ドラマ「一橋桐子の犯罪日記」第1回観ました
面白いから絶対観て!とはお勧めできないのですが。コメディではあるけれど、扱っている題材と背景があまりにシリアスで…。
切なくなって苦しくなって観たくないと思っても、主人公の行く末が気になり「どこに希望を持たせるお話になっていくのか?」と、ついこれからも観てしまうかも。
主人公の一橋桐子は、金なし身寄りなしの70代女性。高齢になって、俳句で親しくなった友人と二人、一軒家で暮らしていたもののその友人は死去。年金とパチンコ店清掃のパートのお金だけでは家賃が払えないので転居した。パチンコ店の同僚には、刑務所帰りと噂のある感じ悪いけど若いイケメン男性がいて、彼から刑務所話を聞きだしながら、あることを決意する。それは、刑務所に入れば3食食べられ生活に困らない、どうにかして刑務所に入ろう、ということ。
で、桐子は、どうにか刑務所に入ろうと、万引きや偽札作りにトライするがうまく行かず…ってところでつづき、でした。
どんなにコミカルに演じられても…いやあ~身につまされるわ。私のような年齢のものだけでなく、若い人の心もざわざわしそう。
さきほどポッドキャストの“無限まやかし”で、先日TV放送が始まったアニメ「チェンソーマン」とその原作者、最近のアニメの傾向についても語っていたんだけれど。昔はアニメのヒーローといえば、正義の味方。でも今は違うとか。世界は(苦しく自分にとって)マイナスであるという視点から、キャラもお話もつくられている。そういうお話が、今の若者の共感を生んでいる、と。
「一橋桐子の犯罪日記」にも、通じるところがある。これでもか、と、見たくない恐ろしい現実を見せてきます。とりわけ、桐子が引っ越したアパートね。
かび臭いボロボロのアパート。そこが、際立ってとってもリアルでした。
貧乏な高齢者が住める家って限られていることは誰もが知っているけれど、それを「ほんとにわかってる?現実はこれですよ」と、容赦なく提示される。桐子を演じる松坂慶子はチャーミングだし、魅力的なキャラもたくさんいて、パチンコ屋の若い女性同僚も感じいいし…全体的に意地悪な人はそんなにいないんだけど。
でも、あの家はインパクトあった。ばーんと真実をつきつけられる。身よりなし金なし老人は、ここに住むしかないんだ、と。隣人を演じるのは竹原芳子(旧名どんぐり)さんだし、楽しい展開が待っているのは間違いないんだけどね。
恐る恐る、だけれど、救いを信じて、たぶんやはり、観てしまいそうです。
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