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「人間関係のモヤモヤは3日で片付く」(田房永子)読みました

私は、田房永子さんのファンで、多くの著書や記事…コミック、ルポルタージュ、エッセイ…を読んでいます。トークイベントにも出向いているほど。
この本はフィクションのマンガですが、主人公は著者がモデル。田房さんの考え方を、改めてダイジェストで確認できます。田房さんが様々な媒体で述べられてきた、「人間関係の悩みから解放されるための心の持ち方」のエッセンスが詰まっています。“大丈夫大丈夫”、と優しく勇気づけられる心地がする。
こう前書きされています。「相手に変わってもらうための操縦術でもなければ 相手を悪者にして満足する本でもなく 自分の感情をコントロールしたり 自分の行動を変えたりなどの 努力をしなくてはいけない本でもありません」。
そう、田房さんは、いつも自分の心の落ち込みから抜け出すためにはどうしたらよいか、を徹底的に見つめてこられた方です。その過程で「毒親」の言葉も生まれたわけで。「毒親」の言葉は相手の非を叩くためのものではなく、親は正しいという根深い思い込みを一旦捨てるためのもの。毒親と自分の心の中で認めることで自分の心を軽くしていく、ことをわかりやすく提案していたのでした。
人間関係にモヤモヤするときって、こんなに人の言動に振り回されるのは自分だけだよなーと、情けなくなりがちです。でも、田房さんの本を読むと、みんなそうなんだ!と思わされ、それだけで、もう気持ちが軽くなります。私にとっては、田房さんの本が、セラピーの役割を果たしてくれていて、人間関係に悩んだときに気持ちを立て直す道しるべ。
この本では、人間関係のさまざまな場面別のモヤモヤを語ってくれています。
「悲しみを押し殺した結果、あとで忘れられなくなったモヤモヤ」の章のエピソードは、若い人ほどあるあるかも。若いときって、何かと自分に落ち度があるのかもと思いがちで、あとから振り返ると、なんて自分はお人よしだったんだーと気付く。
「相手は何も悪くないのにモヤモヤ」の章では、鼓笛隊の思い出にしんみりしました。小学生の主人公を抱きしめてたくなるよ…辛かったね、嫌だったねって。「過去の納得できない感情が似たような場面でぱっと出てくる」…あーあるかもありそうきっとある、って思いました。
人間関係のモヤモヤを静めるため、まず心しておくべきことの一番は、「感情にいいも悪いもない」。無理に自分の感情を曲げようとしない。それは、私が田房さんの本すべてから、強く教えてもらったことでもあります。

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