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女子校育ちって、いいなと感じるのは…

昨日、「らんたん」(柚木麻子)の感想を書きましたが、出てくる女子校の描写に憧れました。ミッション系の女子校。うきうきする行事がたくさんあって、お勉強は厳しいけれど英語力は絶対に身についていく。寄宿舎女子校生活といえば、朝ドラ「花子とアン」の世界も思い出してしまうよ。
女子だけのわちゃわちゃした感じ、楽しそうです。きっと、戦前だからよけいにそう感じる。一歩外に出たら無茶苦茶不愉快な男尊女卑社会なのに、学校の中では、そういう理不尽を浴びることがないよう守られている。
当時、この女子校世界が、都会の一部の裕福な家庭で育った人たちでしかありえなかったとしても、社会における存在意義はとても大きかった。女子校は多数の職業婦人を輩出しました。たとえ、歴史に名を残すようなことはなく、職業を持たずに妻・母として生涯を終えたとしても、社会の中で担った役割は小さくはなかったはず。その精神性が、社会に大きな貢献をした。
精神が柔らかい年齢の時期に、「男尊女卑」の空気を浴びることなく、勉学や友人・教師と交流をしたというのが、貴重だったのです。
戦後、共学化が進み、私が生まれ育った福井も一部の私立を除き、ほとんどが共学でした。が、全国的には、女子高は戦後もけっこう存在し続けた。
大学生になって、友人の中に女子高育ちが多いことに気付く。驚きでした。友人から“歴史ある公立の名門高校ほど男女別学のままだよ”、という地方の話も聞きました…地域によってかなり違うのだろうけど。
そのときは、ふうん、と思っていただけだった。今は、女子校育ちの経験は、女性に大きな財産を与えていたんじゃないか、と思うようになっています。
私には、女子高、女子大育ちの友人が多くいますが…彼女たちには、どこか共通した魅力があるのです。それは、私にはない、 “フラットな感覚”。
男女共学の場には、やはりどうしても、外の社会の風…たとえば女性の“でしゃばり”は眉をひそめられる、女の価値はつかまえる男によって左右されるというような…が吹いていたんだな、って思う。
そうした空気と無縁で暮らせる女子校の社会。生徒たちに、気負いのない男女平等意識が培われていく。女の子たちの精神を、強くしなやかなものに強化していく。
共学が果たしてきた教育的効果の大きさは認めつつも…女子校は共学よりも、社会でのびのび活動できる女性の精神を育んできたように、強く思うのです。


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