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ブラックジャックにみる国民性

中国で暮らしていると、中国人の「乗り遅れたくない」、「勝ち馬に乗る」というマインドを感じることがあります。

中国人は、儲け話があると乗っかりたがる人も多く、なにかとバブルが発生しますし、変な儲け話にひっかかり、一文無しになる人も度々ニュースになります。最近は、ここ最近の原油価格が乱高下のなか、うまい売買して儲けた人を見て取引(信用)をはじめたものの、爆損を抱えた人がニュースで取り上げられていました。

ちょうど賭けマージャンのニュースもあったことですので、今回は、ブラックジャックから見える国民性についてをネタとして書いてみます。

私は、マサチューセッツ工科大学の学生が、その優秀な頭脳を駆使して、カジノからお金を巻き上げようとする映画「ラスベガスをぶっつぶせ」に影響を受け(実際には人間模様を描いた映画です)、アメリカ、韓国、シンガポール、ロンドン等に旅行した際に、カジノに立ち寄り、ブラックジャックで遊ぶことがあります(折角なら、「ギャンブルから考える国民性」としたかったのですが、パチンコにも入ったこともないほど、ギャンブル音痴です)。

一応ブラックジャックについて簡単に説明します。まずディーラーとプレイヤーに、2枚づつカードが配られます。そして、ディーラーおよび自分(および周囲のプレイヤー)の手札を見ながら、21を超える(バースト)ことがないように、新たなカードを引きながら、ディーラーより大きな数字を目指すというゲームです(実際には様々なローカルルールがあります)。

限定されたカードを使うゲームですので「確率、統計上正しい戦略」が存在します。

例えば、自分の手札の合計が16の場合、6以上を引いてしまうと21を超えてしまい、その時点負けとなります。1から5までの5枚と、6から13までに8枚あることを考えると、6以上の確立が高くなるため、「引かない」のが「統計的に正しい」となります。
(厳密には、これまでのゲームで使用されたカードも影響します。使用されたカードを記憶することで、より精緻な確率を導く攻略法をカウンティングと言います。上記の映画の中で使われた手法です)

この「確率、統計上の正解」をまとめたものが「ベーシックストラテジー」と呼ばれ、これに沿ってプレイすることが、統計、確率論的には正しいということになります(ただし、どこまで行ってもカジノ側のビジネスですので、忠実に「ベーシックストラテジー」を実施したとしても、確率論、統計上カジノが勝つように出来ています。他のゲームに比べれば控除率は低いですが、理屈上、長くやればやるほど負けるように出来ています。

また、ブラックジャックは複数名でプレイすることも多いのですが、各人のプレイは、他のプレイヤーにも影響します。
そのため、ベーシックストラテジーに則ってプレイすることが一種のマナーになっています。しかし、マナーは所詮マナーであって、強制力はありません。

また、マナーだけでは、計算上じり貧ですし、ギャンブルである以上「勝負」することが醍醐味でもあります。ゲームですし、勝てば官軍なのです。しかし、この緩やかなマナーがあることが、各人の性格、国民性を浮き彫りにするのです。

個人的な感覚として、中国人に「勝負」する人が多い印象があります。特に面白いのが、よりリスクを取る方向で「勝負」に出る人が多いことです。

例えば同じカードが2枚揃っている場合、スプリットと言って、手数を二つに増やしてプレイすることが出来るのですが、10や絵札が2枚揃っている場合、その時点で既に20と強いため、確率論、統計的には「引かない」のが正解です。しかしながら勝負できるチャンスが増えた!とばかりに、スプリットして「勝負」に出る中国人がたびたびいるのです。

このような勝負に出る人は圧倒的に中国人に多く、そのため中国人はたびたび、協調性がない、マナーが悪いと言われがちですが、逆に他人のやり方に文句をつける人も少ないという印象です(たまに「お前のせいで負けた」と直接言ってくる人もいますが)。

一方、日本人は、基本戦略、マナーを徹底的に順守する傾向にあります。また自分の最終的な勝ち負けに限らず、基本戦略、マナーを守らない人がいるとテーブルを移ったり、ぶつぶつ独り言のように文句を言ったりしている人が多いように思います。
勝ち負けに対してストレートに感情を示すことを良しとしない国民性もあるのかも知れませんが、結果はともかく、プロセス、ルールを重んじるところに日本人らしさを感じたりします。

他には、アメリカ人は、同じテーブルのプレイヤーが、基本戦略、マナーををしたその瞬間こそ「オーマイガー!」と言ったり、両手を上に上げたりしますが、他人に対して文句を言うことは少なく、勝てば素直に喜んでいる人が多いという印象です。ロンドンは、その中間くらいでしょうか。

また、勝っている人がいると、その人に乗っかろうとする(一緒に賭けようとする)中国人も多い印象です。まさに「勝ち馬に乗ろう」とするのです。

ギャンブルをする人の話に過ぎず、国民性を語るには、あまりにも根拠に乏しい話ですが、ネタ的に楽しんでいただけると幸いです!

ではでは。

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