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うたた寝|詩



いつの間にか眠ってしまっていたみたいだった

甘ったるい嘘とほろ苦い優しさの香りに
微睡みの輪郭をそっと優しく撫でられて
ふいに目が覚めた夕暮れ


ティラミスみたいで美味しそう
君の薄い紫色の声が耳の奥の方を
微かに引っ掻いている

ティラミスだったらよかったのにね
薄暮の湿度が皮膚と溶け合う


終ぞ、僕の嘘を君が知ることはなかった

君の嘘をもはや僕が知ることはないのと
ちょうど同じように



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