見出し画像

「エルピスー希望、または災いー」1話、2話観ました

先週から始まった話題のテレビドラマです。脚本家、プロデューサーにネームバリューがあり、日本社会の問題を鋭く描いた重厚な作品…注目度抜群です。で、今までのところ、視聴者の期待に十分答えてくれています。
報道の人気キャスターだった女子アナが、バラエティー番組へ移動となる。やがて、若手男性プロデューサーと共に、ある冤罪事件の調査を始めるが…。
こう書くと、“正義感溢れる物語で悪が追い詰められていく話”と誤解されそうですが、核心はそうじゃない。今の、日本の酷い姿を映し出している。
大きな権力に飲み込まれたマスコミが真実を報道しなくなったこと。多くの人が気づいていながら、そのことへの指摘は、小さな声に留まっていること。
それが、ゴールデンタイムにエンタメドラマとして始まったのだ。
多くの視聴者は、3.11以降の日本社会を、悔しさ悲しさと共に思い返すかと。
私が、マスコミに絶望感をはっきり抱いたのは…SEALDsの活動や国会議事堂周辺でのデモが盛んだった頃。ネットには大規模デモの報道が溢れているのに、テレビ報道はなし。なんだかなーと感じてはいたけど、それがはっきりとしたマスコミへの落胆となったのは、確か重要法案が決議される日。あれほど毎日律儀に国会中継やっていたNHKが、最も国民の注目度が高いその日の国会中継をやらなかった。ほんとにその日に限って。代わりにあさイチの福島特集。まだイノッチや有働さんが司会の頃だったはず。確か、安全保障関連法案だったかと(特定秘密保護法?曖昧です)…政治話に詳しくない私でさえ、どうなることかと関心大だったのに。
このドラマは、私のような、やるせなさを抱えた人の心を、立て直してくれる。同時に、マスコミの中で働く良心ある人々の、心引き裂かれる思いにも気づかされます。
真実の追求ができないマスコミに嫌気がさし、そこを飛び出して、フリーランスとして活躍している人も少なからずいます。
が、納得できない職場で戦う人はやはり必要。このドラマの関係者のように。
地上波で有名俳優を揃えた、優れた作品だからこそ、多くの人へ波及していく。
ずしりとくる重い重いテーマ。台詞のひとつひとつに、魂がこもっています。
女性の立場やもリアルです。“難があって愛がなくても、社会的に一目置かれている男性からプロポーズされて結婚できたら女にとってそれは人生勝ちってこと”…どんなインテリ女性もそう思わされてきたカラクリって何なんだ…。
残り8話から、目が離せません。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?