世界はちょっとだけ意地悪だから

世界はちょっとだけ意地悪だから、乗り越えられる試練を課す。
乗り越えられたから、試練と名付ける。
諦めや敗北は後悔として残る。
だけど一度でも手の中に収めた事に意味がある。
持っていないものは失くせないけれど、失くしたものは失くしたものとして、持っているのだ。

世界はちょっとだけ意地悪だから、つめたい振りをしてみせる。
ああ、酷い行いを、と立ち止まらせてくれるから。
拒絶されるのは怖いけど、恐る恐るまた手を伸ばす。
人の中でしか生きられないから。
見捨てないで、って触れに行く。

世界はちょっとだけ意地悪だから、ニアミスが永遠の別れになる。
同じ瞬間を重ねられる奇跡。
明日死ぬ前に何度だって逢いたい。
最後だったと気づくのは、それが終わった後なのだ。

世界はちょっとだけ意地悪だから、たまの優しさが身に沁みる。
それって普通だよ、って笑われても、差し出された手の温もりは本物で。
ちっぽけなプライドと引き換えに、想い出を増やしていけたら良い。

世界はちょっとだけ意地悪だから、
そのつもりで日々を受け容れる。
そのつもりで意味を受け止める。

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