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一大陸周遊記 ③マンチェスター(イギリス)

Day4

憧れのロンドンを素通り

ミュンヘン国際空港のベンチで数時間横になり(当然ほとんど寝られず)、早朝のロンドン行の飛行機に乗り込む。いつの間にかうとうとしており、何やら音がしたので目覚めたら、もうロンドンに着いていた。おそらく着陸時の音だったのだろう。

ハリーポッターやシャーロックホームズが好きな自分にとっては聖地と言っていいロンドンなのだが、今は到着の余韻に浸っている暇はない。何せ数時間後にはオールドトラフォードでブライトンの試合が始まってしまう。
マンチェスター行きの電車に乗るために、急いで地下鉄に乗ってEuston駅に向かう。

ロンドンにあるまじき晴天

着くなり窓口に直行し、自動券売機で電車のチケットを取ろうとしたが、売り切れの表示になっており買えない。仕方ないので窓口に並んで
「今日中にマンチェスターとロンドンを往復したい。席がなければ立ってでもいいから電車に乗せてくれ」と情熱的に訴えた。

すると、自由席のチケットをすんなりゲット。事前にネットや券売機でSold outの表示を見ていたので焦っていたのだが、どうやら自由席なら直前までチケットは買えるらしい。パッションを無駄遣いしてしまった。

電車の出発予定時刻まで20分ほどあったので、売店で水とサンドイッチを買ってから電車に乗り込んだ。残念ながら空いている席がなく、2時間半の立ちっぱなしが確定。そのうち1時間くらいの間ずっと、ブライトンサポの男性が瓶ビールについた防犯キャップのようなものを素手で外すべく奮闘していた。少し仲良くなっていくつか方法を提案したりしたのだがうまくいかず、最後は仲間の爺さんが颯爽と現れてビールの口をたたき割るという荒業で解決していた。そもそもなんでそんな厳重なキャップがついていたのだろう。万引きでもしたんだろうか。

The color of Manchester

20分遅れでEustonを出発した電車は、無事30分遅れでManchester Piccadilly駅に到着。
途中4駅停車駅があり、1分程度ずつ電車が止まるのだが、そのたびにブライトンのサポーターが数人ホームに降り、大声でブライトンのチャントを歌う。現地民からすればとんだ迷惑だろう。

市内のトラムに乗ってオールドトラフォードへ。アウェイ席に乗り込むと、予想以上に近い距離にピッチがあった。

コーナーの方から入場してくるの地味に好き
引用:スポーツナビ

試合前に隣の席に座っていた同年代の中国人が話しかけてきて仲良くなった。普段は上海申花のサポーターなのだが、三笘が好きすぎてブライトンに留学してきたらしい。めちゃくちゃいいやつで、試合中もずっと一緒にしゃべりながら見ていた。

「今のラッシュフォードのライン際のプレー、スペイン戦の三笘の1mmにそっくりだったな、三笘は1mm残したけどラッシュフォードは無理だろ」
「いやー、いい前半だった!」
「おいおい、ここオールドトラフォードだぞ!?3点も取っちゃったよ!」
「ロスタイム6分?あと2点くらいとれるやん!」

等々、ぎゃーぎゃーしゃべりながらブライトンの快勝を見届けた。
なお、自分はサッカーのことになると信じられないくらい流暢に英語を喋れるらしい。

ブライトンがリードを奪っていたため、途中でスタジアムを後にするユナイテッドサポーターも多数いた。そんな彼らに「See you boys!」と手を振ったり、「Brighton is a blue city, like Manchester!」と痛烈すぎる煽りチャントを歌ったりと、ブライトンサポーターたちはやりたい放題。非常に楽しかった。

上海申花サポはこの後リバプールに行くというので、SNSを交換してスタジアムでお別れ。ブライトン応援YoutuberのLuke Linx氏に挨拶しつつ、来た道を逆戻りしてManchester Picadelly駅まで戻った。時間がなかったので、駅構内を猛ダッシュしてロンドン行の電車に飛び乗る。

底辺列車

飛び乗ったところは行きと同じく、新幹線で言うデッキのようなところ。車内はかなり混んでいた。同じ場所に乗り込んでいたのが、ブライトン在住の若者3人組と、なぜかデゼルビを崇拝しているスペイン人。
最初はみんなで仲良くしゃべったり歌ったりしていたのだが、さすがに試合観戦後に立ちっぱなしで2時間半は辛い。30分もたたないうちにみんな疲れ切ってぐったりしてしまった。

スペイン人がポテチの袋とワインのボトルを持っていた(グロスがファンタスティックプレーヤーだと言ったらたくさんポテチをくれた)のだが、ポテチは散乱し、ワインは栓が開いたまま無造作に置かれている状況。しかも白ワイン。
もしワインボトルが倒れそうになったらどうしようと思いつつ、デッキの一番寒くないところに座り込み目を閉じる。考えてみれば初日にホステルで寝て以降まともな睡眠をとっていない。

ダウンしている間に電車は進み、気づけばロンドンに着いていた。駅に預けていた荷物を受け取り、Gatwick空港に向かう。
空港内はあまり人がおらず、かろうじて開いていたコンビニのようなところでイチゴミルクを買って座れる場所を探す。充電ができるカウンターのようなところがあったのでそこを今夜の睡眠場所に決めた。

飲まないヨーグルトより粘度が高かった



おまけ
考えてみるとこの日は水とイチゴミルクしか口にしていない。食事と睡眠は大事。



次回はマドリード・パリ編、サンチャゴベルナベウを楽しむ予定だった話。

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