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「任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代」「任天堂“驚き”を生む方程式」 - 感想・引用

著者プロフィール: 牧野 武文
ITジャーナリスト。ITビジネスやIT機器について、消費者の視点からやさしく解説することに定評がある。

任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代 (角川新書)

著者プロフィール: 井上理
1974年静岡県生まれ。1999年慶應義塾大学総合政策学部卒業、日経BP社に入社。『日経コンピュータ』編集部の記者として、IT業界の動向や、ネット革命などを取材。2004年、『日経ビジネス』編集部に配属。自動車業界、IT業界、流通サービス業界などを担当。2009年、「日経ビジネスオンライン」の専属記者となる。

任天堂“驚き”を生む方程式 (日本経済新聞出版)

今回の記事は、任天堂に関する2冊の本です。

この記事では、本の要約をするのではなく、輪読会を行うにあたり、私が読んだ感想や本からの学び、一部引用を紹介するものです。輪読会用のメモなので、一般的な記事のようにきちんと整理されているわけではないのでご了承ください。

感想

  • どちらの本も、非常に面白い本だった。任天堂の魂を感じられる。

    • これまで花札から始まった会社だったというのは知っていたが、レーザー銃やゲームウォッチなどは知らなかった。

    • 2冊とも面白いが、個人的には横井の「枯れた技術の水平思考」やゲームは技術競争ではなく、インタラクションを大事にする点などが特に良いと思った。

    • ニンテンドー64を開発したのは、第二開発部の方だったが、横井が任天堂に与えた影響や文化を作ったという点は貢献度が素晴らしい。


  • 横井さんの面白いアイデアを考え抜くという点がすごいと感心した。

    • 光線銃の例。


  • 横井のもの作りで特徴なのは、必ずそれを使ってイタズラをするということという点にKazukiさんとの共通点を感じた。


  • 常に技術的にはトップではないけど勝っているという点

    • この点をみると、技術競争に勝てば、ユーザーがついてくるというのは、必ず正解ではないということがよくわかる。

    • 常にリソースが足りていないから勝負できないというのは、言い訳だと戒める必要がある。

      • その上で、どうやって勝つか・道を見つけるかというのが大事。


  • チームが小さい

    • 人が少ないというのは良い。DSとかWiiが売れても、全然社員を増やさなかった。


  • 山内さん

    • 眼力がすごい人だなと思った。写真を見てもそう思った。

    • 苦労をたくさんしてきた人だから、直感力がすごいのか?先天的なのか後天的なのか。

      • ヒットするかどうかという点や人間を見抜く力がすごい。

      • DSの2画面や宮田さんなどの採用なども神がかっている。

      • 本の中でも、カリスマと書かれていたが、それを体現するような人だと思った。

    • ソフトの会社だというのが面白い。


  • 岩田さん

    • 山内さんとは違って、直感というよりかは論理的に考える人。

    • ゲーマーであり、自分でたくさんゲームをし、かつ、ソフトの面も持っている人。

    • 経験的にダメだとされていることでも、データやインサイトがあれば、それを実行できるというのはすごいことだと思う。

    • 岩田さんのお父さんも市長をやってたりと、家系が良いのだなと思った。

    • ゲーム人口拡大戦略・クリエイター人口拡大戦略など、素晴らしい。

    • Wiiの発明は本当にすごいと思う。


引用

玩具は安く作らなければならない。そして、面白くなければならない。これを合理的に突き詰めていくと「枯れた技術の水平思考」にたどりつく。ある意味、「枯れた技術の水平思考」は、玩具メーカーにとって当然の帰結なのだ。

任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代 (角川新書)

枯れた技術の水平思考」とは、すでに時代遅れになった技術であっても、 俯瞰 して新たな使い道を考えれば、今までになかったオンリーワンの商品が開発できるという考え方である。

任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代 (角川新書)

ラブテスターの正体は、近所の電器屋で売っている検流計にすぎない。検流計などというのは当時でも安い製品だった。なぜ安いかといえば、古い技術のものでじゅうぶん役に立ち、大量に出回っているので安く作れる。これを検流計として販売したのでは、安い価格でしか売れない。しかし、その使い道を変える発想をすれば、別のものとなり、付加価値のついた商品が開発できる。つまり、最先端ではない「枯れた技術」を「水平思考」することにより、付加価値の非常に高い商品がつくれるというわけだ。

任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代 (角川新書)

安く作らないと売れないというのは、単なるアイディアの不足なんです。だったら、日本国内で作っても高く売れるだけのアイディアを考えたらいいじゃないかというのが私の意見です。

任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代 (角川新書)

「そんなことよく思いつくな」と感嘆させる技術と工夫が、横井の仕事には詰まっている。

任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代 (角川新書)

あくまでWiiチャンネルは、どうしたら家族全員に関係があるようになるのか、どうしたら毎日電源を入れてもらえるのかを考え、その手段として作ったもの。収益機会としての模索は、二の次だと、岩田は言うのだ。

任天堂“驚き”を生む方程式 (日本経済新聞出版)

「私は、ゲーム作りそのものに、奥深さ、凄みみたいなものを感じるんです。ある1つのゲームを組み立てるということは、操作と遊びの構造を一体化させながら、何かのテーマ、コンセプトを貫いて延々と試行錯誤を繰り返すということ。膨大な可能性を追求して、究めるように収束させていく。そんな風に作られるものって、他にあまりないんじゃないかと感じるんです」

任天堂“驚き”を生む方程式 (日本経済新聞出版)

「1つのテーマについて、長くしつこく考え続けることが大切で、考え続けていることの蓄積の量が、ヒットを生んでいる部分というのもあるんだなと、私は思っています」

任天堂“驚き”を生む方程式 (日本経済新聞出版)

「いったい何を基準にして任天堂に必要な人を選ぶのかと言えば、果たしてその人が『ソフト体質』を持っているか否か。実際に接してみると、この人はハードの人、この人は体質的にソフトに順応できる人というのがわかってくるんですよ。僕自身がソフト体質の経営者だから、そういうことがわかるんじゃなかろうかと自分では思っているわけです」

任天堂“驚き”を生む方程式 (日本経済新聞出版)

山内溥という人は、何にこだわっていたか。『娯楽はよそと同じが一番アカン』ということで、とにかく何を作って持っていっても、『それはよそのとどう違うんだ』と聞かれるわけです。『いや、違わないけど、ちょっといいんです』というのは一番ダメな答えで、それではものすごく怒られる。

任天堂“驚き”を生む方程式 (日本経済新聞出版)

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