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NHK「短歌・俳句100選」よかったです

昨日、何気なく流していたTVの番組に思わず釘付け。それは、NHKBSプレミアム「完全保存版 絶対覚えておきたい!究極の短歌・俳句100選」。
作品を選んだのは、それぞれ識者…大学の先生や歌人・廃人…3名ずつ。ゲストのコメンティーターはヤマザキマリさんと風間俊介さん。ヤマザキさんは予想どうり、明るくてインテリジェンス感じる安定納得流石のコメント。番組を観始めたときも、“ヤマザキマリさんが出るならきっといい”と信じてて、まったくその通り、間違いなし。
で…白眉は、風間俊介さん。当初期待していなかっただけに(すみません)、番組が進むほどに、この方の知性と感性に心揺さぶられました。気負いなく素直な感想で…短歌や俳句のおもしろさ、楽しみ方をまっすぐに教えてくれる。一作品ずつ朗読で発表されるたび、“今度はどうコメントするんだろう”と期待してしまう。奇をてらった感想や解釈ではないのに、どこかはっとさせられる。独自の視点に、選者をうならせることもあり。
3時間番組の最後は、ゲスト二人が、100作品の中から一番のお気に入りを発表。ヤマザキマリさんは「囀(さえず)りを こぼさじと抱く 大樹かな」(星野立子)、風間俊介さんは「後世(ごせ)は猶 今生(こんじよう)だにも 願はざる わがふところに さくら来てちる」(山川登美子)。山川登美子は故郷の歌人。選んでいただけて何か嬉しい。
途中からしか観なかったのが残念。けっこう聞き覚えのある短歌や俳句多かった。一度聞いただけで心に残る作品ってほんと凄い(と選者の先生もおっしゃっていたけど)。昔何かで読んだ短歌「君かへす 朝の敷石 さくさくと 雪よ林檎の 香のごとくふれ」…やはり選ばれてた。一度読んだだけなのに忘れられず、思わず口に出したくなる。
この番組で初めて知った作品のうち、私が心に残ったNO1は、「戦争が廊下の奥に立ってゐた」…怖い、廊下の奥というのが絶妙。
各作品ごとに、識者の解釈や説明もあり、背景を聞くことで、鑑賞する気持ちが変わる、深まる。再放送あるなこれきっと。オンデマンドでもありそう。100選の作品はNHKの番組HPでも見られます。
昔、職場で何度か、有志で句会をしたことがある。
参加者は、期日までに自分が作った俳句を取りまとめ役に渡す。取りまとめ役はそのすべての句を一覧にして配布、参加者は自分がいいと思った句に投票。句会当日に、その投票結果が発表されるというもの。最優秀者は参加費で作った楯が渡されました。ほのぼのと楽しかったな。上下関係を超え、一人一人の感受性が大切にされる場。
広く庶民の生活に息づいてきた言葉遊びの時間。日本文化っていいなと思います。

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