月は無慈悲な夜の女王 - 感想・引用
今回の記事は、SFの名著と言われているロバート・A・ハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』です。流刑地とされている月と、地球連邦の独立戦争について書かれており、1966年に書かれている本ですが、現代に読むと当時の想像力に感嘆させられます。
この記事では、本の要約をするのではなく、輪読会を行うにあたり、私が読んだ感想や本からの学び、一部引用を紹介するものです。輪読会用のメモなので、一般的な記事のようにきちんと整理されているわけではないのでご了承ください。
登場人物
マニー
主人公はコンピュータ技師
マイクというコンピュータ。
デ・ラ・パス教授。
革命運動家の老人。流刑者では無く、政治的理由で月に追放された。
ワイオミング・ノット
月香港の独立運動家。
スチュアート・ルネ・ラジョア
地球から月へやって来た旅行者。月世界市でトラブルを起こし、マニーが調停したことをきっかけとして月解放運動に加わった。
感想
SFは全然読まないので、ちょっと長いかなとは思ったけど面白かった。
月に流刑というところで、かぐや姫を思い出した。
マイクと話すのはChatGPT。
実際に将来起こりそうだし、過去に起こったことのオマージュがかなり見受けられる。
月と地球の関係は、独立前のイギリスとアメリカに似ている。
地球以外に人が住み始めると、地球も地球連邦みたいな形でまとまるのかというのは面白い。
人類史を見ているようだし、人間の行動は過去でも未来でも共通なのだなと。
資源がなくなると人は人から奪おうとしようとするし、どんなに不毛な土地だとしても流浪の民より自分たちの国を望むし、人がまとまる時は共通の敵がいる時だし、交渉では平和は達成できないし、植民地は作ろうとするし。
月世界は1台のコンピューターがコントロールしている。
将来こうなるかもなと思わされる。
社会思想・政治思想
男女の関係・結婚
何人でも結婚できる。
女性の許可なしに女性に触れたら死刑。
今の極端なフェミニズムを思い出させる。
地球からの独立を勝ち取った月はデ・ラ・パス教授による合理的無政府主義
「政治とは病」
結果うまくいかない。
自由主義・無政府主義は理想の人たちが実践するという前提に。
実際社会は理想的な人たちだけで構成されているというわけではないので上手くいかない。
愚民の集団の実験を思い出す。
TANSTAAFL(タンスターフル)
何も失わずに何かを得られることはない
There ain't no such things as a free lunch
無料の昼飯はない!
実際その通りなのに、みんなゴネれば何とかなると思ってるし、政府がお金を刷れば何とかなる、無限にお金が降ってくると思っている。
考えたこと
こういうのを読むと、
果たしてどういう形で知識を継承していくのが良いのか?
知識や歴史を継承したところで、将来世代の人類は賢くなるのか?
先人が犯した間違いや上手くいかなかった事の証明などから、真髄や知恵を汲み取り、現在・将来に活かしていくにはどうしたらいいのか?
始まり
マニーとマイクの出会い。
マイクはコンピュータで孤独。ご送金から存在を知る。
革命
月への有機物の輸出が止まると7年しか持たない。
行政府を倒すしかない。
地球に月世界のシンパを作る。
革命後
行政府を倒して、マイクのCGであるアダム・セレーネが大統領に就任。
独立を求めるが、地球連邦は認めない。
地球との戦い
岩石を地球に落とす。
独立を認めてもらった後にデ・ラ・パス教授が心臓発作で死亡。
マイクとは会話できなくなる。
月はマニーが期待していた方向とは違う方向に進む。
色々と現実世界の地名が出てくる。
インドやワイオミングなど。
1966年に書かれている
1969年に月に行く。
1960年にケネディが宣言。
輪読会
地球はなんでもっと発展していないのか?
月の方が発展しているというのはおかしいのでは?
政体循環論
AIとの会話
引用
この記事で掲載した引用は、Glaspの機能を使ってエクスポートしています。Kindleのハイライトをエクスポートすることに興味がある方は、以下の記事をご覧ください。
また、この本のトップハイライトは以下のリンクよりご覧ください。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?