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「自分を満たす」は自分の中にジェーン・スーを召喚することだった

しんどかった先週末、以前から友人たちと代々木公園でピクニックを予定していた。しかし土曜日の夜に長男さんちゃんが発熱し、お腹の風邪も再発。今日は参加できないかもしれないと憂鬱な朝を迎えた。

しかし夫氏が「行ってきなよ」と背中を押してくれ、さんちゃんも最初は一緒に行きたいと言っていたものの、「ごはんだけ食べたらすぐに帰ってきてね」と淋しさをぐっとこらえた顔をして送り出してくれることになった。
2人とも、私の調子がイマイチで気分転換が必要だと、暗に察してくれていたのだと思う。ありがたい。

次男のべえさんを連れて代々木公園に向かい、数年振りに会う友人たちやその子どもたちと気持ちのいい風が吹く原っぱでごはんを食べ、ああでもない、こうでもないと他愛ない話をする時間は、最高に幸せだった。
それぞれがそれぞれの置かれた場所で仕事や子育てに奮闘していることは、それについて語らなくても伝わってくる。それは「がんばっているのは私だけじゃない」という励みにもなったし、「私もずいぶんがんばっている」と自分を肯定することにも繋がった。

さんちゃんとべえさんが気に入ってくれそうなパウパトロールのTシャツをお揃いで買ってお土産にし、一足先に帰宅したあと夫氏にその話を報告した。「そうだよ、ずいぶんがんばってるよ」と返ってきたことで、「これでいいのだな」と確認できたのだった。

子育て中のお母さんへのアドバイスがSNSでよく出てくるのだが、だいたいが「自分を満たすことがまず第一」と言う。正直「自分を満たす時間も余裕も、そんなものどこにもないのにどうしろっていうんだ」と思って受け止めきれないでいた。
1人時間を確保しようと早起きしても子どもも一緒に早起きするし、早く寝かせようとすれば一緒に寝落ちしてしまう。せっかく作れた奇跡の1人時間は家事が気になって、ついそちらを優先してしまう。

夫氏に言わせれば「自分のやりたいことを先にやればいい」そうで、彼は洗い物が溜まっていても、洗濯物が山積みでもまずは寝転がってスマホを見ながら休憩するのが先だ。
「宿題は先に終わらせて、後でゆっくり楽しいことをしたい」派の私としては理解しがたく、自分が損している気になって爆発することもしばしばだったが、最近は「これはもう夫氏の役割」と割り切ってシンクも洗濯物も見て見ぬふりをすることを覚えた。

そんなわけで自分を満たすことなんて到底無理だし、そうしようと思うほどできないことにストレスを感じていたが、友人たちとのピクニックを終えて数日後、1人で着替えられるはずのさんちゃんが、「着替えさせて~」とぐずった。「自分でやってごらん」と言うとさらにぐずるのだけど、べえさんが何かした時は「そうだよねー、そういう時期だよねー」と見守っていることが多い。さんちゃんはそれを見ているから、自分に向けられるまなざしがそうではないことを感じて最近わがままやいたずらが多いのではないかと気づいた。
もしかしたら、さんちゃんにも「そうだよねー、そういう時もあるよねー」と丸ごと受け入れて寄り添ったら変わってくるかもしれない。

友人たちと会ったことで今の自分にOK出せたら、心に余白ができてさんちゃんの気持ちを想像することができた。ついでに自分自身にも落ち込んだりイライラしたりした時に、「そうだよねー、そういう時もあるよねー」と言えるもう1人の自分がいたらいいようだ。それは自分の中に、マツコデラックスでもジェーン・スーでも平野レミでもいいから、そう言ってくれそうな人を呼んでみることだったりする。セルフOverTheSUNをやってみるのもいいかもしれない。

「自分を満たすのが第一」というのは言い換えれば「今の自分にOKを出すこと」なのではなかろうか。
少なくとも私はそうすることで満たされた感じがして、子どもたちに寄り添う気持ちを持つことができたのだった。
 

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