、1滴が多かったのかどうかはよく分からない。付ける部位が間違っていたのかも知れない。
40代にして思わぬ目覚め
5年前のツイートである。この時40代初め。
『絶対使わない』とのたまっているが、この数年後、これらのサービスを使うことになる。
こちらはパーソナリティスタイリングでお世話になった。
個性や人柄、ファッションやなりたいイメージをカウンセリングしてくれて、スタイリストさんがぴったりの香りを選んでくれる。
診断結果とおすすめの香りのムエット、私の為にブレンドしてくれた香りをセットで。
甘過ぎず、かといってスパイシーでもないおすすめ香水、いつか1つ手に入れたい。
※パーソナリティスタイリングは終了し、2月から新たな香りのサービスが始まるそうです。
TLに何度か流れてきて『面白そう、やる!』と購入した香水ガチャ。
ガチャは数種類あるので、何度か試すのも楽しそう。
オンライン購入なので実際に回したわけではないにしても、何が来るのか分からないので到着まではずっとわくわくできた。
ちなみに届いたのはローズ系の香りのもので、私には少し甘く感じる。
休日に1プッシュに留めているが、付け直さなくても結構香る。持続時間が長いものだったのだろうか。
いつかやりたいサブスクの1つ。
1ヶ月分(4ml)が毎月届く。しかも自分で選んだものが。素晴らしい。
こちらもフォロワーさん達のツイートで知った。
今は指をくわえて見ているだけだが、いつか一度はお世話になりたい。
サイト内の香水診断の結果がこちら。
私には協調性も明るさもないが、好きな香りは確かにシトラスだな…。
ちなみにグリーンティーはドラッグストアで試して一目惚れ(一嗅ぎ惚れ?)した経験がある。
今のところ、仕事柄香水は禁じられている。
少量と言っても使い切るのは何年先かというところ。
普通の人の1ヶ月分が、私の1年分、いや2年分かも知れない。
そう思うと、1つだけのお気に入りを長く使うのもありかという気がする。
香水との意外な接点
ここでは詳しく語らないが、私はWebライターを目指している…というか、地味に記事を書き始めている。
とあるコミュニティで学んでいるが、そこでの課題記事が香水に関するものだった。
恥ずかしい話、この記事を書く前のリサーチで初めてパルファムだのトワレだのに分類されることを知った。
『種類によって持続時間や濃度が違う…そうなのか…軽いものはまめに付け直すのか…』
恐らく日常的に香水を使う人にとっては常識であろうことが、私には初めて知る世界だった。
ムスクだのグルマンだのウッディだのもこの記事執筆で知った。
40代後半にして、一気に香水への解像度が上がった気がしている。
推し香水が気になる
何度か発信してきたが、私は小学6年からの年季の入ったオタクである。
今日までの間、何年かは好きな作品もなく二次創作熱が薄れてドロップアウトした時期が何度かあった。
戻ってはまた去り、そして戻るの繰り返し。
社畜時代はオタ活どころではなく、介護職に就いてからは資格取得の為に時間を割いた。
それもこの2年ほどで落ち着き、転職したり家庭問題で精神ズタボロになりつつも何とか生きている。
そんな中、昨年の秋のことだ。
『もう誰にも遠慮なんかしてたまるか!私は私のやりたい事をやって生きるんじゃ!!』
これまで蓄積してきた不満やストレスが爆発し、子供の頃から夢見つつも自分には無理だと思っていた『書く仕事』をするべくライタースクールへ。
それとほぼ同じタイミングで、とあるゲームの沼にはまり込んでしまった。
自分でも、なぜ数年前から絶大な人気を誇るこのゲームに今更ハマったのか理解できない。
しかし、何かを好きになる時、その理由付けを逐一行う余裕があるだろうか。
好きになったから好きなのである。
さて、久し振りにここまで胸躍る沼落ち。
家の事を考えると陰鬱になるのは変わらないが、それでも何かしら好きなものがあると救いになるようだ。
ライターとしての学びも進み、お声がけいただけるようになりつつある。
秋から始めたことがいずれも気持ちを上向かせてくれていて、タイミングが良かったのだなと感じている。
さて、推し作品があるということは、当然推しキャラもいるということ。
最近になってようやく、推しネイルやら推しの概念アクセサリーやらに沸き立つ人達の気持ちが分かってきた。
推しの色を纏う自分ね…そりゃ気分も上がるよね…!!
私が最近妙に気になるのはこちらのサービス。
オーダーシートに推しへの想いをぶつけると、それが香水になって届く素晴らしいサービス。凄い、昔はこんなのなかった。
Twitterにはレポートが多く上がっていて、ますます興味が高まっている。
今の私には推し漫画もあり、その中の推しキャラもいる(こちらは既にキャラ達の香水が順次発売されている)。
Scentlyさんに依頼するとしたら、誰の香りを1番にするかで当分悩みそう。
余談
香水でなくとも、部屋を香らせるのもいい。
先日美容院に行った時、いつも使ってくれているオイルが一際強く香っていた。
美容師さん曰く、体調や精神状態によって匂いが強く感じられるとのこと。
「癒しを求めてるんじゃないですか?」
「ああ…(理解)」
「直接身に付けるものじゃなくても、アロマキャンドルとかで部屋に好きな香りを満たすとか」
「おお」
4.5畳のクソ狭い部屋に香りを満たすとどうなるのかよく分からないけれど、実はちょっと興味がある。
ただでさえいたくもない部屋で暮らしているのだ。
好きな香りを楽しむくらいバチは当たるまい。
文章を書く時の集中を妨げず、頭がすっきりして、かつ上品な香りが良い。
それこそ自問自答ガールズではおなじみの『なりたい』に近付くような。
知的で穏やかで、かつ軽い香り。
もしくは心を落ち着けてくれるまろやかで優しい香り。
どちらも今の私には必要だし、やはり推しの香水も欲しい。
物欲はやはり留まるところを知らないのだ。
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